「新型コロナ慰労金」支給は最速で8月下旬に




感謝

新型コロナ医療従事者等慰労金
医療機関等が代理申請・受領

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などに対応した医療従事者や職員(以下、医療従事者等)に上限で20万円を支給する「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金(以下、慰労金)」の申請は、原則、医療機関等が支給対象者から委任状をとりまとめたうえで代理申請を行うことになっています。

厚生労働省は7月15日、その申請方法をまとめた「医療機関等向け申請マニュアル」*¹をホームページに公表しました。

医療機関等が、慰労金の支給対象者に該当する医療従事者等から代理申請および代理受領の委任状を集め、受付窓口となる各都道府県の国民健康保険団体連合会(以下、国保連)へ代理申請する仕組みになっています。

7月中に申請を終えた場合で、国保連から医療機関に支払われるのは最速で8月下旬となる見通しとのこと。その後対象者個人に振り込まれることになりますから、手元に届くのは9月に入ってからになるでしょうか。

この慰労金については、間違いなく個人が受け取れるのだろうか、といった懸念の声も少なからず上がっています。
この点については、委任状を提出した医療従事者等個々の手元に確実に届くよう、医療機関等に対しては、委任状を提出した医療従事者等個々への支払い実績について逐一報告するよう求めています。

厚生労働省は、申請時点で退職している医療従事者等も基本的には勤務していた医療機関等を通じて申請を行うよう要請している。
しかし、やむを得ない事情によりその方法では申請ができない場合は、勤務していた医療機関等による勤務期間の証明を受け、個別での申請を行う。
その際の申請書様式は、厚生労働省のホームページに掲載されている*¹。

慰労金の支給対象となる
医療機関等と1人当たり給付額

支給される慰労金の金額は、1人当たり20万円、10万円、5万円の3パターンとなります。
自分がどのパターンに該当するかは、まずは勤務先が「都道府県から役割を設定された医療機関等」に該当するか否かがポイントになります。

マニュアルによると「都道府県から役割を設定された医療機関等」に該当する医療機関等には以下の9パターンがあります。

なお、医療機関(病院および診療所)は保険医療機関(保険診療を行っている)であることが必要。また訪問看護ステーションは指定訪問看護事業者に限定されます。

  1. 重点医療機関
  2. 感染症指定医療機関
  3. 1と2以外の都道府県がCOVID-19患者の入院受け入れを割り当てた医療機関
  4. 帰国者・接触者外来を設置する医療機関
  5. 行政検査を行う地域外来・検査センター
  6. 都道府県や政令都市・特別区から宿泊療養・自宅療養を行うCOVID-19の軽症患者等に対するフォローアップ業務を請け負った医療機関
  7. 1~6以外の病院・診療所
  8. 訪問看護ステーション
  9. 助産所

COVID-19患者対応を行ったら上限の1人20万円

これらの医療機関等が、実際にCOVID-19患者の診療や入院受け入れを行った場合は、医療従事者等1人当たり20万円、実際には患者を受け入れていない場合は10万円となります。

上記以外の医療機関等に勤務する場合には5万円ですが、有床診療所などでもCOVID-19患者の入院患者を受け入れていれば、20万円となります。

自身の勤務先が上記の医療機関等に該当するか否かを知りたいときは、各都道府県の国保連*²あるいは厚生労働省のコールセンター*³に問い合わせるといいでしょう。

対象期間中に10日以上勤務し
患者と接していることが条件

慰労金支給の対象となるのは「患者と接する医療従事者等」となっていますが、この場合の「患者」はCOVID-19患者(疑い患者を含む)に限らず、他の疾病による患者も含まれます。

COVID-19患者を受け入れている医療機関で、COVID-19患者に対応している病棟とは別の病棟で働いていたとしても、患者の対応にあたっていれば、20万円の対象になります。

資格や職種、雇用形態による限定はないため、業務委託先の従業員でも、
「受付や会計等の窓口対応等の医療事務、院内清掃、患者搬送、患者等の給食といった業務は対象となる場合が多い」との見解を示しています。

ただし、対象期間内に合計で10日以上勤務していることが条件となります。
この場合の対象期間とは、
⑴ 都道府県内におけるCOVID-19患者1例目の発生日
⑵ 都道府県内でチャーター便やクルーズ船を含め、COVID-19患者を受け入れた日
⑶ 緊急事態宣言の対象地域となった日
のいずれか早い日を基点として、6月末までです。

COVID-19患者(疑い患者を含む)が1人も出ていない岩手県の場合は、緊急事態宣言の対象地域とされた4月16日が起点となります。

なお、1日当たりの勤務時間は問われませんが、対象期間中に年次有給休暇や育児休暇等により実際に勤務していない場合は、勤務日として算定されません。
当直勤務などで日をまたぐ場合は、2日勤務とみなされます。

医療機関等が7月中に申請しても
慰労金の支給は8月下旬に

この先医療機関等は、以上の要件を踏まえ、慰労金支給の対象となる医療従事者や職員を特定し、各自から代理申請・受領の委任状を集めることになります。

そのうえで、所定の様式で都道府県の国保連へ申請します。
申請期間は7月20日~7月31日、8月以降は毎月15日~末日となります。

申請を受けた国保連側は、申請内容を逐一審査する必要があります。
そのため国保連から医療機関への支払いは、
「最速で、国保連における申請書の受付の翌月下旬となる予定」とのこと。

したがって、医療機関等が7月中に申請しても、実際に慰労金が手元に届くのは8月下旬で、申請が8月にずれ込めば9月下旬になる見通しです。
「もっとスムーズに……」の思いもあるでしょうが、対象者は310万人に及ぶと聞けば、納得せざるを得ないのではないでしょうか。

国保連から必要額を受け取った医療機関側は、受領後速やかに対象者らへ支給し、1か月以内をメドに都道府県へ支給実績を報告することが求められています。

この場合、医療機関が独自に再分配をしたり、支払いを留保したりすることはいっさい認められず、支給実績を報告する際は、対象者への振り込み記録、受領簿等が必要となります。
仮に申請内容と支給実績に隔たりがあった場合は、清算が求められることになっています。

なお、新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業の対象者等の詳細は、こちらの記事を参照してください。
→ コロナ慰労金「10日以上勤務」が条件 申請・受給は医療機関が代理

参考資料*¹:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業」医療機関等の申請マニュアル
参考資料*²:各都道府県国民健康保険団体連合
参考資料*³:厚生労働省医政局 新型コロナ緊急包括支援交付金コールセンター
電話 03-3595-3317(受付時間は平日9:30~18:00)