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木材や木の香りが
スムーズな入眠・快眠に
寝室に木製の家具を置くなど、木材や木質の材料を多く取り入れると、精神的なやすらぎが得られ、スムーズな入眠や快眠につながることが調査で明らかになった――。
そんな興味深い研究結果があることを、久しぶりに会った予防医学の研究を続ける友人から聞き、とっさに森林浴のことを思い出しました。
樹木や植物、土といった自然に触れ合うことによって得られる心身のリラックス効果が、ストレス状態からの解放にいいからと、森林浴が一時期ちょっとしたブームになりました。
しかしながら、身近に森林がある人はごく限られます。出掛けて行くにしても、時間的にも気持ち的にもなかなか余裕がない人も多く、最近では森林浴ということ自体、あまり話題にのぼらなくなっていたのですが……。
今回は、自宅に居ながらにして、手軽に木材や木の香りの健康効果を甘受でき、不眠症状の改善に役立つという研究成果について、そのポイントを紹介したいと思います。
睡眠改善に向けたアプローチに
木材・木質に囲まれた住環境を提案
この研究は、農林水産省の研究機関である森林研究・整備機構森林総合研究所が、筑波大学および帝京大学と共同で実施したものです*¹。
木材を見たり、直接触ったり、木の香りを嗅いだりすると、心拍数や血圧が下がり、心身をリラックスさせる働きをつかさどっている副交感神経が活性化されることは、これまでのいくつかの研究でも明らかにされています。
このことから考えると、木材や木質材料に囲まれた住環境で眠れば、より質の高い心地よい眠りが得られるのではないか、と考えたのが、この研究の始まりだったようです。
日本人成人の約2割が快眠できていない
なにしろ私たち日本人の平均睡眠時間は短く、世界的に見ても最低レベル。しかも、成人の約2割が睡眠になんらかの問題を抱え、快眠できていないとされています。睡眠障害や睡眠不足による生活の質(QOL)や作業効率の低下は、経済的に甚大な損失をもたらしかねませんから、働く人たちの睡眠を改善することは、国レベルでも重要課題の一つです。
睡眠改善に向けたアプローチについては、すでに多方面からさまざまな提案がなされています。「寝る直前までスマートフォンやパソコンを見るのはやめる」「遅くとも寝る3時間前までに夕食を終える」「深夜までお酒を飲まない」などはその代表例です。
森林医学や睡眠医学、産業精神医学(働く人たちの心の健康を守る医学分野)の研究者らが、そこに木材・木質の住環境に視点を置いたアプローチを新たにつけ加えようと、この研究に取り掛かったというわけです。
寝室に木質の家具があると
不眠症になる割合が少なくなる
研究グループは、2016~2017年に、茨城県と東京都内にある4つの職場で働く成人671名(男性298名、女性373名:年齢22~68歳、平均43.3歳)を対象に、手軽に心拍数などのデータを測定できる「活動量計」による睡眠測定とアンケート調査を行いました。
また、不眠症の疑い(不眠度)については、世界的に使用されている8つの質問に対する回答を数値化して測定する「アテネ不眠尺度」によって判定しています。
アンケート調査では、家屋の住環境や自身の寝室、睡眠の状態、生活習慣などについて回答を求めていますが、そのなかには、「寝室内で木材・木質の内装や家具、建具がどの程度使われているか」という質問も含まれています。
この問いに寄せられた回答を分析した結果、不眠症の疑いのある人の割合は、寝室に木材・木質材料が「使われていない」と回答した人たちでは39.8%を占めたのに対し、「たくさん使われている」と回答した人たちでは25.3%と、少ないことがわかりました。
寝室で精神的な安らぎを感じているかどうか
さらに、寝室で精神的な安らぎを感じている人の割合は、寝室の建具や内装に木材・木質が「たくさん使われている」と回答した人たちでは86.6%と、「使われていない」人たちの70.8%より高いことも明らかになっています。
これらの研究成果から研究グループは、「寝室に木製の家具を置くなど、木材・木質材料を多く取り入れることにより、不眠症状の緩和や質のよい眠りが得られることが期待される」と結論づけています。
寝室に木製のブラインドや
木製のパーテーションを
そこで、ではこの研究成果を、日々の生活にどのように取り入れて睡眠の改善につなげていくか、という話になります。仮にマンション暮らしの方ですと、急遽木造住宅に住み替えるとか、リフォームして建具や内装を木質のものに替えるといったことは、あまり現実的な解決策とは言えません。
しかし、たとえば室内に木製の家具を置くことだったら難しくはないかもしれません。あるいは、目隠し程度に部屋を仕切る木製のパーテーション なども、最近はいろいろなサイズのものが比較的手ごろな価格で手に入ります。
また、交代制勤務の看護師さんのように夜勤のために昼間の時間帯に仮眠をとる習慣がある方は、寝室の窓に掛けているカーテンに替えて木製 ウッド ブラインド を吊るすなどすれば、取り入れる太陽光の量を調節することができ、なおかつ木のぬくもりで快眠も得られるという、まさに一挙両得です。
なお、昼間の快眠を妨げるものには「音」があります。この騒音対策については、「交代勤務者の昼間の睡眠と騒音対策」をあわせてご覧ください。
高血圧やうつ病患者向け森林浴セラピーの開発も
なお、冒頭で記した森林浴に改めて興味を持たれた方にはおすすめの一冊があります。『Shinrin-Yoku(森林浴): 心と体を癒す自然セラピー』(創元社)です。
この本の著者は、予防医学的な効果が認められている森林浴研究の第一人者として、国内はもちろん広く海外からも注目を集める宮崎 良文(みやざき よしふみ)千葉大学教授(環境健康フィールド科学センター)です。
本書では、森林浴を体験できる場所や具体的なプログラムに加え、自宅で手軽に取り入れることができる自然セラピーとして、フラワーアレンジメントや観葉植物、木材、香りなどから得られる健康改善効果も紹介されています。
宮崎教授は現在、自然と触れ合うことによって得られる心身のリラックス効果をふんだんに取り入れた高血圧やうつ病患者向け森林浴プログラムの開発に取り組んでおられるとのこと。高血圧やうつ病患者のケアにも生かせる一冊ではないでしょうか。
眠剤に頼る前に「スピカフェ」を
不眠症に悩む方のなかには、眠剤に頼りたいが習慣性や依存性が気になって使えないというがは多いようです。
そんな方は、GABA(ギャバ)の効果でストレス緩和や睡眠の質を上げる効果が期待できる機能性表示食品のノンカフェイン飲料「スピカフェ」を試してみてはいかがでしょうか。
機能性食品として認可されているうえに、薬ではなく食品ですから、安心して試していただけるはずです。詳しくはこちらを。
参考資料*¹:森林総合研究所「木のぬくもりあふれる寝室で良い眠りを ―木材・木質の内装や家具が多い寝室では不眠症の疑いが少ない―」