看護師の腰痛、こんな症状はすぐに受診を!




腰痛で受診

腰痛に悩みながら
受診を躊躇しているあなたに

看護師さんのほぼ半数以上が抱えているとされる腰痛ですが、その大多数は原因を特定できないものです。ただし、約15%は治療すべき原因疾患があり、放置しない方がいいことを、腰痛緩和対策をまとめた前回の記事で紹介しました。
読んでいただけましたでしょうか。
看護師のつらい腰痛緩和に3つの提案

そこで今回は、医師の診察が必要とされる腰痛についてまとめてみたいと思います。
はいっても、「受診するといっても重症の患者さんが多くて半休も取れない状況だから……」とか、「検査の結果、一時休んだ方がいいとか、看護師を続けるのは無理だとかいわれるのではないか……」など、受診することを躊躇されるかもしれません。
以下、その辺のことも考慮のうえ、要点を絞ってまとめてみます。

「安静にしていても痛みが続く」
タイプの腰痛は危険信号

わが国の腰痛診療は、2012年に日本整形外科学会・日本腰痛学会が作成した『腰痛診療ガイドライン 2012』に沿って進められています。
それによると、腰痛に伴って起こる以下の症状は危険信号のようです。

  1. 時間や活動性に関係なく、安静にしていても痛む
  2. 胸部や背部にも痛みがある
  3. 痛みとともに熱が続いている
  4. 体重が減ってきている
  5. 足のしびれや麻痺がある

腰痛とともにこれらの危険信号がある場合は、「骨折」「脊椎炎」「がんの転移」などの重篤な脊椎疾患が潜んでいる場合があるようです。
また、足のしびれや麻痺は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に見られる症状です。

特に椎間板ヘルニアでは、ヘルニアの場所にもよりますが、足と腰の両方が痛むのが特徴的です。また脊柱管狭窄症では、歩きはじめると腰が痛くなり、足がしびれるのが特徴といわれています。

「痛みとともに発熱することがある」「足にしびれが出ることがある」など、該当する症状を自覚している方は、整形外科医の診療を受けて、原因疾患の有無、またその疾患の見極めをしてもらうことをおすすめします。

同じ腰痛であっても、「安静にしていても痛む」ような場合は、消化器系、婦人科系などの内臓疾患が原因の場合が多いようです。
しかし、これに該当するからといっていきなり内科や産婦人科を受診するのではなく、いずれの場合もまずは整形外科医の診察を受け、その結果から内科医や産婦人科医につないでもらうのがより懸命でしょう。

画像診断が必要な腰痛は多くない

整形外科領域に勤務する看護師さんなら、腰痛の診療の流れは承知しておられるでしょう。
一方、他の診療科の看護師さんには、整形外科を受診したら「すぐ画像診断となる」と考えている方も少なくないだろうと思います。その「もろもろの検査を受けなくてはならない」ことに煩わしさや抵抗を感じて、受診を躊躇しているとしたら、それは間違いです。

確かに、先に挙げた危険信号のうち「安静にしていても痛む」とか「体重が減ってきている」といった自覚症状がある場合、さらには「しびれや麻痺」が続いているような場合には、もろもろの検査とともに画像診断が必要になることでしょう。

しかしそれは、全体の15%にも満たないのが現実のようです。
まずは問診、次いで視診、触診により身体所見をチェックして、医師は、あなたが自覚している症状が本当に危険信号なのかどうかを見極めます。
そのうえで、必要に応じて血液検査、さらにはエックス線やMRI(磁気共鳴画像)などの画像診断により詳しく調べることになります

服用薬や腰部保護ベルトがあれば
受診時に忘れず持参する

その先は、診断結果により変わってきます。
確率は非常に低いものの、仮に、腰痛の原因疾患が発見されて、治療のために一時期職場を離れることになったとしても、長い一生のことです。腰痛をすっかり治して、またフル回転で看護に取り組んでいただけるとしたら、「つらかったけど、治療してよかった」と思える日が必ずやってくると信じたいものです。

とはいっても、たとえば椎間板ヘルニアの場合、入院が必要になるのは50~60人に1人ぐらいの割合です。大半の患者は、注射や安静等の保存療法で腰痛の緩和が図れるといわれています。

なお、釈迦に説法で恐縮ですが、受診する際には、服用していた鎮痛剤やサプリメント、使用していた腰部保護ベルト、湿布材などがあれば、それらを忘れずに持参して、医師の診療に役立ててもらうようにしましょう。

また、腰痛の診察で一番大事なのは問診ですが、その正確性をより高めるには、どういうきっかけで腰痛が始まったのか、その後の痛みの経過に関する情報が不可欠であるといわれています。受診前にこれらの情報を自分なりに整理し、書き留めるなどしておくことをおすすめします。