看護師の手荒れ防止にハンドマッサージを




ハンドマッサージ

手荒れは避けられないと
半ば諦めていませんか

看護師さんを対象に、頻回な手洗いや消毒製剤による手荒れの実態を尋ねる調査が、これまで繰り返し行われています。

それらの調査結果を見ると、皮膚の乾燥、ひび割れ、あかぎれなどの現れ方やその重症度には多少の違いがあるものの、おおむね4人に3人の割合で、調査によっては90%を優に超える高率で、看護師さんが手荒れに悩んでいるとする深刻な実態が明らかにされています。

こうした結果を踏まえ、「手洗い後にきちんと手を拭く習慣をつける必要がある」とか、「手を濡らして乾かした後はそのままにしないでハンドクリームをつけることを忘れないように」などと注意を喚起し、さらには「ではそのハンドクリームはどんなものがいいのか」といったかたちで話が進んでいます。

そのなかには、院内感染防止や自らをウイルスなどの病原体から守るために「1処置1手指消毒or手洗い」が鉄則であることは承知しているものの、手荒れが悪化しないように手をかばおうとする気持ちから、「できるだけ水にさらしたくない」「アルコール刺激は避けたい」など、看護師さん自らが手指衛生の行為を省略してしまうリスクがあることを指摘する残念な調査結果もあります。

手荒れの問題については、これまで多くの看護師さんから、
「看護師として手指衛生に努めるのは当然で、その結果としての手荒れは避けられない」
と、半ば諦めに似た声を何度か聞いてきました。
しかし、果たしてそうでしょうか。

皮膚のバリア機能が弱い
体質・素因を持つ人も

看護現場を取材するなかで、同僚たちと変わりなく看護の現場で仕事をしているのにいっさい手荒れを経験したことがないという看護師さんに、一度ならず出会ってきました。

その一方で、「そんなに神経質にならなくても」と同僚から言われるほど、手洗いや手指消毒後のスキンケアに人一倍気を使っているのに、いつもあかぎれやひび割れで苦しんでいる看護師さんもいらっしゃいました。

一般に、手荒れは「水や洗剤など、外的な刺激の繰り返しによる皮脂の減少」「乾燥状態の放置などによる皮膚バリア機能の低下」「アトピー素因など体質的に皮膚バリア機能が弱い体質」などの要因が重なって起こると考えられています。

このなかで、とかく見逃されがちなのが、体質や素因として皮膚バリア機能がもともと弱いために手荒れになりやすいという要因です。

ご存知のように、バリア機能とは、外部からの有害物質や刺激を防いで、皮膚から水分などが失われないようにする働きです。この機能が低下していると、普通のスキンケアをどんなに念入りに行っても、症状の改善には限界があると聞きます。

先に紹介した人一倍保湿などのスキンケアに力を入れているのに、いつも手荒れに苦しんでいた看護師のAさんは、最近になり、自分にはこの要因があるのではないかと疑うようになったと言います。そして先日、意を決して、自宅で受けられるアトピー性皮膚炎の発症リスクがわかる遺伝子検査を受けてみたそうです。

今は結果待ちの状態で、仮にリスクが高いという結果が届けば、きちんと皮膚科を受診するつもりだと、メールで知らせてくれています。

彼女のように、人一倍手荒れがひどく、それなりの対応をしているのになかなかよくならないという方は、皮膚バリア機能がもともと弱い肌質なのかどうかを、「MYCODE(マイコード) ディスカバリー」などで一度調べてみてはいかがでしょうか。

手荒れが始まる前に
自分でできる予防的ケアを

一方、手荒れとはまったく無縁の看護師さんもいます。
キャリア5年で、大学病院の外科病棟に勤務する看護師のNさんは、勤務の日は15回以上は手指衛生をしているとのこと。

しかも、一昨年の結婚以来、主婦業も立派にやっておられますから、さぞかし手荒れが深刻ではとお考えでしょうが、さにあらず。
彼女はいつも、手荒れ一つない、つやつやしたとてもきれいな手をしているのです。

その理由を尋ねると、看護師として勤務するようになって間もないころから、ハンドマッサージに力を入れているのだと話してくれました。

腰の痛みで訪れた整体院で整体師さんから、手がひどく凝っていることを指摘され、
「看護師さんや美容師さん、介護士さんといった、手をよく使う仕事に就いている方には、疲れにより手が凝り固まっている方が多いのですが、みなさん自分ではそのことに気づいていないからケアもしていない」
と聞いたことがマッサージにつながったと言います。

手が凝っているということは、手の血行が滞り、バリア機能の働きも低下していて、手荒れも起きやすいだろうし、いったん荒れたら治りにくいのではないだろうか――。

そう考えて、ハンドマッサージで手のひら全体を揉みほぐすことをバスタイムの習慣としているそうです。湯上りのあとには保湿クリームをたっぷりつけ、シルクの手袋をして就寝するようにしているのだ、とも話してくれました。

手の凝り解消&血行促進に
ハンドマッサージの習慣を

バリバリの現役でも手荒れがないという看護師さんのなかには、定期的にエステやネイルサロンに通ってハンドマッサージを受けている方もいるようです。
しかし、時間的にも、またかかるコストの面でも、そう頻繁にできることではありません。

そこで、一部の看護師さんの間でブームになっているのが、ハンドマッサージャーとのこと。このマッサージャーの機種は何種かあるようですが、私が懇意にしていただいている看護師さんの間で評判がいいのは、効用や安全性の面から管理医療機器としての認証を得て市販されている ハンドマッサージャーです。

勧められて私も購入しました。
マーサージャーの内側が指を1本1本包み込むグローブのような形状をしていて、指を少し開き加減にした状態でマッサージャーの中に入れると、エアパックが指の1本1本と手のひら全体を軽く圧縮して揉みほぐし、手全体の血行とリンパの流れを促してくれます。

指を中心に揉みほぐしてくれる「指先コース」と手のひらのツボを中心に指圧してくれる「全体コース」のいずれかを選択できます。

エアプレスの強弱を2段階から選択でき、その時の状態に応じてヒーターをオンにしてホットマッサージを受けることもできます。

手全体がちょっとむくみ気味なときはこのヒーターを活用しています。
末端冷え性の方にもヒーターは強力な助っ人になってくれるはずです。

手の乾燥が気になるときは、保湿効果の高いハンドクリーム(保湿力の高さでは白色ワセリン がいい)をたっぷり、指のすみずみまで塗ってから、付属のビニール手袋をしてマッサージをすると、手の凝りがとれるうえにしっとり感のある手になってくるように感じています。

ハンドマッサージャーは少し高価ですが、エステや整体に出かけることを思えば安いもの。
最近は男性もキレイな手は魅力の一つですから、パートナーのいる方は一緒に使えば安上がりではないでしょうか。

なお、看護師さんの手荒れ対策については、すでにこちらの記事でも書いていますので読んでみていただけたら嬉しいです。

感染防止の観点から頻回な手洗いは避けられず、結果として手荒れに悩まされている方は少なくありません。ときにひび割れなどもして、さらに感染リスクを高めることも……。手荒れ防止を強く意識した手洗いの方法とスキンケアについてまとめてみました。