減塩の新しい考え方「かるしお」の活用を!!

食材

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国立循環器病研究センター提唱の
「かるしおレシピ」をご存知ですか

「かるしお」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。あるいは「かるしおレシピ」はどうでしょうか。「かるしお」とは、「塩をかるく使ってうまみを引き出す」といった、国立循環器病研究センター(以下、国循)が提唱している「減塩」の新しい考え方です。

塩分控えめの食事は、高血圧の有る無しに関係なく健康的な食事です。ただ、味がいまひとつで飽きてしまい長続きしない、あるいは薄味が物足りなくてつい塩をかけてしまう、といったことになりがちなのが「従来型の減塩食」です。

そこで、通常の減塩食に代わるものとして、国循では2005年という早い時期から、病院の栄養士と調理師が協力して、塩を減らすことにより素材の持つ「うまみ」を引き出し、美味しく食べてもらえるようにと、独自性のある減塩食の開発に取り組んできました。

この新しい減塩食が入院患者に大変好評で、退院した患者から、「あの食事を家庭でも食べてみたい」との声が数多く寄せられたのだそうです。こうした声に応えて誕生したのが、1食あたり食塩2g未満で、彩りと栄養バランスに富んだ「かるしおレシピ」です。

この「かるしおレシピ」をはじめとして、「かるしお認定制度」から誕生する「かるしお認定商品」など、国循が循環器病予防のための食生活改善を目指して取り組んでいる「かるしおプロジェクト」について書いてみたいと思います。

コロナ禍による自粛生活で
塩分過多の傾向に

感染の再拡大を繰り返してきた新型コロナウイルスは、私たちの食生活にもさまざまなかたちで深刻な影響を与えています。

国循の「かるしお事業推進室」がWEB上で実施した食生活に関するアンケート調査によると、新型コロナウイルス感染拡大による「緊急事態宣言以降あなたの食生活は変わりましたか?」との質問に、調査に応募し、回答した434人のうち84.6%が、食生活が「変わった」と回答しています。

間食や調理済み食品により塩分過多に

その「変わった」食生活の具体的な内容として最も多かったのは「間食」で、61%の人が間食する頻度が増えたと答えています。一般に間食としてよく口にするのは、塩分の多いスナック菓子類ではないでしょうか。だとすれば、必然的に塩分過多になっているのではないかとの懸念を抱きます。

また買い物のための外出も自粛となり、どうしても宅配や持ち帰り、出来合いの総菜など、調理済み食品の利用がいつも以上に増えたとする回答も多くなっています。調理済み食品もまた、保存を効かせるために、また味を良くするために、塩分がいつもより多めに使われていますから、塩分の摂りすぎになりがちです。

ということで、改めて注目されているのが減塩の重要性です。同時に、栄養バランスを兼ね備えつつ食塩を1食あたり2gに控えた「かるしお認定商品」にも多くの人の関心が注がれているようです。

「かるしお認定基準」を満たした
「かるしお認定商品」を

「かるしお認定商品」とは、国循が設定した「かるしお認定基準」を満たしていることが国循の審査で認定され、「かるしお認定マーク」の表示が認められた商品です。

「かるしお認定基準」は2014年11月に制定され、2020年4月1日に2度目の改定が行われ、現行の基準のポイントは以下のようになっています

  1. 弁当、飲食店の定食、どんぶりもの等
    ① 1食あたり600kcal程度、たんぱく質25~30g、脂肪エネルギー比25%以下
    ② 食塩相当量2g未満、および野菜(海藻・きのこを含む)使用量150g以上であること
  2. 単品惣菜、飲食店での単品料理等
    ① 1品(1人前)として適量であり、食品相当量0.5g未満
    ② パッケージに1人分の分量が明記されていること
    ③ 味つけせずにそのまま食事として食べられる状態に調理されているもの
  3. しょうゆ、みそ、合わせ調味料、だししょうゆ等の調味料類
    ① 同質の他の食品より30%以上食塩相当量をカットしていること
  4. インスタント食品等の加工食品
    ① 同質の他の食品より30%以上食塩相当量をカットしていること
    ② 食塩相当量を1食あたり2g以上含むものには、成分表示以外にも明確な表示を行う
  5. 塩蔵(保存用に塩漬けにされた)食等の加工食品
    ① 同質の他の食品より30%以上食塩相当量をカットしていること

上記の基準をクリアし、審査をパスして「かるしお認定マーク」の表示を認められた「かるしお認定食品」は、すでに300件を突破し、現在も増え続けているとのことです。

「かるしお認定商品」の一覧は、国循のWEBサイトにある「かるしおプロジェクト」のコーナーで確認することができます。一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

血圧が正常でも
食塩は1日6g未満に

2019年4月に改訂された「高血圧治療ガイドライン2019」では、高血圧患者に対し、高血圧が重症化して心筋梗塞や脳卒中など深刻な循環器疾患に進行するのを予防するためには、1日当たりの食塩摂取量を6g未満にすることをすすめています。

さらに、2018年の国民健康・栄養調査では、日本人の食塩摂取量の平均値は10.1gで、必要量をはるかに超える食塩を摂取していることが明らかになっています。

こうした事態を懸念した日本高血圧学会は、血圧が正常であっても、男女ともに、食塩摂取量を1日6g未満に落とすことを奨励しています。

その点、国循が提唱する「かるしお」は、「食塩を減らしても美味しい」ではなく「食塩を控えるから美味しい」をモットーとしています。

特に、高血圧などで従来型の減塩に挑戦しているものの、「味気がなくて美味しくない」ことを理由に挫折している患者も少なくないと聞きます。

このような患者には、国循の「かるしお認定商品」や『 国循のかるしおレシピ (かるしおシリーズ)』本を紹介してみてはいかがでしょうか。

コンビニ大手のファミリーマートも「こっそり減塩」と銘打った取り組みにより、減塩生活を送る方を応援しています。食塩相当量を2.5gに抑えた「銀鮭幕の内弁当」や5.1gの「オムライス」、3.6gの「ミートソーススパゲッティ」、5.2gの「ソース焼きそば」などが用意されています。詳しくはこちらを。
「減塩なんて自分には関係ない」と若い方は思いがちだろうが、長年の塩分(食塩)の摂りすぎが高血圧につながる。減塩目標は1日食塩摂取量6g。厚生労働省は食品メーカーと協力して、カップ麺やコンビニ弁当など減塩食品を広める取り組みをスタートさせたことを紹介する。

参考資料*¹:緊急事態宣言後の食生活に関するアンケート
参考資料*²:かるしお認定基準(2020年4月1日改定)
参考資料*³:かるしお認定商品一覧