今もあった「脚気」 看護師も気をつけて!




ランチ

留置施設で食べた弁当が原因で
4人の成人男性が脚気に

このニュースには驚かされました。
埼玉県川口署に留置されていた4人の男性被告人(いずれも20~30代)が先月(2019年10月)、「脚気(かっけ)」と診断されていたというのです。

4人が訴えていた足のしびれや歩行困難などの症状は、医師の処方によるビタミン剤の服用などにより、現在は快方に向かっているとのことで、まずは一安心。
とは言え、「提供していた弁当が原因とみられる」と聞き、二度ビックリです。

脚気という病気は、さかのぼること明治の時代、当時の厳しい食糧難を反映し、来る日も来る日も白米だけの食事を余儀なくされていた海軍の水兵さんや多くの庶民が苦しめられた病(やまい)として知られています。
原因は、ビタミンB1(「チアミン」とも呼ばれる)の不足でした。

日本人の食糧事情が大幅に改善され、多くの人が「栄養バランス」ということを意識して食事をするようになっている昨今では、よほどの偏食や極端な減食でもしないかぎり、脚気になることはまずないだろうと考えられていたのですが……。

カップ麺などのインスタント食品やコンビニのおにぎりなどの調理済み食品だけで食事を済ます、といった人が増えている昨今では、「隠れ脚気」や「脚気の予備軍」に該当するような人も少なくないようです。
ということで今日はこの、脚気について書いてみたいと思います。

弁当のビタミンB1不足により
脚気の症状が現れる

さて、脚気と診断された4人の男性が食べていた弁当ですが、この留置施設と提携している同県越谷市内の弁当業者から調達したものだったとのこと。
1日3食当たりの栄養素を詳しく調べたところ、ビタミンB1の含有量が成人男性の摂取目安量の3分の1ほどしかない日もあったそうです。

ビタミンB1は、皮膚や粘膜の健康保持、および神経系の機能を正常に保つうえで欠かせない栄養素として知られています。ただしメインの働きは、体内に送り込まれた糖質(炭水化物)の消化を助け、エネルギー代謝を促すといった代謝機能です。

■エネルギー不足により、だるい、疲れやすい
そのためビタミンB1が不足すると、糖質をエネルギーに変える能力が落ちてしまい、エネルギー不足からだるくなったり、疲れやすくなるだけでなく、脳や神経の働きが低下し、さらに重症化すると脚気による足のしびれや浮腫、動悸、息切れを自覚するようになります。

一方でビタミンB1不足は、血糖コントロールを難しくするうえに、エネルギーに代えられなかった糖質を脂肪として蓄えて体脂肪を増やすため、肥満につながるリスクもあります。
糖尿病患者への食事療法で、エネルギー制限などに加え「ビタミンB1をしっかり摂るように」と指導する根拠は、この点にあるようです。

白米を発芽玄米に切り替え
ビタミンB1不足による脚気予防

ビタミンB1をはじめとするビタミンB群は水溶性のビタミンです。
そのため、仮に余分に摂取しても、必要量を超えた分は尿中に排泄されて体内に蓄積されることはほとんどなく、過剰摂取によるマイナスの影響を心配する必要はなさそうです。

逆に言えば、体内に貯めておくことができませんから、毎日の食事でコンスタントに摂り続けることが不可欠な栄養素ということになります。

ビタミンB1は、もともと「米ぬか」から発見されたビタミンで、胚芽米や玄米といった精白する前のお米に多く含まれています。
そこで、白米を主食として摂ることの多い日本人の食習慣からすると、白米を玄米や発芽玄米、あるいは胚芽米に切り替えるというのが、ビタミンB1不足を防ぐうえで最も手っ取り早く、かつ確かな方法のようです。
「主食はパン」という方は、玄米パンなどに切り替えてみてはどうでしょうか。

最近は、玄米や発芽玄米が簡単に手に入るようになっています。
玄米などは白米に比べ炊飯に手間がかかるからと敬遠されがちですが、普通の炊飯器で白米と変わりなく炊ける玄米も出回っています。
またはアイリスオーヤマ 炊飯器のような白米も玄米も炊ける炊飯器を活用するのもいいでしょう。

もっと手軽にと言う方には、ファンケル発芽米ごはん のようなレトルトパックもあります。
さらには、1本で玄米一膳分以上のビタミンB1をはじめ食物繊維やマグネシウムも摂れて、カロリーは玄米一膳分の半分以下、96Kcalという健康道場 飲む一膳分 を出勤前の朝食にするのも一法ではないでしょうか。

ビタミンB1の吸収を助ける
にんにくの活用を

ビタミンB1は、発芽米や玄米以外にも、豚肉やロースハム、うなぎ、かつお、さらには納豆などの大豆製品にも比較的多く含まれていますから、これらの食材を毎日意識して摂るようにするといいでしょう。

特に、四六時中身体がだるく疲れが残りやすい、といった方は、ビタミンB1不足を疑って、たとえば豚肉のしゃぶしゃぶなどはいかがでしょうか。
このときしゃぶしゃぶ用の鍋は小さめのものを使ってスープの量を少なくし、スープに薄くスライスしたにんにくを入れることをお忘れなく。

また、豚しゃぶした後のスープに葉物野菜をたっぷり入れて、スープに漏れ出たビタミンB1も残さずいただくようにすれば、ビタミンB1を十分補うことができます。

にんにくには、アリインと呼ばれるアミノ酸の一種が含まれています。
このアリインには、ビタミンB1の吸収を助ける作用があり、吸収率は10倍になるとさえ言われていますから、ビタミンB1を効率的に摂るには欠かせない食材です。