NST専門療法士に上部資格、まずがん領域から




観葉植物

NST専門療法士対象に
専門領域別認定制度始まる

静脈栄養や経腸栄養を中心とする栄養療法のスペシャリストで、看護師さんの有資格者も多い日本静脈経腸栄養学会認定の「栄養サポートチーム(NST)専門療法士」、通称「NST専門療法士」が誕生して15年になるそうです。

これを契機に当学会は、先の学術総会(2019年2月開催)において、2020年1月に学会名を「日本臨床栄養代謝学会」に改名することを決定しています。

併せて、NST専門療法士の上部資格として、専門領域別での新たな認定制度を新設する旨の発表があったことについてもご承知の方は多いことと思います。

新設されるこの上部資格については、このところ、NST専門療法士として活動している看護師の方々から、「新資格の取得条件って知ってる?」「暫定認定制度があるって聞いたけど、試験を受けることになるのかしら……」等々、さまざま聞かれるようになっいます。

という訳でこの半年余り、一緒に情報を集めたり、関係者に問い合わせたりしてきましたので、今回はこれまでに入手できた情報をまとめ、「臨床栄養代謝専門療法士」と名付けられたこの新認定資格について、アウトラインを紹介したいと思います。

なお、「NST専門療法士」の資格認定に必要な条件などについては先に記事にまとめてありますので読んでみてください。

栄養療法は医療の基本であり看護の基本でもある。高齢者のサルコペニアやフレイルの問題に加え、低栄養状態が治療に支障をきたすこともあり、栄養療法に関心が高まっている。そんななかNST専門療法士の資格取得に挑む看護師が増えている。そのための準備等をまとめた。

専門領域をもつNST専門療法士
「臨床栄養代謝専門療法士」が誕生

新設されたのは、「臨床栄養代謝専門療法士認定制度」*¹です。
この制度では、NST専門療法士の上部資格、つまりワンランク上の認定資格を希望するNST専門療法士に対し、以下9つの専門領域から自分が専門としたい領域を1つ選択して、取得申請を行うことを求めています。
⑴ がん専門療法士
⑵ 肺疾患専門療法士
⑶ 肝疾患専門療法士
⑷ 腎疾患専門療法士
⑸ リハビリテーション専門療法士
⑹ 在宅専門療法士
⑺ 小児領域専門療法士
⑻ 摂食嚥下専門療法士
⑼ 周術期・救急集中治療専門療法士

当面は9つの専門領域から

がん専門療法士の認定を皮切りに、その他の領域についても順次スタートしていく予定で、当面は上記の9領域ですが、今後さらに領域を増やす可能性もあるとのこと。

学会としてはこの新制度創設に、NST専門療法士のひとり一人が、自らが選択した領域の専門性を高めていくことを通して、学会員の人材育成につなげ、結果として他学会との差別化を図ることを目指しているようです。

領域別専門療法士の
資格取得に必要な条件

繰り返しになりますが、この新資格はNST専門療法士の上部資格として位置づけられています。
したがって各領域の専門療法士資格を取得するには、NST専門療法士であり、かつ1回以上資格更新を行っていることが必須条件となります。

NST専門療法士の有効認定期間は5年です。
資格を継続するには、有効期間が終了する前の更新が必要です。

ですから、言い換えれば、NST専門療法士として最低5年のキャリアを積んでいることが、専門領域の専門療法士資格を取得する条件ということになります。

取得できる専門領域は1人1つに限定

また、取得できる専門領域は1人につき1つの領域に限定されされるとのこと。
つまり、1人で「がん領域」も「在宅領域」もと、複数領域の専門療法士の資格を取得し、登録することはできないということです。

1領域と限定されると、選択に迷う方も少なくないでしょう。
この点については、新たに申請を希望する領域の資格取得に必要な諸条件(学会学術集会における新たに希望する領域のテーマでの発表など)を満たしたうえで所定の手続きを行えば、申請領域を変更することも可能なようです。

更新済みNST専門療法士に
5年間の暫定認定制度

この上部資格の認定が本格的にスタートするのは、5年後の2024年(申請開始は2023年)です。
それまで、つまり2019年から2023年の5年間は暫定期間となり、この期間中は暫定認定制度により、いつでも申請することができるそうです。

この場合の「暫定認定」取得には、以下の2点が必須条件となります。
⑴ NST専門療法士の資格更新が1回以上されていること
⑵ NST専門療法士資格を取得した後、日本静脈経腸栄養学会学術集会において1回以上、取得専門領域に関する発表(筆頭演者に限る)をしていること

暫定認定後は、次回更新までの5年間に本認定に備える必要があります。
本認定は試験ではなく単位制です。
したがって、認定に必要な単位数を5年かけて計画的に取得していくことになります。

上部資格取得に欠かせない
学会学術集会での発表

本認定に必要な単位数は、5年間で50単位以上となっています。
このなかには認定の必須項目(条件)として、以下の2点が指定されています。
⑴ 本学会学術集会での発表(筆頭演者に限定)――10単位/回
⑵ 各領域別セミナー、または栄養マスターコース参加――20単位/回

上記⑴、⑵の必須項目以外で単位として認められるのは、
⑶ 論文(各領域毎)――20単位/編
⑷ 支部会学術会議(筆頭演者に限定)――10単位/回
⑸ 本学会学術集会参加――5単位/回
⑹ 支部会学術集会参加――5単位/回
⑺ 学会開催のLLLライブコース参加――10単位/回
⑻ 学会開催のLLLライブコース合格――20単位/回
(LLLとは、Life Long Learning、つまり「生涯学習」のこと。LLLライブコースの目的や講習内容など詳細についてはコチラ

臨床における日常業務と並行して、5年間とは言え、50単位を取得するのには相当の覚悟と根気が必要でしょう。

決められた更新日までに必要条件をすべて満たすことができなかったり、締め切りまでに手続きが住んでいなかった場合は、資格失効となる可能性があることを付記しておきます。
詳しくは、学会ウエブサイトの「臨床栄養代謝専門療法士認定資格制度」のコーナー(コチラ)にアクセスしてみてください。