看護師の英語力で外国人にも良質な医療を!




英語力をつける看護師

医療現場で外国人患者への対応に
戸惑っていませんか?

観光などで日本を訪れる外国人は年間2600万人を超え(2020年1月現在)、日本で暮らす外国人も、2019年の6月末の時点で、過去最多の282万人を突破したそうです。

多少の地域差はあるものの、街を歩けば外国人とすれ違うのも珍しいことではなくなっているのが、今の日本といっていいでしょう。
2020年の東京五輪・パラリンピック(新型コロナウイルスパンデミックにより開催が危ぶまれているが)に向け、在留・訪日外国人がこの先もっと増えるのは疑う余地のないところです。

当然ながら在留外国人が増えるのに伴い、看護師さんが職場にしている医療機関を訪れる外国人患者の数も、必然的に多くなってくるでしょう。
あるいは在宅ケアの現場でも、訪問看護師さんが訪れる先のキーパーソンが日本語が片言の外国人、といった場面に直面することだってあるかもしれません。

最近は、「医療ツーリズム(観光)」の普及により、日本の高度で良質な先進医療を受けることだけを目的に訪れる外国人も増えてきています。
看護師さんのかわりの対象が日本語を話せない外国人というケースは、今後ますます多くなってくるでしょう。

そんなときに、「私は、英会話が苦手だから」と避けたり、英会話が堪能な人に対応を託したりすることなく、日本人の患者に対応するときのように、外国人の患者にも自信をもって対応できるように、最低限の英語力は身につけておきたいものです。

医療現場で交わされる
基本的会話を英語に変換

日本語の通じない外国人患者を前に、思いつく限りの英単語を並べて、身振り手振りでコミュニケーションを図ろうとしたものの、患者の訴えが理解できなくて「困った!」という経験はないでしょうか。

あるいは検査や治療法についてなんとか頑張って説明してはみたものの、いたずらに時間ばかりかかってしまい、そのうえ正しく理解してもらえたかどうかもわからず、思わぬストレスになってしまったことも一度ならずあるではないでしょうか。

このような、医療現場において少なからず直面する英語対応上の「困った!」を解決しようと、東京大学医学部付属病院の医療スタッフから成る出版プロジェクトチームが、1冊の英会話マニュアル本、『東大病院発 医療スタッフのための英会話 CD BOOK』(ベレ出版)を刊行しています。

本書には、日々の医療現場で患者との間で交わされることの多い会話フレーズがリストアップされています。
日本語のフレーズが、そのまま英語のフレーズに変換されていますから、単語を覚える要領で個々のフレーズを覚えていけば、自らが提供する医療に関しては、患者との意思の疎通がスムーズになるように工夫されています。

看護場面別に
使用頻度の高い英語フレーズを紹介

本書は4章構成ですが、その第3章の「職種別シーンマニュアル」では、職種ごとの頻度の高いシーンを列挙しています。
このなかにある「看護師」の項を見てみると、「外来」「入院」「手術」の看護場面別に区分されています。

そのうえで、たとえば「入院」場面では、入院時案内・リストバンド装着案内・入院時情報聴取/入院中の会話/退院時案内の3シーン別に、日々の看護活動において使用頻度の高い英語フレーズがあげられています。

これらのフレーズをマスターしておけば、日本語が不得手な外国人とも言語的コミュニケーションを図ることができますから、患者側も混乱することなく、安心して入院生活を送ることができるように工夫されています。

指さしコミュニケーションにイラスト集を

さらに第4章では、言語的コミュニケーションがうまくいかない場合に備えて、イラストを利用してスムーズに対応できるように、指さしによるコミュニケーションを助けるイラスト集も用意されています。

高山赤十字病院もマニュアルを刊行

2016年には人口の5倍を超える観光客が訪れたという岐阜県高山市。
市の中核病院として機能している高山赤十字病院にも、外国人観光客が患者となってやってくるケースが年々増加し、国際化の流れはこの地域にも広がっているようです。

この需要に応えようと、2017年3月31日、外国人患者対応のノウハウをまとめた『高山赤十字病院 編 医療現場ですぐに役立つ 外国人患者対応マニュアル』(メジカルビュー社)が刊行されています。
「受付・看護」「診察」「薬剤」の3項目ごとに、使用頻度の高い英会話フレーズに加え、問診票、同意書、薬袋などの英文院内資料が掲載されています。
これらの英文資料はすべてダウンロードが可能で、すぐに使えるマニュアルとなっています。

医師・看護師対象の
オンライン英会話レッスンも

不思議なもので、テキストやCDなどを用いて英会話のトレーニングを続けていると、やがて自分の身についてきた英会話が英語のネイティブスピーカーにどの程度通じるものなのか実際に試してみたくなってくるものです。

とはいっても、必ずしも自宅や職場の近隣にネイティブの英語講師がいる英会話スクールがあるとは限りません。仮にあったとしても、病院勤務であれば交代制勤務ということもあり、定期的に通うのが容易ではないという事情もあるでしょう。

このような人向けに、幸いなことに最近は、自宅に居ながらにして、インターネットを活用したオンライン英会話レッスンが受けられるようになってきています。

その多くは、主にビジネスマン対象ですが、看護に必要な英単語さえ頭に入っていれば、状況に応じて単語を入れ替えればいいわけですから、実践的な会話力を身に着けるという意味では、活用しない手はないでしょう。

おススメとしては、25分間のレッスンを2回も無料で体験できることで圧倒的な人気のDMM英会話を、まずは一度試してみるといいでしょう。
DMMの有料会員になると、180万人が利用しているという人気の英会話アプリ『iKow!』を無料で使えるようになるという特典もあるそうです。これは魅力ではないでしょうか。

日本の医療海外展開に
看護師も参加を

ところで、現在の安倍政権が「医療ツーリズム」による外国人患者受け入れ政策をさらに前進させて、「日本の医療技術・サービスの海外展開(アウトバウンド)」政策に力を入れていることをご存知でしょうか。

直近では、2020年までに海外10か所に日本の医療拠点を創設するとの目標のもと、さまざまなプランが進行中で、なかにはすでに稼働しているものもあります。

現地の医療機関と合弁のかたちで医療サービスを行うケースが多いようですが、その医療拠点には医療チームが欠かせません。その医療チームにはそれぞれの領域に精通した看護師の存在が不可欠ですから、海外の医療拠点において自らの専門知識と技術を生かしてみたいという看護師さんの登場が待たれるところです。

そうとなれば、ある一時期を海外のその拠点地域で生活することにもなるでしょうから、医療現場にかぎらず、日常生活における英会話も必要となるでしょう。

最近では、かなり長い会話も最速0.5秒で翻訳してくれるEasytalk(イージートーク)などがありますから、看護の現場で活用する手もあるでしょう。
英語だけでなく、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ベトナム語、中国語、韓国語など、164カ国で使われている言語の音声認識が可能ですから、使い方を工夫すればかなりの助っ人になってくれるはずです。

少し余裕のある方は、AKA Musio X 英語学習AIロボット を語学学習のパートナーにしてみるのも、楽しみながら英会話をマスターできていいのでは?

外国人患者対応マニュアルの活用も

なお、外国人患者受入れに必要な各種資料については、厚生労働省が準備しているものがあります。詳しくはこちらを読んでみてください。

訪日外国人は増加傾向にある。併行して医療機関を訪れる外国人旅行者も大幅増となるとの見通しのもとに公表された「外国人患者受入れのための医療機関向けマニュアル」を参考に、社会問題化している医療費トラブルの防止や感染症対策、宗教上の問題を中心にまとめた。