糖質カットの炊飯器って栄養的にはどうなの?




ライス

糖質カット機能付きの
炊飯土鍋が開発された

糖質カットの炊飯器が人気を集めています。

糖尿病などの食事療法として糖質を制限している方はもちろんですが、
「ダイエットしたいがやっぱりおいしいご飯も食べたい」
という女性や、肥満気味で体重を少し落としたほうがいいと、医師から忠告されているような中高年男性にも愛用者が多いと聞きます。

そんななか、糖質カットの炊飯機能を備えた土鍋が売り出されたとの報を耳にし、「糖質カットご飯」への人気の高さを、改めて認識させられました。

同時に、その土鍋を紹介するテレビ映像を眺めながら、
「主食の糖質をそんなにカットしてしまって、栄養的に問題はないのかしら」
と、他人事ながら心配になってきました。

そこで、病院で管理栄養士として働いている友人をお茶に誘い、その辺のことを聞いてみましたので、わかったことをかいつまんで紹介したいと思います。

炊飯時の吹きこぼれを捨て
糖質を約17%カット

その、夜のテレビ番組で紹介されていた糖質カット機能付き炊飯土鍋とは、三重県四日市市にある伝統工芸「萬古(ばんこ)焼」を製造する窯元と名古屋市内のヘルスケアメーカーが共同開発したという「気づかう土鍋」のことです。

炊飯時に糖質をカットするメカニズムについては、すでに数社から売り出されている糖質カット機能付き炊飯器を参考にしたそうです。

「キャッチャー」と呼ばれる独自に開発した中蓋をセットしてお米を炊き上げます。
すると、炊飯時の吹きこぼれをこの中蓋がキャッチして、お米から溶け出した糖質成分を捨てることができる、といった仕組みになっています。

この場合の糖質カット率は約17%とのこと。
白いご飯にこだわりを持つ、いわゆる「ご飯通」と言われる人の多くは、スイッチを入れるだけでOKの炊飯器ではなく土鍋で火加減を調整しながらご飯を炊いていると聞きます。

そんなご飯通が最近特に増えているそうですから、「糖質を抑えながらおいしいご飯が食べられる」というこの炊飯土鍋の需要は結構あるんだろうと思います。

ただ、気になるのは、中蓋がキャッチして捨ててしまうという吹きこぼれです。

「お米を炊き上げるときのあの粘っこい吹きこぼれは、回復期にある人の食事に欠かせない、あの重湯(おもゆ)のことだから、それをあっさり捨ててしまうというのは気になるわね」
と管理栄養士は懸念します。

炊きこぼれの主成分
ブドウ糖は貴重なエネルギー源

お米を炊き上げたときに出る吹きこぼれ、つまり重湯には、糖質のなかでもすぐに使えるエネルギー源として必須のブドウ糖が多く含まれています。

吹きこぼれを捨てるということは、このブドウ糖を捨ててしまうということです。

私たちの身体は、ブドウ糖の補給が制限されて血液中のブドウ糖を使い切ってしまうような事態になると、肝臓などに予備として蓄えられているグリコーゲンが分解されてブドウ糖として働く、といった仕組みになっています。

ただし、肝臓に蓄えられている予備量は限られています。
そのため、糖分の補給が十分でないと、身体全体がエネルギー不足の状態に陥り、だるさを感じたり疲れやすくなったりします。

■脳がブドウ糖不足になり判断力が鈍る
個人的に特に気になるのは、ブドウ糖を唯一のエネルギー源にしている脳が、ブドウ糖不足に陥るリスクがあることです。

脳や神経に十分なブドウ糖が行き届かなくなると、判断力が鈍る、集中力が落ちる、注意力が散漫になる、あるいは眠気が襲ってくる、といった状態に陥りやすくなるのです。

「看護師さんの働きぶりをそばで見ていて、体力も知力も気力も使う大変な仕事だと思うから、主食で糖質をカットしてエネルギー摂取量を抑えることはあまりすすめられない」
とは、管理栄養士の彼女の見解です。

特に夜勤中の脳の疲れは尋常ではないと聞くだけに、私もこの考えには賛成です。

糖質カットは
肌のハリやツヤの衰えを招く

かつて糖質制限ダイエットが大変なブームになったことがありました。

ところが、実はそこには深刻な落とし穴があることがメディアを通じて医師らにより指摘されたこともあり、今ではいっときほど話題にのぼらなくなっています。

この糖質制限ダイエットで指摘されたデメリットは、エネルギー不足による体力低下のために体調不良を招きやすいことでした。

加えて、筋力が衰えるうえに、肌のハリや弾力、ツヤも衰えて、実年齢より老けて見えるといった、女性にとっては致命的ともいえる指摘もあったことを思い出します。

「だから、主食で糖質をカットした場合は、その分を主菜や副菜、つまりおかずをしっかり摂ってたんぱく質や脂質を補うようにして、必要なエネルギーを確保すること。それと、特定の栄養素だけを制限すると、栄養バランスが崩れやすくなりますから、いつも以上に栄養バランスということを考えながら食事をすることをおすすめしたい」
と、管理栄養士さんからのアドバイスです。

なお、「気づかう土鍋」のニュース映像は、こちらのサイトから見ることができます。

最近は普通の炊飯器でも手軽に糖質カットできるタイプのものが何種か市販されています。
たとえば[山善] 炊飯器 マイコン式 糖質カット は、1号炊飯時で、角砂糖2個分に当たる約7.7gり糖質が減らせるようです。


気づかう土鍋【cook very】萬古焼 万古焼 糖質カット