新型コロナウイルス感染予防に食事の見直しも!




新鮮な野菜

新型コロナウイルス
国内初の院内感染を受けて

新型コロナウイルスによる国内での感染者が日を追って増えています。

加藤勝信厚生労働相は2月15日の記者会見で、中国との接点が見つからないうえに感染経路が明らかでない国内感染者が複数報告されていることについて、
「これまでとは状況が異なる」との見解を示しています。

また、13日に感染が明らかになった50代の男性外科医(中国との接点無し)の勤務先である和歌山県湯浅町の済生会有田病院では、新たに3人の感染者が確認されています。

この件を発表した仁坂吉伸和歌山県知事は、3人がいずれも最初に感染が確認された外科医とは濃厚接触があったことから、
「院内で感染を受けたと考えられる」と述べています。

国内で新型コロナウイルスによる院内感染が確認されたのは初めてです。
医療現場の看護師さんにとっては、院内感染対策の徹底が欠かせない状況になっています。

実際、4月5日には国立感染症研究所が、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の院内感染とみられる集団感染(クラスター)の発端者の30%が医療関係者だと報告しています。これを受け、「医療関係者の感染予防策」を提示しています。詳しくは、こちらの記事を参照してください。
→ COVID-19院内感染の原因にならないために

そこで今回は、ウイルスから我が身を守るためのセルフケアとして、基本となる生活習慣、とりわけ日々の食生活を見直して免疫力を高めるなど、からだのなかからの備えについてポイントをまとめておきたいと思います。

バランスのとれた食事で
免疫力を高めウイルスから身を守る

ご存知のように「免疫力」とは、「疫(病気)を免れる(まぬがれる)力」のことです。
たとえば麻疹ウイルスによる麻疹(はしか)に一度かかると、生涯を通して二度とはかからないのは、麻疹ウイルスに対して免疫が働くからです。

このとき起きている複雑な生体反応も含め、一般に言われている意味での「免疫力」とは、ウイルスの侵入など、外界からの刺激に敏感に反応して我が身を守ろうとする、いわゆる「生体防御力」のことを指します。

免疫力が高く保たれていれば、ウイルスや細菌のような外敵から身を守ることができます。
仮に新型コロナウイルスの感染を受けたとしても、高い免疫力と適切な対応により、発症に至らないか、発症しても風邪程度の症状で経過し、自然治癒することも期待できるでしょう。

そこで免疫力を高める生活習慣ですが、「適度な睡眠」「からだを温める」ことに加え、手っ取り早く、しかも最も確かな方法は、毎日の三度三度の食事を充実させることです。

「まごたち食」で栄養バランスを

それも何か特別なものを食べるということではありません。
栄養バランスを考えながら、たとえば「まごたち食」として知られるようなバランスのとれた食事を摂るようにすればいいのです。

ちなみに「まごたち食」とは、「まごたちわやさしい」、つまり
「豆類(ま)、ごま(ご)、卵(た)、乳製品(ちち)、わかめなどの海藻類(わ)、野菜類(や)、魚類(さ)、しいたけなどのきのこ類(し)、いも類(い)」
の9種類の食材を組み合わせた食事のことです。

調理済みの市販食品を
上手に活用し栄養バランスを

とは言え、交代制勤務のうえに、連日多忙な日々を送っている看護師さんには、「栄養バランスのよい食事」を摂ることは、簡単なようでいて案外難題かもしれません。

幸い最近は、買い置きができる調理済み食品の種類が増えています。
以下を参考にしながら、個々の食品の特徴を踏まえつつ上手に活用していけば、バランスのとれた食事にすることは可能ではないでしょうか。

その際は、調理済みの市販食品で失われがちな水溶性のビタミンB群や葉酸、ビタミンC、また亜鉛や鉄、マグネシウムといった必須ミネラルを補給できるよう、生鮮食品を使った野菜や果物(ジュース類でもOK)を1品加えることをお忘れなく。

レトルト食品には亜鉛の補給を

買い置きできる市販食品の最近の代表格は、レトルト食品でしょうか。
レトルト食品は、食べられる状態に料理した食品を丸ごと気密性・遮光性の高い容器(パウチ)に密封し、120度以上で4分、レトルト(高圧釜)で加圧、加熱、殺菌してあります。

常温で長期間保存することができ、最近はカレーだけでなくパスタや各種総菜など種類が豊富にあり、電子レンジでチンすることですぐに食べることができます。

保存料や殺菌剤を使用することは禁じられていますから、安心して食べることができます。
ただし問題は、高圧・高熱によりビタミンやミネラルが大量に失われることです。

特に必須ミネラルである亜鉛の欠乏が指摘されています。
亜鉛を多く含むおいしい缶詰 広島県産かき燻製油漬 、あるいは手軽なものとしてはカシューナッツ アーモンド などを加えることをおすすめします。

なおも亜鉛不足は味覚障害を招きやすいことで知られていますが、皮膚組織の新陳代謝にも深く関係し、褥瘡を治りなくくさせる要因であるとも指摘されています。

詳しくはこちらの記事を読んでみてください。
→ 治りにくい褥瘡に亜鉛不足が関係!?

栄養分の損失が少ない冷凍食品

冷凍食品には魚介類や野菜・果物の素材食品と、コロッケやシュウマイ、餃子、ハンバーグなどの調理・半調理食品があります。

いずれも、買い置きして冷凍庫に入れておけば、保存料なしで保存でき、特に素材食品は季節を問わず手に入るのも大きなメリットです。

冷凍食品は味も栄養分も損失分が多いと思われがちですが、これは誤解です。
家庭で冷凍するのとは違い、市販の冷凍食品はマイナス40度という超低温で急速冷凍したもので、味も栄養分も凍結前と少しも変わりません。

むしろ採りたての野菜や果物を冷凍した素材冷凍食品は、街のスーパーなどで購入する野菜などより素材本来の栄養価は高いと言われています。

注意したいのは、冷凍食品の温度管理がきちんとできている店で購入すること(冷凍ケースの温度が常にマイナス18度以下になっている、水滴がたれたりしていない)、いったん家庭の冷凍庫に移したら早めに食べきることです。
また、一度解凍したものを再冷凍するのはタブーです。

発酵食品や食物繊維により
腸内環境を整える

もう一点、これは再三お伝えしていることですが、免疫力を高めるためには「腸内環境を整える」食事の工夫が重要です。

何しろ私たちの腸管には、身体全体の免疫細胞のおよそ70%が集まっています。
腸内にある免疫細胞の一つひとつが本来の働きを存分に発揮できるように腸内環境を健康な状態に保つことができれば、間違いなく免疫力の維持・アップにつながるというわけです。

具体的には、腸内環境を改善して免疫力を高めてくれる以下のような食品を、意識していつもより多めに摂ることをおすすめします。
⑴ ヨーグルトや納豆、鰹節(かつおぶし)、チーズ類といった発酵食品
⑵ ヒジキや豆類、切り干し大根、海藻類、海苔など食物繊維を多く含む食品
⑶ オリゴ糖を多く含む玉ねぎ、アスパラガス、バナナ

手軽な乳酸菌系飲料の活用も

新型コロナウイルスの感染拡大が連日報道されるのを受け、健康意識の高い人々を中心に、以下のような効果が研究により確認されている乳酸菌系飲料を積極的に摂取する動きも出ていると聞きます。
手っ取り早い対策として、活用されてみてはいかがでしょうか。

⑴ 免疫反応において重要な役割を担っているNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性増強効果と風邪罹患リスクの低減が研究で確認されている明治ヨーグルトR-1
⑵ インフルエンザウイルスの感染防御効果が確認されているカルピス 守る働く乳酸菌 L-92 ⑶ 細胞の司令塔である樹齢細胞を直接活性化し、免疫全体を活性化する効果が確認されているキリン iMUSEレモンと乳酸菌  

ティータイムにはコーヒーや紅茶に替え、免疫力アップを期待できることが科学的に確認されている「ルイボスティー」を飲んでみるのもおすすめです。
→ 免疫力アップが期待できる「ルイボスティー」を

なお、SNS上では、新型コロナウイルスの感染予防に「ビタミンD 」のサプリメントを進める話が飛び交っています。この話に関する日本栄養士学会会長の見解を、こちらの記事で紹介しています。読んでみてください。
→ 新型コロナウイルス対策で注目の「ビタミンD」

新型コロナウイルスの暴露リスク評価

なお、新型コロナウイルス感染者の増加に伴い、感染症指定医療機関はもとより一般の医療機関でも感染患者と接触する可能性が高くなっています。

そこで気になるのはウイルス曝露リスクですが、このリスク評価と対応については、こちらの記事に詳しくまとめてありますので参考にしてください。
→ 医療従事者の新型コロナウイルス曝露リスク