同じ糖質でも「オリゴ糖」が体にいい理由は?

シロップ

糖質なのに健康にいいと
注目を集める「オリゴ糖」

「オリゴ糖」が体にいいという話はよく耳にします。

先日、訪問看護師の友人から聞いた「シンバイオティクスが便通改善にいい」という話を紹介しましたが、そこでもオリゴ糖が欠かせない存在としてあがっています。

訪問看護師の友人から、利用者の排便コントロールに「シンバイオティクス」を取り入れた話を聞いた。結果は大成功だった、と。だが、シンバイオティクスとはあまり聞きなれない言葉だ。友人の場合は市販の機能性表示食品を使ったそうだが、食事でもできるその方法をまとめた。

しかし、先刻ご承知のことと思いますが、オリゴ糖は糖質の一種です。

「糖質オフ」や「糖質カット」、あるいは「糖質ゼロ」の加工食品や飲料が続々売り出されているように、糖質は太るもと、ダイエットの敵として避ける傾向にあります。

炊くだけで低糖質のご飯ができる「糖質カット炊飯器」も人気で、最近では糖質を45%カットする炊飯器の売れ行きも上々だと聞きます。

ところが同じ糖質なのに、オリゴ糖については、健康にいいとして注目されているのはなぜなのでしょうか。

今回はその点にこだわって書いてみたいと思います。

消化性と難消化性の
2種類があるオリゴ糖

オリゴ糖*には、「消化性」と「難消化性」の二種類があります。

消化性のオリゴ糖は、砂糖の成分である「ショ糖」や果物に含まれる「果糖」、さらには牛乳などの乳製品に含まれる「乳糖」と同じように、口から入って唾液や胃液などの消化酵素によって分解され、消化・吸収されて体のエネルギー源になります。

エネルギー源になるといっても、砂糖のカロリーが1g当り4kcalであるのに対し、オリゴ糖はおおむねその半分ほど、1g当り2kcal程度と控えめですから、カロリーオーバーにより太る心配はまずないと考えていいでしょう。

難消化性オリゴ糖には腸活による美肌効果も

一方、難消化性オリゴ糖は、唾液や胃液などヒトの消化酵素ではほとんど分解されませんから、胃や小腸で消化・吸収されないまま大腸まで届きます。

ほぼそのままの状態で大腸に届いたオリゴ糖は、腸内細菌によって分解され、そこで善玉菌の一つであるビフィズス菌の栄養源、つまり「エサ」となって善玉菌を増殖させ、腸内環境をよくして便通の改善や免疫力の強化に役立つ働きをしてくれるのです。

とりわけ女性にとってはうれしい「腸活」効果による美肌作用も期待できるとして人気が高いのは、この難消化性のオリゴ糖です。

なお、難消化性オリゴ糖については、食物繊維と同じような働きをして、「血糖値の上昇をゆるやかにする作用」や「血中コレステロールの低下作用」なども期待できることが確認されています。

*オリゴ糖の「オリゴ」とは、ギリシャ語で「少ない」を意味します。オリゴ糖は、糖質の最小単位であるブドウ糖などの「単糖」が2~10個結合した糖類で、10個以上の単糖が結合した多糖類に比べ単糖の数が少ないことから、この名前になったとされ、「小糖類」とも呼ばれています。

野菜や果物に含まれる
フラクトオリゴ糖

オリゴ糖には単糖の組み合わせによりさまざまな種類があります。

そのなかでビフィズス菌のエサとなって腸活効果を期待できる難消化性オリゴ糖としては、「フラクトオリゴ糖」「ガラクトオリゴ糖」「キシロオリゴ糖」「イソマルトオリゴ糖」の4つが代表的なものです。

このうちフラクトオリゴ糖は、アスパラガスや玉ねぎ、バナナ、ゴボウ、大麦、小麦といった食品に多く含まれる天然成分です。

フラクトオリゴ糖を100g当り40g含むシロップ状の特定保健用食品「日本オリゴの フラクトオリゴ糖 」もあります。

通称「トクホ」として知られる特定保健用食品は、国の厳しい認定基準を満たし、審査をパスしていますから、砂糖に置き換えてオリゴ糖を使ってみたいという初心者の方には、安心して試していただけるのではないでしょうか。

ちなみに、「日本オリゴのフラクトオリゴ糖」は消費者庁より、パッケージにその健康への効能を「本品はフラクトオリゴ糖を原料とし、おなかの環境を良好に保つよう工夫された食品です」と表示する許可を得ています。

麹菌による発酵食品に含まれる
イソマルトオリゴ糖

また、イソマルトオリゴ糖は、もともと麹菌(こうじきん)により産生され、清酒やみりん、味噌、醤油などの発酵食品に含まれています。

耐熱性、つまり加熱に強く、酸にも強い(耐酸性)うえに、まろやかで旨味(うまみ)のある甘さがあり、煮崩れを防ぐ効果もあることから、冷凍食品などに好んで使われています。

市販されているイソマルトオリゴ糖のシロップ「昭和 オリゴタイム 」も、消費者庁の許可を得た特定保健用食品で、とうもろこしから作ったイソマルトオリゴ糖が主成分です。

その効能は、「ビフィズス菌を増やして腸内の環境を良好に保つので、おなかの調子に気をつけている方に適しています」と表示されています。

コーヒーや紅茶、ココア、あるいはヨーグルトにも砂糖代わりに、また耐熱性、つまり熱に強いため料理に使うこともできます。

オリゴ糖を摂りすぎると
下痢をすることも

オリゴ糖は砂糖に比べて甘味がかなり控えめですから、砂糖の代わりに使っていると、つい使いすぎてしまいがちです。

しかし、難消化性のオリゴ糖はその名の通り消化が悪いため、摂りすぎるとガスがたまってお腹が張ったり、おならが出たり、下痢を起こすことがあります。

オリゴ糖の1日摂取量の目安は小さじ4杯までと言われますが、オリゴ糖の種類にもよりますから、パッケージに明記されている量を厳守することをおすすめします。

なお、ダイエットなどを目的に「糖質オフ」「糖質カット」などの商品を愛用している方に知っていただきたいことをこちらにまとめてあります。是非一度読んでみてください。

「糖質オフ」「糖質カット」「糖質ゼロ」などの商品が増え続けている。糖質制限や炭水化物制限ダイエットに取り組む人も増えている。しかし、炭水化物にはダイエットに不可欠な食物繊維が含まれているし、糖質のなかのブドウ糖は脳の働きに必須だ。この点をどうクリアするか。