新型コロナワクチン医療従事者への接種始まる

ワクチン接種

新型コロナワクチン接種
医療従事者からスタート

アメリカの大手製薬会社ファイザー開発の新型コロナワクチンについて、
日本国内における使用に向け、有効性と安全性の審査が進められていましたが、
厚生労働大臣は2月14日、正式に使用を承認したと発表しました。

これを受け17日より、安全性調査に同意の得られた医療従事者から先行接種*が始まり、3月11日までに18万1184回(3週間の間隔で1人2回接種が必要)の接種が行われています。

国は、5月前半までに先行接種の医療従事者約4万人に加え、約480万人の医療従事者への優先接種を終えるスケジュールを発表しています。

*先行接種とは、広く国民にワクチン接種後の状況を情報提供することを目的としている。先行接種した医療従事者については、接種後の健康状況調査を実施し、その結果を公表することになる。

新型コロナワクチン
優先接種対象の医療従事者

厚生労働省が現時点で公表しているワクチン接種のスケジュールによれば、
2月17日からの先行接種に続き、医療従事者等に優先接種されることになっています。

この優先接種の対象である「医療従事者等の範囲」は以下のとおりです。

  • 病院、診療所において、新型コロナウイルス感染症患者(新型コロナウイルス感染症と診断されていないものの発熱・呼吸器症状などのある「疑い患者」を含む)と頻繁に接する機会のある医師、看護師、その他の職員(診療科、職種は限定されない)
  • 訪問看護ステーション、介護医療院、介護老人保健施設の職員のうち新型コロナウイルス感染症患者と頻繁に接する場合は、病院、診療所に準じて対象に含まれる
  • その他、新型コロナウイルス感染症患者の診療や搬送に携わる薬局職員、救急隊員、海上保安庁職員、自衛隊員
  • 自治体等の新型コロナウイルス感染症対策業務において、コロナ患者に頻繁に接する業務を行う保健所職員、自治体職員など

なお、妊娠している、あるいは妊娠を希望する女性については、妊娠中の新型コロナワクチン接種の安全性に関する確たるデータが現時点でないことから、「接種の努力義務」の対象から除外されています。

詳しくは、日本産婦人科感染症学会と日本産科婦人科学会連名のメッセージを紹介しているこちらの記事を是非読んてみてください。

いよいよ国内での接種が始まった新型コロナワクチン。16歳以上の国民は、原則「接種義務」が課せられる。ただ、妊婦は接種義務の対象外との報に「接種を受けられないのか」と不安の声も聞かれるが、そんなことはない。その辺の話を、専門学会の提言を参考に整理してみた。

4月1日からの優先接種対象者の範囲は?

続いて4月12日からは、高齢者(令和3年度中に65歳以上に達する、昭和32年4月1日以前に生まれた方)、および高齢者以外で基礎疾患を有する方*、訪問看護ステーション、介護医療院、介護老人保健施設等の職員で先の優先接種の対象から外れた職員を優先接種。

これに引き続き、以上の優先接種者以外の方に接種される予定です。

*高齢者以外で基礎疾患を有する方には、①慢性呼吸器疾患、②高血圧症を含む慢性の心疾患、③慢性腎臓疾患、④慢性肝疾患(脂肪肝、慢性肝炎は除く)、⑤インスリンや経口薬で治療中の糖尿病または糖尿病合併症、⑥鉄欠乏性貧血を除く血液疾患、⑦免疫機能が低下する疾患(治療中の悪性腫瘍を含む)、⑧ステロイドなど、免疫機能を低下させる治療を受けている、⑨免疫異常に伴う神経疾患や神経筋疾患、⑩神経疾患や神経筋疾患が原因で身体機能が衰えた状態(呼吸障害等)、⑪染色体異常、⑫重症心身障害,⑬睡眠時無呼吸障害、⑭BMIが30以上の肥満の方で、通院あるいは入院している方

ワクチン接種は強制ではなく
個人の同意が必要

新型コロナワクチン接種の費用は国が負担しますから、無料で受けられます。
ただし、ワクチン接種は今回に限らず、すべてが強制的に行われるものではありません。

接種に際しては、個々にインフォームドコンセントを行うこと、つまり、
「しっかり情報提供を行ったうえで、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種を行う」
と、決められています。

そのためワクチン接種を受ける方に対しては、
「ワクチン接種による感染予防の効果と副反応のリスク双方について理解したうえで、
自らの意思で接種を受けていただきたい」
とアピールしています。

厚労省が「ワクチンQ&A」コーナーで最新情報

このワクチン接種を受けるか否かの個々の意思決定に役立ててもらおうと、
厚生労働省はWebサイトに「新型コロナワクチンについてのQ&A」コーナーを設け、
以下の点について最新情報を提供しています*¹。

  • 新型コロナワクチンの効果(発症予防、持続期間)
    集団免疫とは?
  • 変異株の新型コロナウイルスにも効果はある?
  • 新型コロナワクチンの副反応
    アレルギーのある人は?
    アナフラキシーの症状、治療法は?
  • 新型コロナワクチンの安全性
  • 接種するワクチンは選べるのか
  • ワクチン接種後もマスクは必要?
国内では10日までにワクチン接種を受けた医療従事者約14万8000人のうち25人にアナフラキシー症状(咳き込み、蕁麻疹、嘔吐など)が出ていることが報告されている。適切な対応により深刻な事態には至っていないが、いずれも過去にアレルギーの既往がある、あるいは喘息などの持病がある人とのこと。接種前の既往歴の正確な報告と、アレルギー等の既往があれば接種後は最低でも30分は接種会場にとどまり経過観察を徹底する必要がある。

新型コロナワクチン接種に
感染症専門医らが啓発ポスター

新型コロナワクチンの国内接種が始まるのを前に、感染症専門医などのグループが、ワクチン接種を前向きに考えてもらおうと、科学的に根拠のあるワクチン情報につながるQRコードなどを載せた啓発ポスターを作成しています。

このグループは、新型コロナウイルス感染症の解説ですっかりおなじみの、国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師や忽那賢志医師、神戸大学医学部付属病院の岩田健太郎医師らの感染症専門医などで作る「日本感染症教育研究会」のメンバーで、代表世話人は聖路加国際病院臨床検査科・感染症科の上原由紀医師が務めています。

新型コロナワクチンの国内接種がいよいよ始まるのを前に、すでにワクチン接種に関して、根拠のないネガティブな情報も広がっています。

こうした情報に惑わされることなく、ワクチン接種を前向きに考えてもらうためには、
「医療従事者が接種しないと、一般の方は接種に積極的になれないだろうから、科学的な事実について良いことも悪いことも含め、まずは正しい情報を理解したうえで接種してほしい」
と呼びかけています。

ポスターには、新型コロナウイルスの対応にあたっている全国の医師や薬剤師32人の顔写真が並び、新型コロナワクチンの接種について、「私たちは受けます」と書かれています。

また、メンバーによる今回のワクチンに関する解説や動画、さらには国際的な医学雑誌の特集サイトにつながるQRコードなども掲載されています。

この「新型コロナワクチン啓発ポスター」のPDFは、日本感染症教育研究会のWebサイト*²からダウンロードすることができます。

参考資料*¹:厚生労働省「新型コロナワクチンについてのQ&A」

参考資料*²:日本感染症教育委員会「新型コロナワクチン接種啓発ポスター」