「COVID-19 緊急事態宣言」を全国に拡大




covid-19

感染拡大に歯止めをかけるため
緊急事態宣言の対象を全都道府県に

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が国内で急速に拡大しているのを受け、政府は4月16日、首相官邸で開いたCOVID-19対策本部の会合で、感染拡大に歯止めをかけるため、特別措置法に基づく「緊急事態宣言*」の対象区域を全都道府県に拡大することを決定しました。

同時に、北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府の6つの道府県では、すでに宣言の対象になっていた7都府県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県)同様に感染の蔓延(まんえん)が進んでいることを指摘。

両者を合わせた13都道府県を、「特定警戒都道府県」と位置づけ、特に重点的に感染拡大防止の取組みを進めていく方針を打ち出しています。

緊急事態宣言の期間は、すでに宣言対象になっていた7都道府県同様、5月6日までとし、効力は4月16日夜に発生しています。

*緊急事態宣言とは、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法、通称「特別措置法」に基づき、全国的かつ急速に感染が蔓延し、国民生活と経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある場合、首相が対象区域と期間を定めて宣言する。
宣言により、対象区域の都道府県知事は、
①住民に不要不急の外出自粛への協力要請、
②映画館など人が集まる施設に使用制限の要請・指示、
③都道府県をまたいだ不要不急の移動の自粛要請、
④いわゆる「夜の街クラスター」が多数発生している繁華街の接待を伴う飲食店等への外出自粛要請、
⑤国民生活や国民経済の安定確保に不可欠な業務の継続要請、
臨時医療施設の開設に必要な土地・建物を所有者の同意なく使用する、
ことができる。

感染者が多い都市部から
地方への人の流れを抑える

17日夕方、官邸で記者会見に臨んだ安倍晋三首相は、緊急事態宣言を全国に拡大した理由を、
「大型連休で長期間の旅行や帰省で多くの人が移動することが予想されるなか、外出や都市部から地方への人の移動を最小限にとどめるためだ」と説明。

「感染者が多い都市部から重症化リスクが高いとされる高齢者が多く暮らす地方への人の流れが生まれるようなことは、絶対に避けなければならない。それはもっとも恐れるべき事態である全国的かつ急速な感染の蔓延を確実に引き起こす」
と警鐘を鳴らしました。

同時に、「人との接触機会を最低7割、極力8割の削減を実現できない限り、新規の感染者数を大きく減少に転じさせることは困難だ」として、
第一に不要不急の外出を自粛すること*、
第二に「3つの密」を避けること**、を重ねて呼び掛けました。

当面5月6日までとしている緊急事態宣言の期間については、当初7都府県に宣言を出した7日から2週間が経過した時点で効果を検証し、専門家の意見を踏まえて、期間を延長するかどうか検討する方針であることを明らかにしています。

*「不要不急の外出を避ける」とは具体的に、「外出しなくてもよいことは家で済ます」「今日明日にしなくても済むことは、先に延ばす」こと。
**「3つの密」とは、「換気の悪い密閉空間」「多くの人が集まる密集場所」「2m以内の距離で会話や共同行為をする密接場面」のこと。

診療報酬を2倍にし
医療従事者の処遇を改善

加えて会見で安倍首相は、感染リスクに直面しながらCOVID-19患者の命を救い、守るため、日夜懸命に治療やケアにあたっている全国の医師や看護師等の医療従事者に対し、心からの感謝の気持ちを述べています。

そのうえで、医療機関に支払われる診療報酬を倍増するなど、特例的な評価をして処遇改善を図る方針を表明しています。

厚生労働省によれば、算定される診療報酬を2倍の点数にするのは、COVID-19により人工心肺装置(ECMO;エクモ)や人工呼吸器を必要とする重症患者が集中治療室(ICU)に入院している場合や、中等症の入院患者への対応などで、最大35日まで算定可能となります。

医療機関がECMOなどの使用により通常より手厚い人員配置が必要になることから、時限的措置として報酬を増やすもので、患者の追加負担*は発生しません。

首相の方針を受け、厚生労働省の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は直ちに総会を開き、対応策を了承。18日から適用されることになります。

*COVID-19は2月1日、感染症法に基づく「指定感染症」に指定されている。これにより、感染症法第37条が適用され、COVID-19にかかる医療費は、各自治体の判断の下に公費で負担される。
この場合、患者が加入している各種公的医療保険が優先的に適用され、その自己負担分が公費負担となるため、患者負担はゼロとなるが、自治体によっては20,000円を上限に自己負担となる。

不足している感染防護具を
1日も早く現場に届ける

会見で首相は、COVID-19の医療現場において相次いでクラスター(患者集団)が発生し、院内感染が報告されている事態を大変憂慮していることも表明。

同時に、感染リスクと背中合わせの過酷な環境でウイルスとの戦いに挑んでいる医療従事者を守るためにも、感染予防に必要なゴーグルやフェイスシールド、マスク、ガウンといった感染防護具を1つでも多く現場に届けるため、国内生産を可能な限り急ぐとしています。

まずは、最初に緊急事態宣言の対象となった東京都など7都府県を対象に、サージカルマスクを1000万枚、フェイスシールドと医療用ガウンをそれぞれ100万枚を週内に10万枚、月内に万枚、N95やKN95マスクを週内に7万枚、月内に70万枚配布することを表明。

また、COVID-19の院内感染リスク、とりわけ医療従事者の感染リスクを極力減らすためにも、4月13日から時限的・特例的措置としてスタートした初診も含む電話やスマートフォンなどでのオンライン診療を積極的に活用するよう促しています。
オンライン診療に関してはこちらの記事を参照してください。

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国民一人ひとりが
「3つの密」を避ける行動変容を

今回出された緊急事態宣言は、諸外国で見られる「ロックダウン」、つまり違反すると罰金が発生するような強制的な都市閉鎖ではありません。

たとえば外出の自粛が求められてはいるものの、医療機関への通院、食料品や医薬品、生活必需品の買い物、必要限度内での職場への出勤、健康維持のための屋外での運動や散歩までが、自粛の対象になっているわけではありません。

それだけに、この未知のウイルスを克服するために必要な対策として政府の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」が繰り返し訴えているのが、人との接触を8割減らすことを国民一人ひとりが強く自覚し、必要な取組み、つまり「行動変容」を徹底することです。

具体的には、「3つの密」をできる限り避けるために、これまで特に意識することなくやっていた隣人との近距離での立ち話や、友人とのボディタッチ、カラオケなどで大きな声で歌う、仲間内で物を共有する、といった行動を改めることが求められているのです。

医療現場では、面会者からの感染を防ぐために、この時期、面会は一時中止にする、入院患者の外出や外泊を制限するといったことも必要になってくるのではないでしょうか。