新型コロナ自宅療養対象者の基準を厚労省が明示




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新型コロナ感染者の増加に伴い
自宅療養者が増えている

新型コロナウイルス感染症の患者については、「軽症」や「無症状」であれば、「高齢である」などの重症化するリスク因子*がないことを条件に、入院治療ではなく、都道府県が借り上げたホテルなどの宿泊施設で療養することを基本としています。

ところが、このところの新型コロナウイルスの全国的な感染再拡大に伴い、一部の自治体で療養のための宿泊施設の確保が困難になっています。

そのためやむを得ず、あるいは感染者本人の強い希望により、自宅で療養する感染者が増えているようです。

こうした事態を受け、厚生労働省は8月7日、どのような場合に自宅療養を認めるか、その対象者の基準を初めて整理し、公表しています*¹。

*重症化リスクの高い人として、厚生労働省は以下5点をあげている。
⑴ 高齢者
⑵ 基礎疾患(糖尿病・心不全・慢性呼吸器疾患・高血圧等)のある人
⑶ 透析治療中の人
⑷ 免疫抑制状態にある人(免疫抑制剤や抗がん剤を使用している)
⑸ 妊娠している人

自宅療養対象者の基本は
1人暮らしで自立生活可能な人

公表された基準によれば、自宅療養の対象者は、家庭内感染による感染拡大を防ぐ観点から、1人暮らしで自立した生活を送ることができる人を基本としています。

加えて、同居家族がいる場合は、喫煙者がいないことを条件に、生活空間を完全に分けることができるなど、適切な感染管理が可能と保健所(あるいは保健所から依頼を受けた担当者)が判断した場合などに対象となります。

同居家族に高齢者など重症化するリスク因子のある人や医療・介護従事者がいる場合も、喫煙者がいないことを条件に、生活空間を完全に分けることができると保健所等が判断すれば、自宅での療養が可能となります。

同居家族がいる場合の生活空間の分け方

いずれの場合も、生活空間の分け方としては、以下がポイントとなります。
⑴ 感染者と家族の部屋はできる限り別室とする
⑵ 同居家族が感染者の世話をする際は、世話をする人を1人に決めておく
⑶ 感染者も家族も、マスクの着用と手洗いの励行を
⑷ 定期的な換気を励行する
⑸ 食事も就寝も別々にする
⑹ トイレやバスルームなど共用スペースを感染者が利用した後は換気と消毒を

なお、自宅療養を希望する感染者には、「育児や介護をせざるを得ないから自宅で」というケースが多いとのことです。

その場合は、同居家族も含めた定期的な健康状態のチェックなどの体調管理を保健所等が行うことを条件に、自宅療養も可能であるとしています。

感染者の外出による感染拡大は
公的サービスの利用で避ける

感染者自身が外出すると、感染を広げる可能性があります。

感染拡大を防ぐためには、自宅から外に出ずに療養に専念できるよう、解除までの期間、1日3食分の食費として、最大で4500円(配送料、飲料費を除く)を補助し、食事の配達を行うとのこと(同居家族等の分は補助対象外)。

日常生活を送るうえで真に必要なものに限り、衛生用品の備品、消耗品(体温計、パルスオキシメーター*、消毒薬、個人防護具、衛生用品等)も補助の対象となります。

*パルスオキシメータ―とは、指先に洗濯ばさみのような「プローブ」と呼ばれるセンサーを挟むだけで血中酸素飽和度(SPO₂)と脈拍数を測定できる装置。

また、新型コロナウイルス感染症は、軽症で風邪程度の症状、あるいは無症状であっても、急性増悪する可能性があることがわかっています。

自宅療養中は、この急変時の対応が遅れて深刻な事態を招かないよう、毎日、保健所等による健康状態のフォローアップが行われます。

この保健所の業務負担を減らすため、スマートフォンのアプリなどで感染者本人にその時々の健康状態を所定の健康観察票などに入力してもらう取り組みも行う、ということです。

訪問看護師も
個人防護具着脱法のマスターを

厚生労働省によると、7月29日時点で自宅療養者は療養先調査中の人を含め、全国で約2300人と、感染者全体の3割に達し、直近では4割近くまで上昇しているといいます。

地域差もあるでしょうが、自宅療養を続ける感染者の健康状態のフォローアップを保健所のスタッフだけでは対応しきれず、最寄りの訪問看護ステーションに業務委託するケースも徐々に増えてきているようです。

このような場合、自宅を訪問して感染者に対応する際には、訪問看護師さん自身のウイルス曝露による感染を防ぐため、また地域に感染を拡大させないためにも、個人防護具(Personal Protective Equipments;PPE)の着用が必須となります。

高山医師が自演によるレクチャー動画を公開

その具体的な方法については、医療機関内での方法について、感染管理認定看護師などが詳しく説明する動画などもいくつか公開されています。
→ コロナ感染第2波に備え個人防護具(PPE)の適正使用法再確認を

しかし、医療機関内と訪問先とでは、それぞれ工夫すべき点も多々あり、そのまま活用というのは難しいだろうな、などとと考えていた折も折……。

あの高山義浩医師(沖縄県立中部病院)が、
「訪問看護師が身につけたい個人防護具の着脱法」
をYouTubeで紹介しておられます*²。

10分39秒の自演によるレクチャーで、非常にわかりやすく作られています。
ちょっと音量が低いのが、残念ですが……。
是非一度視聴してみてください。

参考資料*¹:「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」に関するQ&Aについて(その8)」
参考資料*²:訪問看護師が身につけたい個人防護具の着脱法