減食ダイエットが原因で骨粗鬆症から骨折に




骨折

手首を骨折した若い女性が
骨粗鬆症を指摘された

取材で知り合って以降、時折メール交換をしている20代後半の看護師E子さんから、泣きべそ顔の絵文字入りメールが届きました。
「勤務中に手首を骨折して、しばし休職することになってしまった」とあります。

早速電話で「骨折なんて、いったい何があったの?」と尋ねると、
「つまずきそうになったので慌ててそばにあった机に手をついたら、手首が……」
と、消え入りそうな声が返ってきました。
さらにこう続きます。

「受診した整形外科医からは、エックス線写真を見ながら、骨が少々脆くなっているから骨粗鬆症予防も心掛けた方がいいと言われた。それを知った同僚たちからは、『えっ、あなたって、もうそんな歳だったの?』とからかわれ、すっかり気が滅入ってしまって――」

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)といえば、女性ホルモンが大きく影響する病気で、更年期以降の女性に多いことでよく知られています。ところが最近では、若い女性にも目立って増えていて、E子さんのようなケースも決して珍しくはないようです。
というわけで、今日はそのへんのことを書いてみたいと思います。

エストロゲン不足による骨粗鬆症は
更年期以降の女性に多いが……

骨粗鬆症とは、骨を形成し、かつ強くするうえで不可欠な材料となるミネラルの量、いわゆる「骨量」が減少し、骨のスキマが増えて骨全体が弱くもろくなってしまう病気です。

弱くもろくなった骨は折れやすく、簡単に骨折してしまいます。
骨折しないまでも、もろくなった背骨が体重を支え切れなくなり、やがて負担に耐え切れず部分的につぶれてしまい、背骨が丸まって猫背気味になったり、腰痛を引き起こしたり、さらには背中全体が曲がって身長が小さく父んでしまったりもします。

このような骨の変化は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が少なくなる更年期以降の女性に多く見られることはよく知られています。
骨をつくり、強化していくうえで必要なエストロゲンが不足するのが原因です。
E子さんが同僚たちから年のことでからかわれた理由は、このへんにあるのでしょう。

減食ダイエットで骨粗鬆症リスクが高くなる

ところが最近は、閉経後の高齢女性だけでなく、E子さんのようにまだ20代や30代で、生理が正常に続いている若い女性の間でも骨粗鬆症が増えていることが指摘されています。
原因はいくつか考えられますが、特に発症リスクの高さで注目されているのが、減食ダイエット、つまり食事制限によるダイエットです。

E子さんに改めて聞いてみたところ、彼女も看護師として働くようになってからごく最近まで、スリムなスタイルにあこがれる気持ちと、夜勤などにより食事の時間が不規則になるのをこれ幸いと欠食するなどして、減食ダイエットを続けていたそうです。

体組成計を活用して
体重と一緒に骨量チェックを

E子さんのようにダイエットを目的に食事を制限し、たんぱく質やカルシウムなど骨の材料となる栄養素が不足した食生活を続けている方、あるいは過去に一時的にでも、そんな食生活をしていた方は、骨粗鬆症の発症リスクが高いと認識すべきでしょう。

このリスクの高さは、若い女性だけに限った問題ではありません。
肥満を気にして極端な食事制限やインスタント食品頼りの栄養が偏った生活を続けている男性も、近い将来骨粗鬆症になりやすいことが指摘されています。

その予防には、男女の別なくまずは食生活を見直してみることが重要です。
が、その前に、体重を気にするように自分の骨量、つまり身体の骨全体に含まれているカルシウムなどミネラルの量も気にすることから始めるのがいいようです。

骨量の測定は、市区町村の検診でも、また民間の医療機関や健診センターなどでも、比較的簡単に受けることができます。
加えて最近の健康ブームに乗り、体重だけでなく全身の筋肉量や内臓脂肪までチェックできる家庭用の体組成計が各種売り出されています。そのなかには乗るだけで骨量を測定できるものもありますから、これを利用してみるのも一法でしょう。

骨の材料となる栄養素を
過不足なく摂り骨粗鬆症予防を

骨量は、成長とともに増え続け、20代から40代にかけてピークに達すると、それ以降は加齢とともに少しずつ減少していくことがわかっています。

ですから、成長期にある女性は骨量のピークをできるだけ高くする生活を、そして閉経が近づいたらそのピークをできるだけ維持する生活を心がけ、閉経後は骨量の減少を最小限に食い止める生活を送ることが、骨粗鬆症の予防につながると考えられています。

食事の面から骨量を維持し、減少をできるだけ食い止めるためには、骨の材料となり、その代謝を助ける栄養素を、毎日の食事からまんべんなく摂ることが大切になってきます。
その際、要となる栄養素はカルシウム(牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品、骨ごと食べられる小魚類、大豆製品、小松菜や菜の花などの緑黄色野菜、海藻類)です。

その際、カルシウムは身体に吸収されにくい栄養素ですから、カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンD(かつお、まぐろ、椎茸などのきのこ類)やビタミンK(納豆、ほうれん草)、またマグネシウム(ひじき、わかめ、バナナ)も、積極的に摂るようにしたいものです。

ただ、E子さんによれば、「夜勤があったりして、食事だけでこれらの栄養素を毎日過不足なく補給していくのはちょっと無理」とのこと。そこで彼女には、噛んで食べるタイプのカルシウム、コハルト かるみるく カルシウムサプリメント をすすめてみました。

ダイエット志向の彼女には、人工甘味料を使っていない点が魅力とのこと。
また、自然な甘さのあるヨーグルト風味であることやタブレットになっていて飲みやすいことなどが気に入って、早速試してみるとのことです。

骨細胞を刺激して骨量を増やす運動も

骨折しにくい骨づくりには、骨に負荷をかけて骨量を増やす効果が期待できる運動も欠かせません。骨、具体的には骨細胞に体重という負荷がかかる運動としては、走る(ランニングやジョギング)、歩く(ウォーキング)が最適です。

なかでもウォーキングは、日常的に誰でも抵抗なくできるでしょう。その際、歩くスピードを調整することで骨にかかる負荷を強くしたり、弱くしたりすることもできます。

とは言え、戸外での運動は天候に左右されて限界があります。
また、1日の大半の時間を仕事にとられる現状では、運動する時間を工面することさえ難しいという方も少なくないでしょう。

そんな方は、室内でできる階段の昇降運動を習慣化するというのはいかがでしょう。
市販されているステップ台を使えば無理なくできます。その際、下肢の骨に負担をかけることを意識して昇り降りをすると、骨細胞に刺激が届き、骨を強くする効果がアップするとともに、併せてダイエット効果も期待できます。