緩和ケアと終末期ケアの混同が依然として多い
がんの緩和ケアは、がんの診断時から行われている。しかし、内閣府が実施した世論調査では、緩和ケアを終末期ケアと混同している人が少なくない結果となっている。また、がん性疼痛の緩和に欠かせない医療用麻薬にも誤解が多いことが明らかになっている。
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がんの緩和ケアは、がんの診断時から行われている。しかし、内閣府が実施した世論調査では、緩和ケアを終末期ケアと混同している人が少なくない結果となっている。また、がん性疼痛の緩和に欠かせない医療用麻薬にも誤解が多いことが明らかになっている。
政府ががん対策の柱の一つとしている「がんとの共生」には、「治療と仕事の両立」が必須だろう。しかし、内閣府による直近の世論調査では半数以上が「両立は難しい」と答えている。また、依然として「がんは怖い」との印象が強く、その理由も明らかに。
痛みは当事者にしかわからない主観的な感覚で、痛みを的確に把握するのは難しい。とりわけ3カ月以上続くような慢性疼痛は、さまざまな要因が絡み合っているだけに、痛みの改善は容易ではない。そこで開発された痛みを可視化するアプリ「いたみノート」を紹介する。
授乳中の母親はなんと穏やかな表情をしているのかと感心させられる。その穏やかさに「癒しホルモン」として知られるオキシトシンが大きく影響していることはよく知られている。このオキシトシンとタッチングケアによる癒しにはただならぬ関係があるという話を書いてみた。
呼吸器疾患患者が高齢者の増加に併い増加しているのを受け、呼吸ケアサポートチームを立ち上げる医療機関が増えている。そのメンバーに抜擢された看護師が、呼吸ケア力をより高めようと呼吸療法認定士資格の取得を決めた。その認定試験にたどり着くまでの道のりをまとめた。
高齢になると複数の疾患の治療を受け、複数の薬の処方を受けることが多くなる。このようなときに「ポリファーマシー」対策が求められる。問題にすべきは薬の数ではない。複数の薬を服用することにより起こる有害事象や服薬ミス、服薬アドヒアランスの低下をどう防ぐか……。
似顔絵セラピストをご存知ですか。患者をモデルにその人の関心事や生活歴を聞き出し、語り合いながら似顔絵を描き上げていく。そのプロセスが笑いや癒しをもたらし、まさにセラピーになっているのだという。自然治癒力を高める看護に役立ててはいかがだろうか。
日本褥瘡学会学術集会で「薬剤誘発性褥瘡」という言葉を知ったと話す看護師の友人に触発され詳細を調べた。結果、鎮静薬による過鎮静の弊害として褥瘡ができるという話だとわかり一安心。高齢者に特徴的な薬剤有害事象として認識を高めていただきたい。
オピオイドなどによりがんの痛みが和らいでいても、急に強烈な痛みに襲われることがある。この突出痛には、予測可能なものもあれば予測不可能なもの、また定時鎮痛薬の切れ目の場合もある。そのタイプに応じて使われるレスキュー薬とアセスメントについてまとめた。
高齢化の進行に伴い心不全患者が急増している。進行が速く、急速に悪化して突然死することもあるうえに、患者は呼吸苦という最も激しい苦痛を体験する。WHOの調査ではがん患者以上に緩和ケアニーズが多いとされる心不全患者の緩和ケアについて現況をまとめた。
がん患者の疼痛緩和に大きな意味を持つオピオイドスイッチング。その適応であるオピオイドが効きにくい神経障害性疼痛のアセスメントを中心に、がん性疼痛看護認定看護師にポイントを聞いた。持続性の「しびれる」「ビリビリする」痛みは神経障害性疼痛と考え対応を。
緩和ケア技術は進歩しているものの、薬だけでは緩和できないつらさに悩む患者は少なくない。このような患者のケアに、バーチャルリアリティ(VR)装置を使い患者の望む場所に出掛けるという疑似外出体験を取り入れ、効果を上げている取り組みを紹介する。
看護ケアの基本に「タッチング」がある。患者に触れて得られる効果を癒しに使おうというものだ。同様のケア方法として最近人気の、足裏や手のひらに集まっている神経の反射区である「神経のツボ」を刺激して痛みや苦痛の緩和を図る「リフレクソロジー」を紹介する。
わが国には530万人以上のCOPD患者がいると推定される。肺機能の低下による全身の酸素不足からQOLが低下し、要介護状態に陥りやすい病気だが認知度は低い。患者は呼吸苦に見舞われるが、その緩和に看護師らによる呼吸リハビリが期待されている。
「カフェ・デ・モンク」と呼ばれる移動喫茶室で宗教者らが悩める人びとの苦悩に耳を傾ける活動が広がっている。この活動の生みの親である臨床宗教師の金田僧侶は、傾聴のコツを「ただ聴くことではなく、相手の物語を共有しようとすること」と説いている。