新型コロナウイルス感染症の入院対象絞られる




手指衛生

COVID-19の入院対象を絞り
医療機関の負担軽減を図る

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、政府は10月9日、感染症法が定める「指定感染症」の位置づけはそのままに、入院治療の対象者を絞る政令の改正を閣議決定しています。

これを受けて14日には、厚生労働省健康局長が全国の医療機関や自治体、日本医師会等に宛て、政令改正および10月24日から施行する旨の通知をしています*¹。

当初は、すべての新型コロナウイルス感染者が入院治療の対象となっていました。

ただ、その後4月以降は、無症状感染者と軽症感染者については、重症化するリスク因子がないことを条件に、入院治療ではなく、都道府県が借り上げたホテルなどの宿泊施設での療養あるいは自宅待機が基本となっています。

そんななか、季節性インフルエンザの流行シーズンを迎え、新型コロナウイルス感染症と流行がダブル事態が懸念され、現状のままでは医療機関や医療関係者にかかる負担が今以上に大きくなることが予測されます。

今回の政令改正は、新型コロナウイルス感染症患者の入院治療の対象を絞ることにより、医療機関や医療関係者にかかる負担の軽減を図るとともに、重症者や重症リスクのある感染者の治療に重点を置くことを意図して行われたものです。

新型コロナウイルス感染症で
入院治療の対象となる患者の条件

今回の政令改正により、新型コロナウイルス感染症で入院治療の勧告・措置の対象となる感染者は以下に限定されることとなります。

  1. 65歳以上の高齢感染者
  2. 呼吸器疾患を有する感染者
  3. 上記2に加え、腎臓疾患、心臓疾患、血管疾患、糖尿病、高血圧症、肥満などにより臓器機能が低下しているおそれがあると認められる感染者
  4. 臓器移植、免疫抑制剤や抗がん剤等の使用、あるいはその他の理由により免役機能が低下しているおそれがあると認められる感染者
  5. 妊娠している感染者
  6. 現に新型コロナウイルス感染症の症状があり(有症状感染者)、その症状が重度または中等度である感染者
    (新型コロナウイルス感染症の重症度分類は、厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」を参照のこと」)
  7. 上記1~6に該当する感染者以外で、新型コロナウイルス感染症の症状等から総合的に理解、判断して、医師が入院治療の必要があると認める感染者
  8. 上記1~7に該当する感染者以外で、都道府県知事が新型コロナウイルス感染症の蔓延(まんえん)を防止するために入院が必要と認める感染者

このうち「8」は、地域の医療事情や感染状況に応じた入院治療を実施するため、自治体が入院対象を柔軟に決められるように盛り込まれたものです。

宿泊施設療養者や自宅待機者が
入院治療の対象となる場合も

上記1~8の条件に該当しない無症状あるいは症状があっても軽症の感染者は、従来どおり宿泊施設での療養または自宅での待機となります。

ただし、その際、新型コロナウイルス感染症の蔓延を防止するために厚生労働省令で定める以下の3点を守ることに同意しない感染者、あるいは約束事を厳守できない感染者は、入院勧告および措置の対象となります。

  1. 指定された期間、指定された内容、方法および頻度で健康状態を報告すること
  2. 指定された期間、指定された場所から外出しないこと
  3. 上記2点に加え、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止に必要な事項

宿泊療養、自宅待機が解除となるのは

上記1と2にある「指定期間」とは、宿泊療養または自宅待機を解除して差し支えないと判断されるまでの期間となります。

具体的には、有症状感染者では、
⑴ 発症日から10日間が経過し、かつ症状軽快後72時間経過した場合
⑵ 発症日から10日間が経過する前に症状が軽快し、24時間経過した場合
のいずれの場合も、その時点で実施したPCR検査等で陰性が確認され、さらにその検査から24時間後の再検査でも陰性が確認された場合に、宿泊療養あるいは自宅待機が解除となります。

一方、症状のない感染者、いわゆる無症状病原体保有者については、
⑴ 発症日(検査で陽性反応が出た日)から10日間が経過した場合
⑵ 発症日(検査で陽性反応が出た日)から6日間が経過した後にPCR検査等により陰性が確認され、さらにその検査から24時間以降の再検査でも陰性が確認された場合に、宿泊療養あるいは自宅待機が解除となります。

増え続ける自宅待機感染者
感染症蔓延防止策の徹底を

新型コロナウイルスに感染しているものの「軽症」や「無症状」であれば、4月以降は、「65歳以上の高齢である」「呼吸器疾患等の持病がある」「免疫機能が低下している」などの重症化リスクがないことを条件に、入院治療ではなく都道府県が借り上げたホテルなどの宿泊施設で療養することが基本となっています。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一部の自治体で療養のための宿泊施設の確保が困難となり、やむを得ず、あるいは感染者の強い希望により、自宅待機の道を選択する感染者が増え、感染の蔓延を防止する観点からさらなる対策が必要となってきました。

そこで厚生労働省は、8月7日、新型コロナウイルスの感染者のうちどのような場合に自宅療養を認めるか、その基準、および感染予防の観点から療養生活において厳守すべき点などをまとめて公表しています。

その詳細については、こちらの記事で具体的に紹介していますので、参考にしてください。
→ 新型コロナ自宅療養対象者の基準を厚労省が明示

参考資料*¹:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症を指定感染症と定める等の政令の一部を改正する政令等について(施行通知)