夜勤明けの光対策と食事&睡眠のとり方

光対策

夜勤明けの帰宅時には
光対策にサングラスを

夜勤明けの帰宅時は、サングラスを着用して太陽光を浴びすぎないほうがいい――。

こんな話を聞いて自分も守るようにしているけれど本当のところはどうなのかしら、といった話を友人の看護師さんからもちかけられたことがあります。
仕事柄エビデンスを大事にする彼女らしい問いかけです。

ご承知のように、私たちのからだには「体内時計」がセットされています。

この体内時計の働きにより、太陽が作り出す昼夜のサイクルに合わせながら、体内のさまざまな機能が活動と休息のリズム、いわゆるサーカディアン・リズムを刻んでいるわけです。

この場合、1日の昼夜サイクルは24時間ですが、体内時計はこれより少しだけ長い、概ね25時間の周期でリズムを刻んでいます。

自然環境の昼夜リズムと体内時計が作り出すサーカディアン・リズムにはほぼ1時間のズレがあるわけですが、私たちは朝の太陽光を浴びて体内時計を前に進めることにより、このズレを日々修正しているのです。

太陽光が体内時計を目覚めさせないように

早い話が、朝の太陽光には体内時計を目覚めさせる効果があるということです。

夜勤明けの、これから帰ってひと眠りしようというときに覚醒作用のある太陽光を浴びてしまうと、体内時計が「目を覚ますように」と脳やからだに働きかけてしまいます。

そうならないように、夜勤明けには、サングラスやつばの広い帽子を着用して目に入る太陽光を極力カットし、体内時計を目覚めさせないようにしたほうがいいということよね、といった解釈で、二人ともひとまず納得したのでした。

なお、最近の研究で、寝室に木材や木質製の家具などを多く取り入れると、精神的な安らぎが得られ、スムーズな入眠や快眠につながることが明らかにされています。

といっても大げさなことをする必要をなく、たとえば太陽光をウッドブラインド ( 木製ブラインド ) で遮光するとか、目隠し用に木製のパーテーションを置くだけでも、木のぬくもりによるやすらぎ効果は得られるようです。

詳しくはこちらの記事を参照してみてください。
→ 不眠症状で悩んでいる方は寝室に木のぬくもりを

夜勤明けの朝食は
体内時計を刺激しない軽食を

こうして太陽光に関しては納得できたものの、すぐさま彼女から、
「せっかくサングラスをして家に帰っても、すぐベッドに入るわけではない。やっぱりお腹が空いているから食事もするわけだけど、この朝食も体内時計に影響するって聞いたことがある……」と、新たな疑問が投げかけられました。

確かに食事、とりわけ朝食は、太陽光同様に、自然の昼夜リズムと体内時計によるサーカディアン・リズムのズレの調整に重要な働きをしています。

夕食を食べ終えて以降、睡眠中もずっと絶食状態だったところに、朝食で栄養分を送り込むことによって体内時計を目覚めさせ、脳とからだに朝になったことを知らせているのです。

ですから、夜勤が明けて自宅に戻り、睡眠をとる前に朝食をしっかり摂ってしまうと、体内時計は朝になったのだと受け止め、自然の昼夜リズムとのズレの調整に入ってしまいます。

そのため、朝食を終えて睡眠をとろうとしても、寝つきにくい状態になってしまうのです。

たんぱく質が豊富で胃腸に負担をかけないことが条件

かといって何も食べずに空腹のままでは熟睡できませんから、当面の空腹感を満たし、なおかつ消化器系にあまり負担をかけないように、朝食は軽めに摂るのがいいようです。

とかくパン類と牛乳程度といったものになりがちですが、むしろからだを温めてくれる具だくさん温スープや植物性たんぱく質が豊富なバナナやアボカドなども手軽でおすすめです。

特に温スープのような温かい飲み物には、からだを温めて自律神経に作用し、リラックスさせるという効果が期待できます。

お湯を注ぐだけですぐいただけるクノール スープDELI バラエティボックス 18袋入 トマト/きのこ/たらこなどはいかがでしょうか。

あるいは、休息・睡眠アミノ酸として知られる「テアニン」を豊富に含む緑茶をゆっくり飲んでホッと一息ついてから床に就くのもいいでしょう。
→ 看護師の多いとされる「うつ」を緑茶で防ぐ

「寝酒」の習慣はやめよう

なお、夜勤明けで自宅に戻り眠ろうとしても、なかなか眠れないときの対策として、「寝酒」に頼る方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし寝酒は、寝つきをよくしてくるものの、脳の休息やリフレッシュに欠かせないノンレムの深い眠りを浅くしてしまうというデメリットであります。

寝酒の習慣が続けば、アルコール依存や肝障害のリスクもありますから、寝酒を睡眠薬代わりにするのはやめたほうがいいでしょう。

詳しくはこちらを。
→ 睡眠薬代わりの「寝酒」は百害あって一利なし

そのまま翌朝まで寝込まずに
一度起きて体内時計をリセット

空腹感が満たされたら、体内時計が覚醒しないうちにそのまま睡眠をとるようにします。
くれぐれもスマートフォンやパソコン、さらにはテレビ画面などの強い光で体内時計を目覚めさせないこと。

また、室内は、目覚めたときに周囲の状況が判断できる程度の明るさが安眠には好条件のようですから、カーテンで遮って太陽光を入れないようにします。

いったん眠りに就くと、そのまま夕食時まで、あるいは翌朝まで寝込んでしまうという方も少なくないようですが、できるだけその日の正午まで、遅くとも午後3時までにはいったん目覚めて体内時計をリセットしておくのがいいようです。

午後3時過ぎの昼寝は夜間の睡眠を妨げる

というのは、午後3時を過ぎてもそのまま寝続けていると、体内時計はその睡眠を夜間の睡眠として認識してしまうからです。

その結果、夜間の睡眠が妨げられ、夜中に目が覚めてそのまま寝つけず、朝すっきり起きられない、熟睡感がない、といったことになりがちなのです。

体内時計によるサーカディアン・リズムを狂わせないためには、夜勤明けに睡眠をとるとしても遅くとも午後3時までには一度起きること、その後少し早めの夕食を摂り、食後2~3時間してからいつもより早めに就寝することで睡眠不足を解消するというやり方がいいようです。

夜勤の日も朝に一度は起きる習慣を

なお、仮に夜勤明けの次の日がまた夜勤ということもあるでしょう。
そんな日も、朝はいつもどおりの時間に起きてしっかり朝陽を浴びて朝食を摂り、そのあと夜勤に備えて1時間ほど仮眠することをおすすめします。

体内時計によるサーカディアン・リズムを乱さないコツは、いつも同じ時間に起きて同じ時間に食事をし、同じ時間に就寝することに尽きるようです。

「夜勤の日も、極力このリズムを守るように工夫していればいいわけね」といったところで彼女との話は終わったのですが、参考にしていただけたら嬉しいです。

なお、体内時計が作り出している人間本来のリズム、いわゆる「サーカディアン・リズム」に逆らわない交代シフトは、「正循環シフト」と呼ばれています。

たとえば3交代制の職場では、日勤が続いた後は準夜勤、次は深夜勤といった周期の組み方ですが、このシフトについては、こちらの記事を参考にしてみてください。

24時間365日休みなく稼働する職場が増えるなかで、交代制勤務で働く人の健康を考えたシフトの研究が進んでいる。人間が持っているサーカディアンリズムと呼ばれる生体リズムから奨励されているのが、「正循環シフト」と呼ばれる交代周期だ。その紹介を。