働けなくなるリスクに備える「就業不能保険」




生活

もし自分が感染して
収入が途絶えたら

猛威をふるい続ける新型コロナウイルスは、多くの人に、
「もし自分が感染して重症化し、仕事ができなくなったら生活はどうなるのだろう」
といった不安を抱かせます。

30代でシングルマザーの看護師、Fさんも、その一人です。
彼女は新型コロナウイルス感染症の患者対応に直接あたっているわけではありません。

「でも、この感染症の怖さは、無症状の感染者が多いこと。それと、潜伏期間が最長で2週間と長いうえに、発症して間もない頃から感染性が高いから、院内で接する患者さんのなかに感染者がいるかも……と思うと、いつ自分が感染してもおかしくないと考えてしまう」

自分が働けなくなることなど、これまでは一度も考えたことがなかったそうですが、
「感染して入院なんてことになったら、給料は今までどおりもらえるのか、子どもとの生活費はどうなるのかと、心配になってきた」

そこで考えついたのが、
「働けなくなって収入が途絶えるリスクに対応した保険があると聞き、今からでもそれに入ろうと考えているのですが、どう思います?」

そんなメールが昨夜遅くに届きました。

保険会社が提供する
「就業不能保険」とは

F看護師とは新人ナースとしての心構えを取材させていただいた時以来のつき合いで、今でも時々メールや電話で情報を交換し合う仲です。

お子さんを出産された直後にご主人を交通事故で亡くされ、その後は一人で踏ん張って、仕事と子育てを見事に両立させています。

彼女が言うところの
「働けなくなって収入が途絶えるリスクに対応した保険」とは、
保険会社が提供している「就業不能保険」のことです。

事前にこの保険に加入していると、病気やけがなどで働けなくなって、収入が途絶えたり、大幅な収入減の状態に陥ってしまった時など、月々の生活費をサポートするかたちで、給料のように保険金を受け取ることができます。

病気やけがで入院すれば、治療費もかかりますが、それは医療保険でまかないます。
就業不能保険金は、日々の生活費としてまるごと使うことができるというわけです。

公的保障制度としての
傷病手当金&労災補償

病気などで仕事ができなくなったときの公的保障制度もあります。
その1つが、「傷病手当金」です。

傷病手当金とは、医療機関や会社等の組織で仕事をしている方が、連続して4日以上仕事を休むと、加入している健康保険から、最長で1年6カ月にわたり月々の給料の一部、通常は2/3が支給されるというものです。

これとは別に、公的保障としては、「労災補償」もあります。

労災補償は、業務上の事故や通勤途上での怪我や病気のために仕事を休み、毎月の給料を受け取れない状態になったときに、平均賃金の80%の保障が受けられるという、いわゆる休業補償です。

F看護師が懸念している、仕事中に新型コロナウイルスに感染して休業を余儀なくさるといった場合も、本人が申請して労災(労働災害)として認定されれば、国から治療費や生活費の補償を受けることができます。

実際、2020年12月18日の時点で、全国で看護職をはじめとする医療従事者等1980人が新型コロナウイルス感染症で労災申請を行い、うち1058人に給付が行われています。

公的保障制度を補う
民間の就業不能保険

ただ、病気やけがなどで休業が長期にわたることになれば、傷病手当金や労災補償といった公的保障だけでは毎月の生活費がまかないきれないことも想定されます。

このようなときに頼りになるサポートが、民間の就業不能保険というわけです。

そこでちょっと調べてみたのですが、就業不能保険には一定の「加入条件」があります。
就労状況や健康状態によっては、加入できないこともあるようです。

また、「免責期間」というのがあって、免責期間中は保険金を受け取ることができないことも事前に知っておく必要があるでしょう。

就業不能保険の免責期間とは、基本的に、働けない状態になってから保険金を受け取れるまでの期間のこと。60日(約2カ月)や180日(約3カ月)が一般的ですが、保険会社によっては1週間程度の短期間のものも用意しているようです。

この2点に加え、保険給付の条件も保険会社によって大きく異なります。
なかには、ストレス性の疾患やうつ病などの精神疾患による休業、また妊娠の場合も対象から外れる商品もあるようです。

就業不能保険を選ぶ際には、加入条件や保障内容、毎月支払う保険料などをしっかり確認してから加入の手続きをとるようにしたいものです。

ストレス性疾患も保障対象の
就業不能保険は?

そこで、数ある就業不能保険のなかから、何かとストレスの多い医療現場で働きながら子育てをしているF看護師のことを考え、たとえばストレス性疾患による入院中も保障の対象とし生活費をサポートしてくれる商品を探してみました。

その1つに、チューリッヒ生命の「くらすプラス」という商品がありました。
この就業不能保険の保障内容は、以下の3点がポイントとしてあげられます。

  1. ストレス性疾患*や所定の5疾患**による入院、あるいは医師の指示による在宅療養などにより、業務に従事できない状態にある場合に年金が受け取れる
  2. 支払い理由に該当すれば、選択した年金受け取り総額が必ず受け取れる
  3. 年金受け取り方法を「一括」「一部」「毎月」のなかから選択できる
*ストレス性疾患には、①気分障害(うつ病等)、②神経症性障害、③摂食障害、④更年期障害、⑤統合失調症、⑥非器質性睡眠障害、⑦胃潰瘍、⑧十二指腸潰瘍、⑨潰瘍性大腸炎、⑩過敏性腸症候群が該当する
**所定の5疾患とは、①悪性新生物、②急性心筋梗塞、③脳卒中、④肝硬変、⑤慢性腎不全と、を指す

このほか、アクサダイレクト生命の「動けないときの安心」、あるいはSBI生命の「働く人のたより」といった商品もストレス性疾患などの精神疾患により就労不能状態に陥った場合も保障の対象となっているようです。

保障の対象疾患や保険金の受け取り方法などは保険会社によって微妙に異なります。

F看護師には、以上の情報を伝え、直接問い合わせて、内容をよく比較検討したうえで加入するかどうか慎重に判断してはどうかと、メールをしたところです。