患者らと本音で語り合えているでしょうか

対話

本ページにはプロモーションが含まれています。

できることを大事にして
自立して生きる支援を

私たちの国は2025年の今年、「団塊の世代」の全員が75歳以上の後期高齢者となります。その数は2,000万人を優に超え、国民のおよそ5人に1人と推定されています。

75歳を超えてもなお、元気に生活できている方も少なからずいます。しかし、年齢を重ねるなかで、昨日までできていたことが今日はできないといった事態は避けられず、医療・介護ニーズは一段と高まってきています。その一方、超少子化の影響もあり、医療・介護の現場における人手不足が深刻化しています。

長年にわたり課題としてきた、いわゆる「医療・介護の2025年問題」が現実となった今、これからは、老いて医療や介護を必要とする状態になっても、それぞれが自らの老いを受け入れ、できなくなったことを嘆くのではなく、できることを大事にして自立した生活をしていくことが求められているわけです。

そんななかにあって、「極力自力*」、つまり「自分の持っている力を精一杯発揮して自分らしく生き、自分らしく逝きたい」と望む方の、その持つ力を信じ、活かせるように支援を続けるメッセンジャーナースへの期待が一段と高まってきています。

*患者や療養者が自分の持っている力を精一杯発揮して、最期まで自分らしく生き抜くための「極力自力」の生き方への支援については、この5月からメッセンジャーナース認定協会による体験セミナーが開かれます。詳しくはこちらをご覧ください。

相手の訴えや主張を
的確に受け止める「対話力」を

先にこちらでも紹介しましたが、メッセンジャーナースとは、医療・介護の受け手と医療・介護を提供する側との対話の懸け橋となり、治療や生き方について本人が納得のいく選択ができるようにサポートすることをモットーに活動する看護師です。

2010年に発足した民間資格で、看護師としての10年以上の経験をべースに、医療に直面したときの人間心理や相手の真意を汲み取る対話療法など所定の専門的研修を受けて認定され、現在は全国36都道府県で220人がメッセンジャーナースとして活動しています。

対話を重ねながら、医療や介護に係る患者や療養者本人の本音を聞き出し、自己決定を手助けしているわけですが、この支援がそう簡単ではないことは、多くの看護職の方々が、たとえばACP(アドバンス・ケア・プランニング;いわゆる「人生会議」)や各種の相談業務に取り組むなかで、日々強く実感しておられるのではないでしょうか。

そこで今回は、メッセンジャーナースの専門性ともいうべきメッセンジャー力、つまり「あらゆる状況下で相手が発信している訴えや主張を的確に受け止めることができる対話力」をより一層高める方法の一つとして、広く保健・医療・福祉職の方々を対象に開催されている講習会の受講をおすすめしたいと思います。

専門職が抱きがちな
思い込みや認識のギャップを正す

この講習会は、今求められている「自分の持っている力を精一杯発揮させて過ごす」という「極力自力」の生き方を、保健・医療・福祉職が効果的に連携し合い、一体となって支えていくためのプロジェクトの一環として、メッセンジャーナース認定協会在宅看護研究センターLLPが企画、開催しているものです。

講習会はこちらにあるように「その1」「その2」「その3」の3部構成になっていますが、今回特に、看護職の皆さんに受講をおすすめしたいのは、「その1」にある講習Ⅲの「鍵を握る非言語コミュニケーション」と講習Ⅳの「専門職が抱く勘違い 認識のギャップ」です。

この講座で主任講師を務められるのは、わが国における訪問看護のパイオニアであり、長年にわたる「開業ナース」としての活動が評価されて、2009年に「エイボン女性年度大賞」、2010年に「フローレンス・ナイチンゲール記章」を受賞されている村松静子さんです。

現在村松さんは、メッセンジャーナースの生みの親として、その育成と活動の充実・啓蒙に精力的に取り組んでおられます。

医療・介護の現場はますます多忙を極め、患者や療養者への対応はとかく形式的かつ一方的なものとなりがちです。医療者として抱きがちな思い込みや固定観念による勘違いや認識のズレ(ギャップ)などから、患者らと本音で語り合うことができない悩みを抱えている方は、村松さんのこの講座から大きな学びを得ることができるはずです。

関心のある方、さらに詳しいことをお知りになりたいは、今すぐメッセンジャーナース認定協会へメール(messenger.ns@e-nurse.ne.jp)か電話(03-5386-2427)で問い合わせを!!

参考資料:村松静子監修『メッセンジャーナース -看護の本質に迫る-』(看護の科学社)