マスクの長時間着用によりドライアイに!?

マスク着用

マスクから漏れる呼気が
目の水分を奪いドライアイに

新型コロナウイルス禍の影響で、看護職のみなさんは、職場の医療現場を離れてもマスクを外せない生活が続いて、すでに3年近くになります。

長時間に及ぶマスクの着用は、さまざまなトラブルを誘発しています。

一般の方にも共通して最も多いのは、マスクによる摩擦やマスクで覆われた部分の「むれ」が原因で起こる吹き出物や肌のベタつきといった肌荒れです。

マスクの長時間着用による肌荒れに悩む人が増えている。マスク内の蒸れに加え、マスクによる擦れが刺激となり、肌荒れを悪化させている。対策として「薬用バーム」を塗布して皮膚のバリア機能の低下を改善するのがいいらしい。この薬用バーム等による肌荒れ防止策をまとめた。

加えて、患者対応に必須のN95マスクの長時間着用により、鼻のつけ根に褥瘡を思わせる兆候が出るといった肌トラブルが、多くの看護師さんを悩ませていることは先に紹介しました。

収束傾向にあった新型コロナウイルスが感染再拡大へと一転し、医療従事者には気の抜けない日々が続く。特にCOVID-19の患者対応に当たるスタッフには、N95マスクの長時間装着による圧迫創傷という肌トラブルも悩みだ。日本褥瘡学会によるその予防法を紹介する。

さらに最近では、「マスクドライアイ」といって、長時間にわたるマスク着用により「ドライアイ」になる人が増えているという話を見聞きするようになりました。

マスクをしているとメガネが曇るように、マスクの上部から漏れる呼気(自分の吐く息)が、呼吸をするたびに目にあたり、目の水分を奪い、乾燥させることが原因と聞きます。

ドライアイは、ときに角膜を傷つけ、目に深刻な影響を与えます。

その辺の話とドライアイの兆候、セルフチェックの方法、症状緩和策などをまとめておきたいと思います。

マスクの長時間着用が
ドライアイの患者を増やしている

ドライアイとは、目の表面を潤している涙の分泌そのものが少なかったり、量は十分でも涙の質が低下して、目の表面に涙が均等に行きわたらなくなっている状態です。

「ドライアイは涙の病気」と言われるゆえんです。

涙の量の減少や質の低下は加齢に伴い誰にも起こり得るものですから、ドライアイは、当然高齢者により多く見られます。

ところが最近は、加齢現象だけでは説明できない世代にもドライアイに悩む人が増えており、国内のドライアイ潜在患者は2000万人を優に超えると推計されています。

その原因の一つは、仕事でパソコンやタブレット端末などのディスプレイを使う、いわゆるVDT作業を長時間続けている人や、スマートフォンが手放せなくなっているような人が増えていることにあるようです。

ディスプレイを見ているときはまばたきの回数が減ることが原因です。

季節を問わず稼働しているエアコンにより室内の環境が乾燥しがちであること、さらにはコンタクトレンズ、特にソフトコンタクトレンズの装用者が増えていることもドライアイの増加に影響しているようです。

眼精疲労により肩こりや頭痛などと伴うかたちでのドライアイもあるようです。

そこに新たに加わったのが、コロナ禍による「マスクの長時間着用」という問題です。

このような要因が一つでもあり、目を開けた状態で10秒間まばたきを我慢できないうえに、目の疲れや目が乾いた感じ、ゴロゴロした異物感、見えにくさを感じるようなら、ドライアイを疑ってみる必要がありそうです。

「ドライアイチェックリスト」で
セルフチェックを

ドライアイに関する研究を進める約500人の専門医でつくる「ドライアイ研究会」は、一般の方のセルフチェックに役立ててもらおうと、次のような「ドライアイチェックリスト」を作成して、Webサイトで公表しています。

症状を順次チェックしていき、5項目以上にチェックが入るようならドライアイの可能性があると判断して、早めに眼科を受診するようすすめています。

こんな症状はありませんか? ~ドライアイチェック~

□ 目が疲れる
□ 目が重たい感じがする
□ 目がゴロゴロする
□ 目が乾いた感じがする
□ 目に不快感がある
□ 目がヒリヒリ痛い
□ 目が赤くなりやすい
□ 目がかゆい
□ 朝、目が開けにくい
□ 光をまぶしく感じやすい
□ 白っぽい目ヤニが出る
□ なんとなく見えずらい
□ 時々かすんで見える
□ 最近少し視力が低下したようだ

(引用元:ドライアイ研究会Webサイト*¹)

ドライアイで角膜が傷つくと
視力が低下することも

「ドライアイは涙の病気」と言われますが、そもそも涙には脂分(あぶらぶん)やムチン(粘液)が含まれていて、目の表面を潤して保護すると同時に、角膜や結膜の細胞に栄養分を送り届けるという非常に重要な働きがあります。

ドライアイによりこの涙の量が少なくなったり、質が低下してくると、目の表面が傷つきやすくなります。

この状態を放置していると、角膜や結膜が炎症を起こしたり傷つくリスクがあります。

特に、水晶体とともにレンズの役割を果たしている角膜が傷つくと、「文字がぼやける」「目が乾いてショボショボする」「目がかすむ」「痛みを感じる」といった症状に続き、「視力が低下する」こともあるようです。

まばたきの回数を増やして
ドライアイを予防する

ドライアイを予防、あるいは症状を進行させないためには、「まばたきの回数を意識して増やす」ことによって、目の表面、特に角膜の表面を涙で潤してあげることです。

この場合のまばたきは、からぶりまばたきにならないように、下まぶたと上まぶたが完全につくまでしっかり閉じるのがコツです。

このケア方法は、マスクをしたままでもできるでしょう。

パソコンやタブレット端末、スマートフォンといった情報機器のディスプレイを眺める作業をしているときは、1時間に10分ほどディスプレイから目を離し、目に休息の時間を与えてあげることも大切です。

この休憩中は、軽く目を閉じたり、窓の外に目を向けて遠くを眺めるなどして目をリフレッシュさせるといいでしょう。

この間に、蒸しタオルや市販の温熱アイマスク(ホットアイマスク)などで目を温めるのも効果的です。

ただ、「目が痛い・かゆい・赤い」といった炎症を疑わせる症状があるときは、温めることによって炎症を悪化させる可能性がありますから、眼科医の診察を受けて問題ないことを確認してから温めることをおすすめします。

「ドライアイ用」目薬は
防腐剤を含まないタイプを

目を潤す目的で目薬を使いたくなるところですが、この目薬にも注意が必要です。

ドライアイで受診するとよく処方されるのは、防腐剤を含まない人工涙液タイプの目薬です。

一方、処方箋なしで購入できる市販の「ドライアイ用」目薬の多くには、目薬の品質を長期間保つために防腐剤(「塩化ベンザルコニウム」という成分がよく使われている)が含まれています。

この防腐剤自体に害はないのですが、ドライアイによって角膜が傷ついているときにこの防腐剤入り目薬をさすと、防腐剤が刺激となって、症状を悪化させることがあるそうです。

目薬を購入するときは、目薬の箱に書かれている注意書きを確認することもお忘れなく。

あるいは、やはり一度眼科を受診して、処方してもらうほうが安心・安全でしょう。

引用・参考資料*¹:「こんな症状はありませんか? ~ドライアイチェック~