経腸栄養コネクタの切り替えをご存知ですか




コネクト

チューブ類に不可欠な
コネクタの誤接続が心配

病院内はもちろんですが、最近は在宅ケアの現場においても、さまざまな医療ニーズに応えて経腸栄養や輸液、あるいは人工呼吸器による呼吸管理などが行われ、そこでは各種チューブやラインが使われるようになっています。

これらのチューブやラインには、例えば経腸栄養のバッグとチューブをつなぐためのコネクタが不可欠です。ところがこのコネクタの誤接続による医療事故例が、数自体はそれほど多くないものの、国の内外で報告されています。

本来は経腸栄養ラインを通じて内服投与されるべき薬液入りの注射器を、輸液ライン用のコネクタに誤って接続し、そのまま血管内に注入して事故につながってしまった、といったケースがその代表例といっていいでしょう。

あるいはこの逆のパターンで、コネクタの誤接続により、輸液ラインに経腸栄養剤を誤って注入してしまったとか、輸液に追加すべき薬を人工呼吸器システムのルートに注入してしまった、といった事故報告もあったようです。

コネクタの形状を変更して
誤接続による医療事故を防ぐ

こうしたコネクタの誤接続に伴うリスクを防止しようと、例えば経腸栄養ラインと輸液ラインが、あるいは輸液ラインと本来は気体の通路である人工呼吸器システムとが物理的に接続できないようにコネクタの形状を変更する検討が進められてきました。

数年にわたる検討の結果として、厚生労働省は、国際規格に準じた新規格のコネクタに全面的に切り替えることを決定。
2017年10月には、都道府県と関連学会に宛て、周知徹底を促す通知「相互接続防止コネクタに係る国際規格(ISO 80369シリーズ)の導入について」を発出しています。

この通知では、新規格製品のコネクタへの円滑な切り替えを促しています。
同時に、新規格製品の販売開始に伴い、
①現在市場に流通している規格のコネクタ(旧規格製品)は販売を終了する予定であること、
②その販売終了時期は、たとえば経腸栄養分野(経腸栄養注入セットなど)は2021年11月末(日本工業規格の改正された日から3年6カ月を経過した月末まで)とすること、
など取り扱い上の約束事が明記されています。

また、③医療の現場に新規格製品と旧規格製品のコネクタが混在する時期が出てくること、
④その混在する時期には、患者がコネクタを有する医療機器を設置したまま転院するようなことがあると新規格製品と旧規格製品では接続できない事態が起こりうることを明記。
その不具合による医療事故を防ぐために、
⑤事前に医療安全の観点から管理体制を整備しておくよう注意喚起しています。

経腸栄養のコネクタは
新規格と旧規格では接続不能に

コネクタの新規格製品への切り替えは、経腸栄養分野をはじめとして呼吸器システムおよび気体移送分野、神経麻酔分野(脊椎麻酔、硬膜外麻酔、および神経ブロックに用いる滅菌済み穿刺針など)、四肢のカフ拡張分野、泌尿器分野など、医療現場で使われているすべてのコネクタについて、新規格製品が揃い次第順次行われます。

まずは、経腸栄養分野で使用されているコネクタから、その移行準備が進められています。
この切り替えに関し厚生労働省は、2018年3月に「経腸栄養分野の小口径コネクタ製品の切り替えについて」とする通知を発出しています。

このなかには、製造販売会社の新規格製品の出荷については「2019年12月以降に開始するのが望ましい」と明記してあります。
しかし、実際の出荷開始時期は企業により異なり、この時期より早まることも考えられます。
その場合、医療現場に新規格製品と旧規格製品が混在する可能性があり、両製品による接続不能というリスクがあることを念頭に、必要に応じて変換コネクタを準備するなどして切り替えを慎重に行うよう呼び掛けています。

なお、コネクタ関連の厚生労働省の通知は同省ホームページからダウンロードできます。
■「相互接続防止コネクタに係る国際規格(ISO 80369シリーズ)の導入について」(コチラ
■「経腸栄養分野の小口径コネクタ製品の切り替えについて」とする通知(コチラ

経腸栄養コネクタの切り替えが
経腸栄養用流動食製品にも影響

経腸栄養に使用される経鼻チューブや胃瘻カテーテルの新規格コネクタは、現行の旧規格コネクタと接続の向き、いわゆる「オス(凸)」と「メス(凹)」が逆になっているのが特徴です。
つまり今まで上流のコネクタが「オス」で下流が「メス」だったものが、上流が「メス」で下流が「オス」に変更になっているのです。

そのため、新規格製品ではオスコネクタ(下流)の内側に経腸栄養剤の残渣が溜まることも考えられることから、きれいに拭き取るなど、衛生管理上の配慮が求められます。

また、経腸栄養用の経鼻カテーテルや胃瘻チューブのコネクタの形状変更により影響を受ける流動食製品および流動食関連製品があります。
この点については、日本流動食協会が影響を受ける製品名を企業別にリストアップして公表していますので、是非参考にしてください(コチラ)。