睡眠は時間の長さより「眠りの質」が大事

眠っている

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睡眠不足による不調は
「深い眠り」が足りないため

何かと多忙続きの私たち現代人は、「睡眠」に費やす時間をつい犠牲にして睡眠不足に陥り、「頭がボーッとして判断力が鈍る」とか「集中力が低下して作業能率が落ちる」「日中眠くなる」、などなどの不調に陥りがちです。

こんなとき、「睡眠時間が足りていない」ことだけを原因と考えがちではないでしょうか。しかし睡眠には、「何時間眠るか」も大事ですが、それ以上に「質のよい眠り」、つまり熟睡できているかどうかが重要なのだという話をよく耳にします。

確かに、人はなぜ眠るのかと言えば、日中の活動により消耗した脳と体をメンテナンスしてもとの状態に回復させ、翌日の活動に備えるためです。このメンテナンスに要する時間は、個人差はあるものの、成人では平均して7~8時間と考えられています。これ以上短くても、また長すぎるのもよくないようです。

しかもこの間の睡眠で、質の高い眠り、つまり深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)をバランスよく繰り返すことができたとき、私たちは心地よい熟睡感とともに、心身ともに快適な状態で朝を迎えることができるのです。

睡眠アプリを活用して
自らの眠りの質をチェック

ところで、人が睡眠状態にあるのかどうか、つまり起きているのか眠っているのかは、呼吸状態等からも外見的に、容易に知ることができます。

しかし、その睡眠が質の高い、心身の疲労回復に効果的な眠りなのかどうかは、これまでは終夜睡眠ポリグラフのような検査を受けないかぎり、目覚める時の爽快感や日中の眠気の有無などから主観的に判断するしかありませんでした。

ところが最近では、スマートフォンに睡眠アプリをダウンロードすれば、睡眠中の睡眠パターンや眠りの深さをモニタリングデータとして見ることができます。その結果からその日の睡眠状態と日中の眠気とを関連づけることにより、眠りの質を改善することができるようになっています。

通常は、眠りに入った20~30分後にノンレムの深い眠りに入り、その後はレム睡眠とノンレム睡眠を何回か繰り返しながら少しずつ眠り全体が浅くなっていき、朝を迎えるというパターンが理想的だと言われています。

ところが、たとえば睡眠アプリに表示される睡眠パターンから、睡眠中に何度も覚醒していたり、ノンレムの深い眠りがない、あるいは少ないことが読み取れるなら、極端な例ですが、睡眠時無呼吸症候群のような睡眠障害を疑い、早めに受診するなどの対応につなぐこともできます。

生活習慣を見直して
眠りの質を高める

夜間の眠りの質には昼間の活動状況や生活習慣そのものが大きく影響します。眠りの質を高める対策として厚生労働省は、体内時計や自律神経のバランの乱れを防ぐ観点から、以下の点を中心に、自らの生活習慣を見直してみることをすすめています

  1. 毎日決まった時間に目覚め、自然光を浴びて体内時計をリセットする
  2. 朝食をとり、脳にエネルギーを補給する。エネルギー源としては糖分が望ましい
  3. 日中の活動と自然光で昼夜のメリハリを(日中の自然光は、睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌を促す)
  4. 日中の眠気対策として短時間の昼寝をとる。ただし昼寝が長すぎるとむしろ逆効果であるため、15~20分程度にしておく(タイマーをセットしておくといい)
  5. ライフスタイルに合わせた運動習慣を(夕方から夜の時間帯の就寝する3時間ほど前までの運動が理想的。負担が少なく長続きできる「早足の散歩」「軽いランニング」などの有酸素運動が理想的)
  6. 入浴は就寝する2~3時間前が理想的(就寝前に体温を一時的に2度ほど上げることを目的に湯に浸かるのがいい。熱めのシャワーはむしろ逆効果)
  7. 夜間の明るい光刺激(テレビ、スマホなど)は避け、暖色系の蛍光灯にする
  8. 就寝前の食事、コーヒーや緑茶、飲酒*、喫煙は禁物
  9. 毎日決まった時間に就寝する
*睡眠薬代わりの「寝酒」は、睡眠の質を高めるうえで欠かせないノンレム睡眠の深い眠りを浅くしてしまう。加えて、寝酒の習慣はアルコール依存や肝障害につながりやすく、避けたいもの。
→ 睡眠薬代わりの「寝酒」は百害あって一利なし
最近は、睡眠の質を高めるノンカフェイン飲料の「スピカフェ」が、とりわけ交代制勤務者の間で人気と聞きます。「睡眠の質の向上」と「ストレスの緩和」に加え「肌の弾力維持と健康」という美容上もうれしい機能性(健康への効能)をもつ機能性表示食品です。医薬品ではなく食品ですから安全で、習慣性や依存性の心配もないのが魅力です。詳しくはこちらを。

自然な寝返りを妨げない寝具で
眠りの質を高める

眠りの質を高めるには、睡眠環境や睡眠中の身体を支えてくれる寝具類への配慮も大切。まず寝具類ですが、長い時間同じ姿勢で寝ていると、身体の一部分だけが圧迫されて血液やリンパの流れが滞ってしまいます。

その結果、圧迫されがちな腰部や背部周辺の椎体や筋肉に十分な血液やリンパが行きわたらず、前日からの疲労物質がたまったままの状態で朝を迎えることになりがちで、これでは眠りの質がいいはずがありません。

睡眠時間の長さにもよるでしょうが、人は1晩の睡眠中に、少ない人でも20回は寝返りを打っていると言われています。寝返りを繰り返すことで睡眠中の身体にかかる重力を分散させ、血液やリンパの循環をよくして、痛みや違和感につながる疲労物質がたまるのを防いでいるわけです。

低反発よりも高反発、面でなく点で体を支える

ですから、敷き寝具としての布団やマットレスは、この自然な寝返りをできるだけ妨げないものを選ぶといいようです。具体的には、「低反発」よりも「高反発」のほうが、腰が沈みにくく寝返りを打ちやすいというメリットがあります。

この高反発に、表面が凹凸構造になっていて「面」ではなく「点」で体を支えるという「体圧分散」という条件が加わっていれば、点の刺激が血行を促して、疲労からの回復を早めるというメリットもあり、なお理想的です。

なお、睡眠時の環境については、「寝室に木製の家具を置くなど、木材・木質を多く取り入れると、不眠症状の緩和や質の良い眠りが得られることが期待できる」とする研究結果が報告されています。→ 不眠症状で悩んでいる方は寝室に木のぬくもりを

眠りの質を高めるには
騒音や光対策も忘れずに

眠りの質を高めるには、寝室の環境も大切です。睡眠を妨げる要因として多くの人が指摘するのが、周辺からの騒音や光ではないでしょうか。

「隣の部屋のテレビの音が気になってなかなか寝つけない」「上の階の子どもたちが早朝から元気に走り回るので、その音で起こされてしまう」といった経験はないでしょうか。
あるいはもっと身近な問題して、「夫のイビキが……」というのもあるでしょう。

眠りの質を落とすこうした騒音対策として、「音のカーテン」と呼ばれるグッズが人気と聞きます。カーテンと言っても防音カーテンではありません。「ホワイトノイズ」(白い雑音)と呼ばれる、周りの音をかき消して集中力を高める効果のあるノイズの話です。

たとえば電車に乗ってその走行音に聴き入っているとついウトウトしてしまう、あるいは静かな雨音をじっと聞いていると気持ちが落ち着き、眠くなってくることがあります。いずれもホワイトノイズによる集中力の高まりが熟睡へと導いてくれるというメカニズムですが、このホワイトノイズを聴くことのできる「ホワイトノイズマシン 」が、音のカーテンを創り出す正体です。

なお、交代制勤務の方の夜勤明けの睡眠のとり方については、こちらの記事で書いています。是非お役立てください。
→ 夜勤明けの光対策と食事&睡眠のとり方

参考資料*¹:厚生労働省/e-へるすネット「快眠と生活習慣」