大人数での飲食ではより徹底した感染対策を




飲み会

新型コロナクラスターは
5人以上での飲食場面で多発

恐れていた新型コロナウイルスの感染「第3波」到来により、国内の感染者が北海道の札幌や東京、埼玉といった都市圏を中心に急増しています。

事態を重く見た政府は、11月17日、会食で発生した「クラスター(感染者集団)」の経験から、5人以上のグループによる飲食場面における発生が目立っているとし、大人数で飲食する場合は、3密の回避などの感染対策をより徹底するよう呼びかけています。

これは、これまで全国各地で発生した感染拡大の経験から、新型コロナウイルス感染症の伝播は、主にクラスターを介して拡大することが明らかになったことから行われた、クラスター分析で得られた知見が根拠となっています。

会食で発生したクラスターを分析したところ、感染者が判明した44件のうち5人以上のグループで飲食したケースが29件、率にして66%を占めていることが明らかにされているのです。

これを受けて、西村康稔(やすとし)新型コロナ担当・経済再生担当大臣は、この先、クリスマスや忘年会、新年会と、会食の機会が続くことから、「専門家からも注意が必要だと提言されている」としたうえで、大人数で飲酒を伴う会食を楽しむなど、マスクを外す場面では特に注意するよう促しています。

感染リスクが高まる5つの場面を
政府の分科会が提言

西村大臣が言及している「専門家からの提言」とは、新型コロナウイルス対策を話し合う政府の分科会(会長・尾身茂地域医療機能推進機構理事長)が10月23日に提示した、「感染リスクが高まる典型的な5つの場面」のことです。

分科会が指摘する「感染リスクが高まる典型的場面」とは、以下の5つです。

  • 場面1:飲酒を伴う懇親会等
  • 場面2:大人数や長時間におよぶ飲食
  • 場面3:マスクなしでの会話
  • 場面4:狭い空間での共同生活
  • 場面5:居場所の切り替わり
「飲食を伴う懇親会等」における感染リスク

まず、場面1の「飲酒を伴う懇親会等」については、
⑴ 飲酒をすると気分が高揚して気が緩み、大きな声*になりやすい
⑵ 個室や敷居などで区切られた狭い空間に大人数が滞在すると、フィジカルディスタンス(身体的距離)をとりにくく、感染リスクが高まる
⑶ アルコール類の回し飲みや箸などの共有により感染リスクが高まる

飛沫は通常の会話でも発生するが、特に大声を出すと大量の飛沫が遠くまで飛ぶため、咳などの症状がなくても感染が伝播すると考えられている。
「大人数や長時間におよぶ飲食」による感染リスク

また、場面2の「大人数や長時間におよぶ飲食」については、
⑴ 長時間におよぶ飲食や接待を伴う飲食、深夜のはしご酒では、短時間の食事に比べて、感染リスクが高まりやすい
⑵ 大人数、とりわけ5人以上の飲食では、話し声がつい大声になり飛沫が飛びやすくなるため感染リスクが高まる

「マスクなしでの会話」による感染リスク

さらに、場面3の「マスクなしでの会話」については、
⑴ マスクなしに近距離で会話することにより、唾(つば)などによる飛沫感染や、さらに小さな飛沫で空中をただようマイクロ飛沫による感染リスクが高まる
⑵マスクなしでの感染例としては、昼カラオケなどでのクラスター発生事例が確認されている
⑶ 車やバスで移動する際の、車内でのマスクなしの会話にも注意が必要

「狭い空間での共同生活」における感染リスク

場面4の「狭い空間での共同生活」については、
⑴ 長時間にわたり換気の悪い閉鎖空間が共有されるため、感染リスクが高まる
⑵ 寮の部屋やトイレなどの共用部分での感染が疑われるクラスター事例が報告されている

「居場所の切り替わり」による感染リスク

最後の場面5、「居場所の切り替わり」については、
⑴ 職場で休憩時間に入ったときなど、喫煙スペースに移動するなどして居場所が変わることによる気の緩みや環境の変化により、感染リスクが高まることがある
⑵ 休憩室や喫煙所、更衣室での感染が疑われるクラスター事例が確認されている

感染リスクを下げながら
会食を楽しむ工夫

クラスター発生事例を分析した以上の結果を踏まえ、分科会は、会食の際に感染リスクを下げる工夫をまとめ、提案しています。

そこでは、まず飲酒をする際の工夫として、以下をあげています。
⑴ できるだけ少人数で、短時間にする
⑵ なるべく普段一緒にいる人と、
⑶ 深酒やはしご酒は控え、適量な酒量で楽しむようにする

また、以下の点にも注意するように促しています。
⑴ 箸やコップ類は使いまわさず、個人のものを使用する
⑵ 席の配置は、対面や真横に並ぶのはできるだけ避け、斜め向かいにする
⑶ 食べながらのおしゃべりはやめ、会話をするときは極力マスクを着用する
⑷ フェイスシールドやマウスシールドはマスクに比べて感染防止効果が弱いことに留意する
⑸ 定期的に窓を開放するなど、換気が適切に行われ、フィジカルディスタンスが確保されてるように配慮されているお店を選ぶ
⑹ 体調が悪いときは会食に参加しない

この日会見を終えるに際し、分科会の尾身茂会長は、
「行動に関わる人々の意識を変えること、つまり行動変容が、さらなる感染拡大を防ぐうえで非常に重要であることが、これまでの分析により改めて確認されている」
としたうえで、より多くの人にこのことを理解し、実践してもらいたいと話しています。