看護師の口臭と患者の口臭、原因に合った消臭を

看護師の口臭

健康な看護師も
生理的口臭は避けられない

少し前になりますが、毎週1日だけ、午後の3時間ほどを「口臭外来」にして、患者からの口臭に関する悩みに対応している歯科医師を取材したことがあります。

近年の抗菌グッズブームに象徴されるように、人々の清潔志向が高まるのに伴い、自らの口臭を気にし、真剣に悩んで相談に訪れる患者が年々増えてきているそうです。

そのなかに、口臭に悩む総合病院勤務の20代の看護師さんがいるという話をしてくれました。

このところ増えている高齢の入院患者、あるいは内臓に深刻な病がある患者などては年齢に関係なく、強い口臭を発している方が少なからずいることは想像に難くありません。

服用中の薬が原因の口臭もあります。

その、思わず顔をそむけたくなるような患者の口臭に悩まされているうちに、自分にも口臭があるのではないか、患者や同僚に敬遠されているのではないかと気になりはじめたとのこと。

その挙句、息を吹きかけるだけで自分の口臭をチェックできるブレスチェッカーを手放せなくなったというのです。

いつもは自覚しないが
口臭が気になるとき

口臭には病的なものもありますが、その多くは生理的なものです。

何の問題もなく健康に過ごしている人でも、起床時や空腹時などには、程度の差こそあれ誰でも多少の口臭があるものです。

女性であれば、生理(月経)の時期や妊娠時などにはホルモンの変調が影響して、生理的口臭が強くなることもあるでしょう。

あるいは強いストレスや緊張状態が続くようなときも、いつもは自覚しない口臭が気になってくるということもあります。

いずれも生理的口臭の範疇と考えられるのですが、その20代の看護師さんは、自らの生理的口臭を気に病んで通院してきているという話でした。

健康でも口腔内には
500種を超える常在菌が

看護師のあなた自身であれ患者であれ、気になる口臭が生理的なものであれば、そのほとんどは口腔内の常在菌が原因と考えていいでしょう。

私たちの口腔内に棲みついている500700種類、数にして唾液1㏄あたり700億個に及ぶとされる細菌は、歯磨きなどで口腔内を洗浄すると、そのときはほぼ半減します。

ところが30分も経つと、また元の数に戻ってしまうそうです。

とはいっても、それがすぐに生理的口臭につながるというわけではないようです。

私たちの口腔内は、唾液腺から分泌される唾液の自浄、抗菌作用等により、その常在菌がさらに増殖したり変質したりすることはありません。

腸内環境のように口腔内でも、からだに有益な働きをする善玉菌と悪さをする悪玉菌とが、常時一定のバランスを保つように調整されていれば「口が匂う」ことはないはずです。

生理的口臭は
ドライマウス対策で解消

ところが、唾液の分泌量が減り口腔内が乾燥して「ドライマウス(口腔乾燥症)」と呼ばれる状態になると、話は変わってきます。

歯周病のような口臭の原因となる病的な問題がなくても、乾燥した口腔内で悪玉菌が増えすぎて口腔内フローラの菌バランスが崩れてしまうと、舌苔(ぜったい)ができるなどして口臭を発するようになってきます。

このようなドライマウスによる口臭は、こまめに水分を摂るとか、口をすすぐ、つまり含嗽(がんそう)の回数を増やすなどして、口腔内の乾燥で菌バランスが崩れることがないようにしていれば、防ぐことができます。

最近は、食後などの歯磨きを、洗口液によるマウスウォッシュだけで済ましてしまう方も少なくないでしょう。

しかし完全を期すなら、歯周病の原因となるプラーク(歯垢)をつくらないためにも、食後のブラッシングで食べ物のカスをかきだしておくことが大切です。

高齢になると唾液分泌機能の低下によりドライマウスの状態に陥りやすくなります。

そのため、どうしても生理的口臭が出やすくなるのですが、頻回な口腔ケアはもちろん、定期的な水分補給や室内が乾燥しないようにするなど、口腔内と室内環境との清潔とうるおいを保つケアにより、生理的口臭は防ぐことができるでしょう。

患者が義歯を使用しているようなら、さらにこまめな対応が必要でしょう。

病的な原因による口臭には
原因を見極めた対応を

一方、周囲の人を悩ませるような強い口臭のなかには、病的なものがあります。

う歯や歯肉炎、歯周病など口腔領域の疾患が原因のこともあれば、副鼻腔炎のような耳鼻喉頭領域の疾患、さらには糖尿病のアセトン臭や肝疾患のアミン臭、腎疾患のアンモニア臭など、臨床で経験する病的な口臭がこれにあたります。

このような病的口臭は、ときに病気の発見につながるとか、病気の進行具合を知らせるサインのこともありますから、むやみに臭いを消すことだけを優先的に考えた対応は避けた方がいいでしょう。

まずは口臭が何によるものなのかをきちんと明らかにし、そのうえで臭い対策をとるようにしたいものです。

また、患者に使用している治療薬のなかには、唾液の分泌を抑える作用をもつものが少なからずあります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療薬(制酸剤)や降圧利尿薬、抗うつ薬、パーキンソン病治療薬などがその代表です。

これらの薬剤を使用している患者には、ドライマウスによる口臭が起きやすくなることを踏まえ、口腔内の清潔とうるおいを保つセルフケアについて指導をしておけば口臭に悩まされることも少なくなるはずです。

高齢者に多いドライマウス(口腔乾燥症)は、薬の副作用として現れることが多い。なかには深刻な病のサインのこともあり、「口が渇くだけだから」などと見過ごしていると、食事摂取や日常会話に支障をきたし、QOL(生活の質)の低下を招くことも。気づいたら早めの受診を。

看護師の接遇マナーの
基本として口臭対策を

看護師さんの口臭は、時として患者とのコミュニケーションに支障をきたすことがありますから、接遇マナーの基本として、自らの口臭対策は心がけたいものです。

あるいは冒頭で紹介した看護師さんのように心理的に追い込められることもあることから、原因に応じた早め早めの慎重な対応が求められることは改めていうまでもないでしょう。

たとえば、テレビCMなどでお馴染みの消臭スプレー、オーラクリスタル メディホワイトは、口臭予防と歯のホワイトニンク効果もねらった優れものです。

また、歯科クリニックなどでも勧められることが多い臭活サプリ は、比較的お手軽な価格で手に入れることができる植物由来(マッシュルーム抽出物、バラの花びらエキスなどが成分)のサプリメントとして、からだの内側からのブレスケアにおすすめです。

いずれにしても、患者にとって看護師さんの笑顔は、何よりの癒しとなります。思い切りの笑顔を見せていただくためにも、口臭への配慮をお忘れなく!

ジャーナリストのノーマン・カズンズ氏が、自らの膠原病を「笑いばして」克服した体験を公表して以来、笑いと治癒力の関係が注目されている。「自律神経のバランスが整う」「NK細胞が活性化する」結果とされる。看護師にユーモアセンス求められる所以だ。