看護師を結婚相手に望む男性が多いようです

ブライダル

結婚離れが進んでいますが、
看護師のあなたは?

「結婚したことが看護師を続けるうえでプラスになっているという先輩が多いんです。詳しく聞くと、なるほどと思うから、私も絶対結婚する」

会うたびにそう話してくれていた看護師のKさんから、うれしいメールが届きました。
「突然ですが、41歳の誕生日を目前にして、結婚することになりました」

ところで、「生涯未婚率」という言葉をご存知でしょうか。文字どおり、生涯、つまり一生を未婚のまま過ごす人の割合です。一生といっても、50歳までに一度も結婚したことのない人を「生涯未婚者」として統計をとっているようです。

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が、5年に1回、国勢調査を実施していることはご承知でしょう。生涯未婚率は、この国勢調査の結果を分析して割り出されるのですが、その最新データが、2020年4月に公表されています。

50歳時点での生涯未婚者は、
男性4人に1人、女性6人に1人

それによると、2020年の50歳時点での生涯未婚率は、男性が26.7%、女性は17.5%。男性は4人に1人以上、女性は6人に1人が生涯結婚しないという計算になります。

この調査が開始された1970年頃までは、「結婚するのが当たり前」とされる時代だったこともあり、男女ともに生涯未婚率は1%台に落ち着いていました。しかし、それ以降、生涯未婚率は増加の一途をたどっています。

特に1990年以降の増加は著しく、10年前に実施された前回調査と今回の調査の比較でも、男性は3.23ポイント、女性は3.45ポイント増加しています。「結婚離れ」が進んでいることをうかがわせるデータといっていいでしょう。

女性看護師の
「しっかりしている」イメージが人気

統計値を見る限り、結婚離れが進んでいる印象ですが、では結婚を望んでいない人が実際に多いのかというと、どうもそうではないようです。

このへんの実態を知るには、国立社会保障・人口問題研究所が2022年9月9日に公表した、2021年6月実施の出生動向基本調査*¹(結婚と出産に関する全国調査・5年に1度実施)の結果が参考になります。

このなかに、未婚者を対象に「結婚の意思」を尋ねた調査があります。その結果を見ると、「いずれは結婚しようと考えている」と答えた人の割合は、18~34歳の未婚者グループで、男性は81.4%、女性は84.3%で、前回の調査より多少減少はしているものの、依然として8割を超える結果が出ているのです。

男女ともに「仕事と子育ての両立」を望んでおり、男性は女性の経済力を重視または考慮している一方、女性は男性の家事・育児能力を重視していることがわかります。未婚の看護師さんは、この数字をどのように受け止められるでしょうか。

未婚男性が結婚相手に望む職業のトップは「看護師」

男女ともに未婚者の9割近くに結婚する意思のあることがわかりました。そこで次に知りたいのは、では、結婚する意思のある彼らは、結婚相手にどのような人を理想と考えているのかです。これは既婚の私でも知りたいところです。

この点については、民間レベルでさまざまな調査が行われ、結果がインターネットなどで公表されています。それらを見ると、たとえば未婚男性を対象に結婚相手に望む職業を尋ねた調査の多くで、「看護師」がトップ、あるいは2位にランクインしています。

さらに、看護師さんを結婚相手に選ぶ理由として多いのは、「しっかりしているイメージが強いから」がトップ。

「子どもの教育や年老いた両親との付き合いなどを考えると、安心して任せられそうだから」といった、きわめて堅実な回答があげられています。

「恋愛対象には華やかな仕事をしている人がいいと思うが、結婚となると、やはり一生のことだから看護師さんを選びたい」など、現実的な声が多いのもちょっと驚きです。

半面、「結構真面目に結婚のことを考えているのだ」と、若者世代を見直す気持ちも湧いてきたりしています。

出会いの機会が少ないのが
結婚を望む看護師の悩みの種?

一方、職業としてではありますが、理想の結婚相手として選ばれた看護師さんサイドは、結婚についてどのように考えておられるのでしょうか。看護師さんを対象に絞って、結婚や子どもを産み、育てることに関してアンケートをとるなどした調査結果は、残念ながら見当たりません。

そこで、これまでの取材を振り返ってみました。特に、20~30歳代の看護師さんに取材をお願いした折には、本題での取材を終えた後の雑談のなかで、結婚や出産など、ごく日常的な関心事が話題にのぼることがよくありました。

そんなときに聞かせていただいた話では、若い世代の多くの看護師さんは、「できれば結婚したい」、それも「子どもがほしいから、高齢出産にならないうちに相手を見つけたい」と、結婚も出産も望んでおられるようでした。

その一方で、「出会いの機会が少ないから」「職場の飲み会とかで意気投合してつき合っている同僚もいますが、私としては医療関係者以外の方と知り合いたい。でもそのチャンスがない」とのこと――。

一方で、「仕事だけでなく、いろいろと勉強したいから研修会などに参加することも多く、出会いのための時間を作る余裕がない」などの声が多かったことも記憶しています。

K看護師の出会いのきっかけは
民間の婚活サポートだった

40歳の誕生日を目前にして結婚を決めた看護師のKさんは、数年前に緩和ケア認定看護師の認定を受けています。認定を受けるまでのオフタイムは、もっぱらその準備として実績を積むことやそのための教育を受けたり、研究論文を書くことで消えていました。

緩和ケア認定看護師になってからは、その責任の重さの自覚もあって持ち帰る課題が多く、ワークとライフのバランスは大きくワークの側に傾いていたようです。ただ、かねてからKさんは、「患者さんがよく生きるためのケアにトコトン挑戦したい」と語っていました。

「そのためには自分自身も、一人の人間として生きるということをきちんとやっていきたい」「だから普通に結婚して家庭を持ち、子どもを育てるということを、仕事と両立させていこうと思っている」とも――。

子育て真っ最中の先輩に背中を押され

そんなある日、子育てをしながら働く職場の先輩が笑いながら語ってくれたこんな言葉が、Kさんの背中を、結婚に向けて大きく押してくれたといいます。

「40歳を過ぎてからの子育ては、精神的には幸せだけと、肉体的には大変よ。子どもはとにかく元気で、一日中走り回っているから、その後を追うだけで顎が上がってしまうのよね」

この話を聞いて、「そろそろタイムリミットだ」と感じたというK看護師。その日帰宅してすぐ、かねてより母親からすすめられていた、いわゆる結婚相談所にアクセスして、無料の資料を請求したそうです。

送られてきた資料にあった婚活パーティーに参加し、そこで素晴らしい出会いがあり、とんとん拍子に話が進み、41歳の誕生日を前に結婚が決まったというわけです。私としては、お二人が幸せな結婚生活を築いていかれるようにと、祈るばかりです。

自治体による結婚(婚活)支援サービスも

民間の結婚相談所は、入会金や登録料、お見合い料等々、何かと費用がかさみます。その点、自治体が少子化対策の一環として行っている結婚(婚活)支援サービスは、自治体にもよりますがかなり割安でサービスを利用することができます。

都道府県名、あるいは市区町村名で「婚活サポート」「婚活サービス」「結婚相談」などをキーワードに検索してみてください。

なお、結構相談所のような婚活サポートを利用する際は、電話での相談や申し込みは不備があったときに「言ったでしょう」「聞いていません」といった対応になりがちです。

少しの手間はかかりますが、きちんとネットで申し込み、記録し終えたら送信する前にコピーをとっておくなどの慎重な手続きをされることをおすすめします。

参考資料*¹:第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)