緊急事態宣言39県解除と「新しい生活様式」




ソーシャルディスタンス

新型コロナの緊急事態宣言
8都道府県を除き解除

新型コロナウイルスの感染拡大を受け全国に発令されていた「緊急事態宣言」について、政府は5月14日、東京都や大阪府など8都道府県を除く39県で解除することを決定し、発表しました(5月25日には、全面解除となった)。

その日夕方の記者会見の場で安倍晋三首相は、解除の理由を、
「今後、徹底的なクラスター(感染者集団)対策を講じることで、感染拡大を防止できるレベルにまで抑え込むことができたと判断した」
と説明しています。

加えて、
「感染者数は大きく減少しているが、気を緩めた途端に一気に感染が広がる」
として、これまでの努力を無駄にしないために、解除された地域の人々は、以下の3点を厳守するよう要請しています。

  1. 外出自粛や県境をまたぐ移動、全国的な大規模イベント(研修会なども)の制限は「少しずつ段階的に」解除していく
  2. テレワークの普及や時差通勤などの「前向きな変化」はできるだけ今後も続ける
  3. 専門家会議がまとめた「新しい生活様式」も参考に「3密(密閉、密集、密接)の徹底回避」「マスクの着用」など基本的な感染対策を継続して、日常のあらゆる場面でウイルスへの警戒を怠らない

緊急事態宣言解除の基準
10万人あたり新規感染0.5人以下

一方で、緊急事態宣言が継続となる8都道府県(北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、京都府、大阪府、兵庫県)について安倍首相は、1週間後の21日をめどに、専門家による「解除の基準」に照らした評価を得て、可能であれば、今月末の期限を待たずに宣言を解除する考えであることを明らかにしています。

緊急事態宣言を解除する基準については、14日に修正が加えられた「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」*¹において、「感染状況、医療提供体制、監視(モニタリング)体制の3要素から、総合的に判断する」としています。

直近1週間の累積新規感染者数を基準に

このうち感染状況に関する緊急事態宣言解除の基準では、
「直近1週間の合計で新規感染者数が10万人あたり0.5人程度以下」であることを目安に、
▪1週間単位で見て新規感染者報告数が減少傾向にあること
▪クラスター対策が十分に実施可能な水準にまでに感染経路不明の新規感染者数が減少している
ことなども考慮して判断するとしています。

感染状況から言えば、4月1日現在の人口で計算した1週間の累積新規感染者数が、東京都(1394万2856人)なら70人以下、大阪府(882万3453人)は45人以下、北海道(784万2134人)は39人以下なら解除となる、といったところでしょうか。

医療提供体制と感染の再拡大察知のための監視体制も

医療提供体制については、重症患者数や病床の状況、患者が急増した場合に対応できる体制が整備されているかどうかが、判断基準となります。

また感染の再拡大を察知する監視体制としては、PCR検査など必要な検査を遅滞なく実施できる体制が整備されているかどうかが、判断基準となります。

宣言解除はあくまでも通過点
「新しい生活様式」の継続を

記者会見において安倍首相は、緊急事態宣言の解除後に感染が再拡大した場合は、
「2度目の緊急事態宣言もあり得る」と明言しています。

少しでも気が緩むと再び感染拡大につながることは、韓国など海外の例で実証されています。

宣言の解除を「出口を脱した」と考えるのではなく、収束への「まだ通過点」と受け止め、5月4日に政府の専門家会議が提言した「新しい生活様式」を実直に継続していくことが、「コロナ時代の新たな日常を取り戻していく」一番の近道なのだろうと思います。

そこで「新しい生活様式」ですが、専門家会議の提言を受け、厚生労働省は、国民一人ひとりが新しい生活様式を具体的にイメージしながら日々の生活に取り入れていけるようにと、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式の実践例」*²としてまとめたものを、イラストも使いながらWEBサイトで紹介しています。

日常生活を営むうえでの
基本的な生活様式

■こまめに手洗い・手指消毒
▪外出から帰宅したらまず手洗いと同時に顔も洗う
▪手洗いは30秒程度かけて、水と石けんでていねいに洗う(手指消毒薬の使用も可)
■咳エチケットの徹底
▪マスクを着用する
▪咳などの症状がなくても、外出時はもちろん、屋内でも会話をするときは着用する
▪マスクをしていない状態で咳やくしゃみをするときは、ハンカチや袖で口と鼻を覆う
▪高温多湿といった環境下でのマスクの着用は熱中症のリスクが高くなるため、屋外では身体的距離が確保できている場合はマスクをはずす
→ 新型コロナ感染予防のマスク着用と熱中症予防
■身体的距離の確保(ソーシャルディスタンシング)
▪人との間隔は、できるだけ2m(最低でも1m)空ける
▪会話をする際は可能な限り対面(真正面)を避ける
■3つの条件が揃うとクラスター発生のリスクが高い「3密」の回避(密閉・密集・密接)
▪遊びに行くなら屋内より屋外を選ぶ
▪屋内にいるときはこまめに換気する(毎時2回以上)
■毎朝、体温測定と健康チェックを行う
▪発熱または風邪症状があれば無理せず自宅で療養する
▪体調が思わしくないときは、重症化リスクの高い高齢者や持病のある人と会うのは避ける

移動に関する感染対策

■感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える
■帰省旅行は控えめに。また、出張はやむを得ない場合に限る
■発症したときのために、誰とどこであったかをメモする習慣をつける
■地域の感染状況に注意する

様々な日常生活場面での
場面別新しい生活様式

スーパーなどの利用に関する感染対策
■通販も利用する
■買い物に出かけるときは1人または少人数で、空いた時間に
■電子決済(クレジットカードや電子マネー)を利用する
■事前に買い物リストを用意して、素早く済ます
■サンプルなど展示品への接触は控えめに
■レジに並ぶときは前後にスペースを(ソーシャルディスタンシング)

公共交通機関利用に関する感染対策
■車内での会話は控えめに
■混んでいる時間帯の利用は避ける
■徒歩や自転車利用も併用する

娯楽、スポーツに関する感染対策
■公園はすいた時間に、すいた場所を選んで利用する
■筋トレやヨガは自宅で動画を活用して行う
■ジョギングは少人数で行い、すれ違うときは距離をとるマナーを
■密閉された狭い部屋での長居は避ける
■歌や応援は十分な距離を取って行うか、オンラインで楽しむ

食事に関する感染対策
■外食の代わりに持ち帰りや出前、デリバリーを活用する
■大皿料理は避け、料理は個別に
■対面ではなく横並びで座る
■食事中のおしゃべりは控えめに
■お酌、グラスやお猪口の回し飲みは避ける
■テーブルに常置してある共用香辛料などの使用は控える

冠婚葬祭などの親族行事に関する感染対策
■多人数での会食は避ける
■発熱や風邪の症状があるときは参加しない

感染拡大防止のための
働き方の新しいスタイル

■テレワークやローテーション勤務を導入する
■時差通勤で3密を避けてゆったりと
■オフィスはソーシャルディスタンシングを守って広々と
■会議や名刺交換はオンラインで
■やむを得ず対面で打ち合わせを行う際は換気のよい部屋にてマスク着用で

参考資料*¹:新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針
参考資料*²:「新しい生活様式」の実践例