本ページにはプロモーションが含まれています。
医療ニーズを持つ利用者を
「専門管理加算」の対象に
在宅医療の現場では、介護ニーズに医療ニーズをあわせ持つ訪問看護の利用者が増え続けています。しかも、その医療ニーズは日を追ってより複雑化し高度化してきています。
その複合的なニーズに対して、より質の高い訪問看護を提供していこうと、まずは令和4(2022)年度の診療報酬改定*¹において、続いて令和6(2024)年度の介護報酬改定*²でも、「専門管理加算」という報酬評価項目がそれぞれ新設されています。
「専門管理加算」とは、一定の要件を満たす訪問看護ステーション*において、専門の研修を受けた専門性の高い看護師が実施する訪問看護(専門的ケアの計画的な管理を含む)を評価し、診療報酬として利用者一人につき1か月に1回、2500円(介護報酬では250単位)を所定額に加算するというものです。
専門管理加算創設により
「専門性」がバージョンアップ
専門管理加算が創設されたことにより、訪問看護として提供できるようになった医療的ケアを、それまでの訪問看護と比較してみると、その専門領域はさらに広がり、専門性自体かなりバージョンアップされています。
たとえば特定行為研修を修了した看護師(いわゆる「特定看護師*」)が、訪問看護指示料の手順書加算*を算定する利用者を対象に、以下の特定行為(特定の診療補助行為)を行う場合も専門管理加算の対象となっているのです。
- 気管カニューレの交換
- 胃瘻カテーテルの交換
- 腸瘻カテーテルの交換
- 胃瘻ボタンの交換
- 膀胱瘻カテーテルの交換
- 褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
- 創傷に対する陰圧閉鎖療法
- 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
- 脱水症状に対する輸液による補正
なお、専門管理加算の対象となる訪問看護ステーションや利用者、さらには加算対象となる専門的ケアや特定行為などについてより具体的に知りたい方は、2024年7月21日に発売されたばかりの『訪問看護業務の手引 令和6年6月版』(社会保険研究所)でご確認ください。
専門性の高い看護師と
どう連携するか
令和4年度の診療報酬改定において専門管理加算が創設されて以降、多くの訪問看護師さんから、「担当している利用者の医療的ケアについて、専門看護師や認定看護師、あるいは特定看護師と連携して支援やアドバイスを受けたいのだが、どこに相談したらいいのかわからない……」といった声が少なからずあがっていました。
この声に具体的に応えているのが、日本看護協会出版会刊行の月刊誌『コミュニティケア [2024年8月号 (第26巻8号) 』です。
特集テーマは「専門看護師とつながる」
本誌では「専門看護師とつながる」をテーマに特集を組んでいて、その冒頭で専門看護師と訪問看護師が連携体制を構築する際のポイントが紹介されています。
さらに、すでに訪問看護師と連携して活動している病院所属の専門看護師や訪問看護ステーション所属の専門看護師が、自らの専門性の特徴や課せられている役割、さらには訪問看護師との連携方法などが具体的に紹介されています。
専門管理加算の算定要件である「専門性の高い看護師」は、専門看護師だけではありません。しかし、本特集で紹介されている「個々の専門性」や「つながり方」等々は、認定看護師や特定看護師との連携においても大いに参考になるのではないでしょうか。
専門性の高い看護師と連携するためのガイド
すでに活用されている方も多いと思いますが、訪問看護ステーションのスタッフが専門看護師ら「専門性の高い看護師」と連携する方法については、全国訪問看護事業協会が2016年1月に「専門性の高い看護師と連携するためのガイド(訪問看護ステーション用)」を作成して、同協会の会員専用ページで公開しています。
なお、地域包括ケアシステムの要と目される病院看護職と訪問看護職の連携については、「地域包括ケア推進のための看看連携に手引き」で詳しく解説していますのでご覧ください。