「フット・プラネタリウムで癒し」体験を

リフレクソロジー
つい先日、この記事を読んでくれた透析センターに勤務する看護師さんから、「透析室にフット・プラネタリウムの備えがあれば、患者さんには癒されながら透析を受けてもらうことができるから、医師に相談してみたい」との声が届きました。コストの面などいくつか難題はありそうですが、是非ご検討を!!

「フット・プラネタリウム」とは

「フット・プラネタリウム」をご存じでしょうか。

大きなスクリーンに映し出される星空を鑑賞できるプラネタリウムには、リラクゼーションやストレス軽減、さらには快眠など、心身のバランスを整えてこころを癒す効果を期待できることが科学的にも実証されています。

一方で、私たちの国では古くから、心身ともにリラックスして体調を整える健康法として、足裏・足つぽマッサージが好んで行われています。

とりわけ近年は、ストレスや強い不安、精神的な悩みなどによる、いわゆる「メンタル不調者」の増加を反映して、市中に足裏マッサージや足つぼマッサージの店舗をよく見かけるようになっています。

そして看護や介護の現場でも、たとえばリフレクソロジーのように、足裏への指圧やタッチングによって得られる癒し効果を、さまざまなケア場面で活用して患者のこころにアプローチしつつ、コミュニケーションの円滑化を図っているのではないでしょうか。

今回紹介する「フット・プラネタリウム」は、プラネタリウムの鑑賞と足裏への指圧やマッサージといった看護の技をドッキングさせることにより、人々のメンタルヘルスの向上に役立てようと開発された足裏マッサージ専用の、癒しを含むコミュニケーション支援ツール、正確には「対面式非言語系コミュニケーションツール」です。

フット・プラネタリウムなら
言葉がなくても通じ合える

「フット・プラネタリウム」には、足裏マッサージで指圧して刺激する部位や刺激の強さを表示するためのタッチパネルがセットされています。このパネルに足裏の模型図とゆっくりと動く星空のイメージ映像が重なって映し出されるようになっているのです。

ご承知のようにリフレクソロジーや足裏マッサージでは、足裏の、指圧すると痛みを感じる部位、いわゆる「反射区」をほど良い強さでマッサージして刺激すると、そのときどきの心身の不調を改善できると考えられています。

そのためマッサージの受け手は、足裏を指圧されて痛みを感じたら「痛い!!」と言葉に出して反射区の部位を看護師ら施術者に伝えるとともに、受ける指圧の強さについても自らほど良く感じる強さの程度を意思表示する必要があります。

しかし、過度のストレスなどにより心身共にすっかり消耗した状態にあると、「マッサージは受けたいけどしゃべりたくない」気分に陥りがちで、施術者との会話はもちろん、その「痛い!!」や心地よい強さの程度を伝えることさえままならないことがあります。

そんなときのためにフット・プラネタリウムには、タッチパネルが用意されています。施術者と言葉を交わさなくても、タッチパネルのアイコンをタッチすれば、そのときどきの癒しのポイントや望む強さを施術者に伝えて、より効果的な足裏刺激マッサージを受けることができるようになっているのです。

看護の発想で開発された
フット・プラネタリウム

フット・プラネタリウムの開発には、日本で初めて看護師として独立開業し、在宅看護の道を切り拓いてこられ、最近はメッセンジャーナースの生みの親として、その育成と活動の充実・啓蒙に取り組んでおられる村松静子氏(在宅看護研究センターLLP代表)が発想段階から携わり、2018(平成30)年11月に特許を取得されています(特許6442369号)。

村松氏らが技術者とコラボして開発したフット・プラネタリウムは、言葉を介さなくても意思疎通を図ることができ、メンタルヘルスの回復、向上に役立つサポート機器として、現在は「在宅看護研究センター付属訪問看護ステーション(東京・新宿区)」と「在宅看護研究センターおおさか」(東大阪市)の実習室に常備されていて、希望すれば誰でも体験できるようになっています。

フット・プラネタリウムによる癒し空間を体験できます

また、東京では、在宅看護研究センターLLPとメッセンジャーナース認定協会が随時主催しているセミナーで、フット・プラネタリウムによる癒し空間を体験することもできます。

折しもこの11月には、こちらで紹介されているように、「何らかの理由で、気持ちが落ち着かない小学生」と「心が疲れていると感じる父母や祖父母」を対象にフット・プラネタリウムによる癒し体験のイベントが予定されています。

そこには、この癒し空間をまだ幼い娘さんと一緒に体験したママさんの体験レポートも紹介されていますので、是非読んでみていただきたい。そのうえで、あなたご自身はもとより、生きづらさを抱えているような親子、あるいは家族が身近にいたら、この癒し空間があることを紹介してみてはいかがでしょうか。

詳しくは、☎03-5386-2427またはzaitakuLLp@e-nurse.ne.jpへ「フット・プラネタリウムの件で」とお問い合わせください。

学校の保健室や健康相談室に
フット・プラネタリウムを

さらにお伝えしたいのは、フット・プラネタリウムには、コンパクトで軽量(約1.6㎏)な携帯型があることです。

こちらは鹿児島や愛媛、山口などのメッセンジャーナースの方々が日々の活動に活用し、その効果を、たとえば鹿児島のメッセンジャーナースの二之宮美由紀さんが、こちらで紹介されていますので、是非読んでみてください。

この末尾で開発に携われた村松氏が付記されているように、フット・プラネタリウムは、「幼児や小学生、中学生、さらにはその親」など、あらゆる世代のメンタルヘルスサポートに活用することができます。

今や小・中・高の不登校児童生徒数は過去最多の34万人を超えると聞きます。不登校の理由は一様ではないのでしょうが、たとえば学校の保健室にフット・プラネタリウムがあれば、彼らのこころのSOSにいち早く気づいてあげられるのではないでしょうか。

あるいは病院や日本看護協会が取り組んでいる「まちの保健室」のような街角の健康相談室に、また市民対象の健康講座の会場にも、フット・プラネタリウムが置いてあれば、メンタル面の不調を自覚しているものの、「元々人としゃべるのが得意ではない」ために誰にも相談できずにいる方の、さまざまなこころの病気の予防につなぐことができるはずです。