ストレスによる「うつ気分」を緑茶で解消

日本茶

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ストレスによるうつ気分に
緑茶のうまみ成分が効く

こころの病は多々ありますが、なかでも「うつ病」は、10人集まればそのうち1人は「うつ病経験者」といわれるほど日本人には珍しくない病気です。

医師からうつ病の診断を受けていなくても、「憂うつな気分になることがよくある」「気持ちが落ち込む日が多い」「よく気が滅入る」なども加えると、「うつ」や「抑うつ」気分を経験している人はかなりの数にのぼりそうです。

うつ病は、ストレスが大きく関係するストレス性疾患であると考えられています。ストレス反応が改善されずに慢性化すると、うつ病につながりやすいというわけです。

少し前の話になりますが、看護職を対象にした比較的大規模な調査において、約7割の方が仕事にストレスを感じていることが明らかになっています。

加えて、日々の仕事上のストレスにより、「なんとなくイライラする」「憂うつな気分がする」「気が滅入る」など、何がしかの精神症状を自覚している看護師さんもかなり多くの数にのぼることが明らかになりました。

そこで今回は、この「うつ」や「抑うつ」気分の緩和・解消に「緑茶のうまみ成分が効く」ということについてまとめてみたいと思います。

うつ病と緑茶の関係に
研究グループが着目

多くの日本人を悩ませている「うつ」や「うつ病」と日本人が伝統的に愛飲している「緑茶」との間にただならぬ関係があることにいち早く着目したのは、国立精神・神経医療研究センター(現在は帝京大学医学部精神神経科学講座主任教授)の功刀(くぬぎ)浩医師です。

功刀医師は、うつ病などの精神疾患やさまざまな精神症状を食事や栄養学的な側面から治療しようというわが国「精神栄養学」研究の第一人者です。

功刀医師らの研究チームは、東北地方に暮らす70歳以上の男女を対象にした調査を進めるなかで、緑茶を1日に4杯以上飲む習慣のあるグループは、1日に平均して1杯飲むか、あるいは緑茶はまったく飲まないグループに比べ、うつ病になるリスクが半分以下に抑えられていることを突き止めました。

その理由を探っていくなかで目をつけたのが、緑茶に多量に含まれているうまみ成分、睡眠・休息アミノ酸として知られ、睡眠サプリメントなどにも多用されている「テアニン(L-Theanin)」と呼ばれるポリフェノールの一種だったのです。

緑茶でホッと一息つけるのは
緑茶のうまみ「テアニン」に

テアニンとは、グルタミン酸からできるアミノ酸です。このアミノ酸にリラックス効果があることは古くから知られていました。

緑茶を飲むとホッと一息ついて気持ちが落ち着くのは、このテアニンの効果により脳がリラックスするからです。

少々専門的な話になりますが、思考、判断、記憶、感情といった私たちの人間らしい精神活動を司っているのは、大脳皮質の神経細胞(ニューロン)です。

その数は100憶とも180憶とも言われていますが、ほぼその7割がグルタミン酸を材料にしていると考えられています。

緑茶を飲んでグルタミン酸たっぷりのテアニンを体内に送り込んであげることにより、神経伝達物質の働きがいっそう活性化します。

その結果として、神経細胞間の伝達がよりスムーズに行われるようになることが、緑茶を飲んで得られる「ホッ!」との理由だろうというわけです。

緑茶を飲むなら
テアニンの多い抹茶を

ご存知のように、緑茶はお茶の樹から摘みとった茶葉からつくられます。テアニンはこのお茶の樹の根っこの部分で生成され、樹が成長し育っていくのに合わせて枝の先端、そして葉の部分へと上がっていきます。

ところが、お茶の樹が育っていく過程で強い太陽光線を浴びると、テアニンの一部が分解されてカテキンに変わり、そのぶんテアニンの量が減ってしまい、その減ったぶんだけ、お茶のうまみが少なくなってしまうのです。

そこで、テアニンをできるだけ多く残してうま味の多い茶葉を育てようと、「よしず棚」と呼ばれるすだれのような物で茶畑の一部を覆い、強い日差しが当たらないようにして茶葉を育てる方法がとられるようになりました。

このように日光を遮って育てられた茶葉は、甜茶(てんちゃ)と呼ばれます。この甜茶を石臼(いしうす)などで丁寧に挽いて粉末状にしたのが「抹茶」です。手をかけたぶんだけ、抹茶は普段私たちが飲んでいる煎茶に比べ高価になりますが、テアニンはより豊富に含まれています。

煎茶のなかの玉露も、抹茶ほど長い期間ではありませんが、茶葉を摘みとる前の20日前後は日光を遮って育てられますから、そのぶん普通の煎茶よりもテアニンの量は多くなります。

テアニンの含有量から言えば、多い順に抹茶>玉露>煎茶となります。

テアニンを無駄なく飲むには
低温のお湯で緑茶をいれる

さてその飲み方ですが、抹茶も玉露も、また普通の煎茶も、茶葉に含まれるテアニンを無駄なくそのまま飲むには、いったん沸騰させたお湯を50℃前後に冷ましてから茶葉に注ぎ、2分ほど蒸らしていれるのがいいようです。

お湯が高温すぎると、テアニンが分解されてしまい、テアニンよりもカテキンやカフェインのほうが多いお茶になってしまいます。

飲む量は、普通サイズの湯飲みで1日4~5杯を目安とします。食後に1杯ずつと、午前と午後のティータイムに和菓子と一緒に1杯ずつというのはいかがでしょうか。

最近は、抹茶を使ったドリンクやケーキ、チョコレートなども出回っていますから、いろいろ楽しんでみれば気分転換とテアニン効果の一挙両得です。

月経前症候群によるイライラにも緑茶が効く

テアニンは、ストレスによるうつ症状だけでなく女性の月経前症候群(PMS)によるイライラや憂うつ、集中力の低下、不眠といった症状を和らげる効果も期待できるようですから、該当する方は試してみてはいかがでしょうか。

なお、紅茶やウーロン茶は、緑茶と同じお茶の樹の茶葉を原料にしていますが、製造過程で発酵させる度合いが強いため、テアニンは分解されてしまってほぼゼロ、むしろカフェインやカテキンが多くなっています。

カテキンは脂肪燃焼効率が高いとしてダイエット志向の若い女性に人気のようです。

しかし、ストレスによるうつ気分など、沈みがちな気持ちを少しでも改善したいという方には、辻利 さらっととける抹茶のような水にも牛乳にもさっと溶かして簡単に飲むことのできる抹茶をコーヒー替わりにお勧めします。