再構築される認定看護師制度―どう変わるの?




日本看護協会が
認定看護師制度をリニューアル

認定看護師制度がスタートして20年――。
この間、誕生した認定看護師はおよそ2万人に達しています。
21の看護分野において、1人ひとりが卓越した看護実践と仲間や後輩たちの教育に真摯に取り組む姿を、これまで数多く目にしてきました。

同時に、その認定看護師の方々が、さらなる上を目指し日々研鑽を重ねておられることも、取材させていただく折々にひしひしと感じ取っていました。
とりわけ看護メディアなどが時々取り上げる「特定行為」とか「ナースプラクティショナー」という言葉には敏感だったように思います。

新たな認定看護師教育制度が始まる

そんななか日本看護協会は2018年、かねてより検討を重ねてきた認定看護師制度のリニューアルについて、再編案を決め、公表しています。

そして今年(2019年)6月には、
⑴ 2020年度からは新たな認定看護師教育制度をスタートする
⑵ 認定看護分野を再編成して、現行の21から19分野にする
の2点を、記者会見の場で明らかにしています。

一時は「認定看護師制度が廃止される」などといった、とんでもない誤報が飛び交ったようです。
しかし、廃止どころか教育のいっそうの充実を図り、さらにレベルアップした認定看護師が誕生することになります。
では、現任の認定看護師たちの意向はどのようなかたちで反映され、新しくなっていくのでしょうか。ポイントとなるところをまとめてみたいと思います。

認定看護師に期待される
プラスアルファの役割と責任

リニューアルされる認定看護師制度の最大の特徴は、その教育カリキュラムに「特定行為研修」が盛り込まれる点にあります。
といっても、現在認定看護師資格をもっている人すべてに、この「特定行為研修」の受講を強要しているわけではありません。

現行の資格認定制度における認定看護師は、看護師として5年以上の実践経験(うち3年間は認定看護分野での実践経験)を持ち、日本看護協会が定める認定看護師教育を修め、認定看護師認定審査に合格することにより取得できる資格です。

資格取得後は、認定看護師として水準の高い看護実践、看護職に対する指導およびコンサルテーション(相談)を行うとともに、日々自己研鑽を重ねることが求められています。
この資格は永年資格ではなく、5年ごとに更新する必要があります。

新制度下の現任の認定看護師には、決められている5年ごとの更新をコンスタントに受けながら、一生を通して従来通り認定看護師として活動を続ける選択肢も残されています。

特定行為を行うことができる「特定認定看護師」

一方で、特定行為を自ら実践して、今以上の役割と責任を引き受けていきたいと考える認定看護師も少なからずいるはずです。

こうした意思をもつ認定看護師は、特定行為研修を受ける道を選択することになります。
研修を修了したうえで新たな認定看護師へ移行する手続きを終えれば、「特定認定看護師」として活動することができるようになります(詳しくはコチラ)。

医師の指示のもと診療補助として
国が定めた特定行為を行う

新しい認定看護師制度において、特定認定看護師に新たな役割として期待されるのは、認定看護分野における「特定行為」の実践です。
ここで言う「特定行為」を厚生労働省は、
①診療の補助行為として、
②医師(担当医)の指示のもとに、
③あらかじめ担当医により用意された手順書に従い、
④看護師が行う行為、
と説明しています。

特定行為には、「気管カニューレの交換」「人工呼吸器からの離脱(ウィーニング)」「中心静脈カテーテルの抜去」「インスリン投与量の調整」「脱水症状に対する輸液による補正」、さらには「抗不安薬の臨時の投与」など、現時点で38行為あります。

特定認定看護師は、このなかから自分の認定看護分野に該当する特定行為を行うことになるわけですが、その際には、患者の身体所見や検査結果などが医師から指示された病状の範囲内にあることを確認することが求められます。

診療の補助行為とはいえ、いずれの行為も、これまでは医師にのみ行うことが許されてきた医行為です。このことを考えれば、特定行為を行う看護師には、実践的な理解力、思考力および判断力、並びに高度で専門的な知識と技能が必要とされるのはうなづけるところです。

ちなみに38の特定行為については、個々の行為を実施する大まかな手順とともに厚生労働省のホームページにリストアップされています(コチラ)。
是非一度目を通してみてください。

認定分野の再編成と
新制度への移行スケジュールの確認を

2017年から2020年の3年間は、従来の日本看護協会による認定看護師教育は行われませんが、特定認定看護師に求められている特定行為研修は行われます。

その他、認定看護師制度の再構築に伴う現行の認定看護師の教育や認定審査などに関する変更事項や、新制度移行に関するスケジュール、および新制度への移行に伴い21分野から19分野に再編成される認定看護分野の詳細などについては、日本看護協会ホームページのコチラで随時確認することをおすすめします。

なお、一時期「特定看護師(仮称)」という呼称がメディアなどで流れた時期があったのですが、ご存知でしょうか。国が、看護師が診療の補助行為として行う「特定行為」を認めるまでの過程で出てきた一つの動きです。
その辺の話と、特定行為の実施に関する医師サイドの受けとめ方などはこちらの記事にまとめてあります。是非参考に。

「特定看護師」という資格があるわけではないが、それを目指すと話す看護師は少なくない。国が定めた特定行為を診療の補助行為として行うことを認められた看護師のことだ。ただ話は簡単ではない。まず問われるのは、看護師としての臨床実践能力のようだ。