尾身氏 現役世代にコロナ対策への協力呼びかけ

ステイホーム

感染者急増の現役世代に向け
コロナ対策でメッセージ

「20代~50代の皆さまへ:今、実行・拡散してほしいこと」
こんなメッセージが、1月20日、「コロナ専門家有志の会」のWebサイト*¹に掲載されました。

メッセージの発信者は、政府の新型コロナウイルス対策分科会で会長を務める尾身茂氏。
「コロナ専門家有志の会」の一人として、このところ感染者が急増している若年層や働き盛りの世代に新型コロナウイルス対策に協力を求めています。

そのなかで、二度目の緊急事態宣言が11都府県(2021年1月21日時点)に発出されている現在の感染状況について、
「現在のように市中での感染が広がると、感染予防策を一人ひとりが実行しているだけでは感染拡大を収めることは難しい」と断言。

次の大きな流行が起きないようにするためには、できる限り外出を控えて人の流れを減らし、
「人と接触する機会を減らす」
という、社会全体での取り組みが必須であることを、強調しています。

現役世代はコロナに感染しても
無症状の場合が多いが……

さらに尾身氏は、このウイルスの特徴として、20代から50代の現役世代は、感染しても無症状、あるいは風邪程度の症状ですむ場合が多いことに言及。

そのため、自分で気づきにくいうえに、社会活動が活発なため、家庭内や高齢者施設に感染が広がる大きな要因になっている、と指摘しています。

ちなみに、新型コロナウイルス感染症は、最初は軽症であっても急速に重症化し、死亡につながってしまうとことが、これまでのデータで確認されています。

回復後の長い期間、後遺症が続くことも

重症化しやすいのは、高齢者と糖尿病や慢性腎臓病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの基礎疾患、いわゆる持病のある人です。

しかし、基礎疾患のない若い世代であっても、このウイルスに感染して重症化したり、新型コロナウイルス感染症から回復した後も長期間、何らかの後遺症に苦しんだりするケースが何例も報告されています。

新型コロナウイルス感染症の後遺症については、国立国際医療研究センターによる調査において、発症から60日後の時点で10-20%の回復者に咳、痰、倦怠感、息苦しさ、嗅覚障害、味覚障害といった症状が、さらには発症から120日を超えた時点でも2-11%に上記症状が続き、脱毛を経験した人も全体の24%で見られたことが報告されている*²。

現役世代が感染対策を徹底すれば
医療も経済も危機から救われる

当該メッセージのなかで尾身氏は、
「そもそも、年齢に関係なく、感染しないですむなら、その方がよいのです」
としたうえで、
「皆さんの大切な人たちを守り、皆さんの未来を明るくするためにも、ここで感染拡大を抑える必要がある」
として、これまで以上に次の感染対策を心して実行するよう要請しています。

  • 3密(換気の悪い密閉空間・多くの人が密集している場所・お互いに手を延ばしたら届く密接した場面での会話や発声)を避ける
  • 会話をするときはマスクをする
  • 昼夜を問わず外出を控える
  • 食事は一人で、あるいは同居人と少人数で摂る

新型コロナウイルスの急速な感染拡大により、一部の地域とは言え、二度目の緊急事態宣言下にある現在、日に日に失業率は高くなるばかりか、思わぬ怪我をしたり体調に異変を感じるようなことがあってもすぐには医師の診察を受けられないし、仮に入院となっても受け入れ先が見つからないなど、経済も医療も深刻なダメージを受けています。

しかし、上記の感染対策を徹底して励行することにより、日本の医療を救い、経済への悪影響を減らせるとしたうえで、現役世代に対し、
「日本の危機を救う立役者になってください」
と呼び掛けています。

コロナ感染が下火になるのは
個々の行動変容があってこそ

このメッセージに先行して尾身氏は、1月5日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会後の記者会見で、首都圏を中心に感染拡大が続いている状況から、
「緊急事態宣言を発出すべき時期が来ている」
とする緊急提言をしています。

その席で、緊急事態宣言を発出したからと言って感染が下火になる保証はないことを指摘。
人と人との接触を減らすために、個々が取り組むべき行動変容の具体策として、以下を特に強く要請していました。

  • とにかく家にいることを基本に、不要不急の外出・移動を自粛する
  • 出勤者7割減を目標にテレワークを徹底する
  • 収容率を50%にするなど、イベント等の開催制限を強化する
  • 大学や職場などでの飲み会や会食を自粛する
  • テイクアウト(レストランなどの料理の持ち帰り)をすすめる

参考資料*¹:20代~50代の皆様へ:今、実行・拡散してほしいこと

参考資料*²:Miyazato Y,et al. Open Forum Infectious Dis. 2020 Oct 21.