交代勤務者の昼間の睡眠と騒音対策




眠る

交代制勤務スケジュールに合わせ
昼間の睡眠を余儀なくされる

睡眠障害の一つに「交代勤務睡眠障害」があります。
病院勤務の看護師さんに代表される交代制勤務に就いている人は、勤務スケジュールに合わせて睡眠をとらざるを得ない状況におかれます。

そのため、自然環境の昼夜リズムと体内時計が刻むリズム、いわゆるサーカディアンリズムとの間に大きなズレが生じがちです。
このズレにより、量的にも質的にも過不足なく睡眠をとることが難しくなります。

その典型例として、夜間勤務に備えて勤務に出る前の日中に少し仮眠をとっておこうと横になっても、眠りが浅く、からだが休まらないことが多いようです。

また、夜勤を終えた後の昼間にとる睡眠も、なかなか寝つけなかったり、寝ついても途中で何回も目が覚めてしまうなど、熟睡にはほど遠い睡眠になってしまうと聞きます。

このように昼間の睡眠を妨げる要因はいろいろ考えられます。
今回はそのなかの騒音について、このところ話題にのぼることが多い「ホワイトノイズ」効果を活用してはどうかという話を書いてみたいと思います。

騒音対策として人気の
「音のカーテン」の正体は?

私たちの耳に届く「音」は、音源によってはリラックス効果がある一方、騒音となると、ただ理由もなくイライラさせられるだけの深刻なストレス源となります。

たとえば、深夜になると決まって大音量で音楽をかけるという迷惑行為により、近隣住民が睡眠を妨げられている、といった報道が時折流れます。
これはまさに騒音トラブルでしょう。

この種の騒音問題は、大なり小なりどこに暮らしていても直面するようです。
少し前になりますが、アメリカ・ニューヨークで暮らす友人から、このような睡眠時の騒音対策として現地では、「音のカーテン」なるものが人気だという話を聞いたことがあります。

「音のカーテン」と聞いて、超厚手の防音シートのようなもので作られたカーテンをとっさにイメージする方が多いと思います。
私もそうでした。

ところが、実際は全くの別もの。
ホワイトノイズの集中効果やリラックス効果を活かした音響機器ホワイトノイズ マシン が、「音のカーテン」を作り出す正体でした。

ホワイトノイズが
周囲の騒音をかき消し深い眠りへ

電車やバスに乗ってその走行音に聴くともなく身をまかせていると、つい睡魔に襲われてウトウトしてしまうことがあります。

あるいは、静かな雨音や小川のせせらぎを聴いていると、不思議と気持ちが落ち着いてくるといった経験はないでしょうか。

こうした現象はいずれも、ホワイトノイズ(白い騒音)がもたらす集中効果やリラックス効果によるものだそうです。

ホワイトノイズとは、私たちの耳が聴き取ることのできる周波数の音が、すべて均等な強度で含まれている音として説明されています。

特定の周波数が突出することがないために、たとえばピアノの音色とかバイオリンの音色、といったような独特な音色がないのが特徴です。

ホワイトノイズは、こうした独特な音の構造から、周りの騒音をかき消して集中力を高めたり、リラックスさせる効果があるとのこと。

このホワイトノイズによる集中力の高まりが、リラックス効果と重なって、雑念を払いのけて寝つきをよくし、睡眠の質を高めて深い眠りへと導いてくれるようです。

耳鳴りの音響療法でも
ホワイトノイズを活用

ホワイトノイズは、このところ高齢者に増えている「耳鳴り」の軽減を目的に行われる音響療法にも活用されていると聞きます。

耳鼻科の医師によれば、一般に、
「周囲が静かなときに耳鳴りが気になる」
といった程度の耳鳴りを訴える患者には、川のせせらぎによく似た低音域で単調なリズムを踏むホワイトノイズが効果があるそうです。

ただし、耳鳴りを引き起こす原因はさまざまで、なかには精神的ストレスや睡眠不足などの身体的ストレスが耳鳴りを引き起こしていることもあります。

あるいは耳垢が溜まっていて外耳道をふさいでいたり、プールで、あるいはシャンプーの際に入った水がそのまま残っていて、耳鳴りのように感じている人もいるでしょう。

このような場合には音響療法は適応とはなりません。
まずはかかりつけ医に相談するか、最寄りの耳鼻科を受診し、本当に耳鳴りなのかどうか、もし耳鳴りならその原因を明らかにしてほしいと、耳鼻科医は話しています。

ホワイトノイズの聴きすぎは
脳に悪影響を及ぼすことも

適応が合いさえすれば、耳鳴りの治療にも活用され、効果を上げているというホワイトノイズですが、一方でリスクもあります。

集中力を高める効果を試験勉強や仕事の効率アップに活用しようと、最近はホワイトノイズの各種発信機器やアプリまで開発、市販されています。
YouTubeなどでも「勉強用」などとしてホワイトノイズが聴けるようになっています。

これらをフルに活用し、ヘッドフォンを介して長時間にわたりホワイトノイズを聴き続ける人が、若者を中心に増えているようです。

しかし、ホワイトノイズの聴きすぎが脳に悪影響を与える可能性のあることが、最近のアメリカにおける研究で明らかにされています。

とは言え、提示されているエビデンスはまだ弱いようです。
睡眠のための騒音対策として、寝室にホワイトノイズを流す程度であればまずは問題はないと考えていい、というのが耳鼻科医の見解です。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」、つまり何ごともほとほどに、といった先人の教えを念頭に、昼間の睡眠時の騒音対策としてホワイトノイズを活用してみてはいかがでしょうか。

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