病気や老化の元凶「AGE」と「糖化度」の話

フライドチキン

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主役は「酸化」から「糖化」へ
病気や老化の原因物質「AGE」

活性酸素による「酸化」を病気や老化の元凶と考え、抗酸化作用のあるポリフェノールを多く含むブルーベリーや赤ワインを、あるいは同じく抗酸化効果の期待できるカロテノイドを増やそうと緑黄色野菜を、毎日たっぷり摂り続けている方は少なくないと思います。

私もその一人です。
ところが聞くところによると、最近は健康志向の強い老若男女の間では「酸化」以上に「糖化」が、病気や老化の元凶として注目を集めているとのこと。
つい先日も、こんなことがありました。

「薬局で本当の体内年齢を測ってくれるらしいから、行ってみない?」
友人からいきなりそう誘われたときは、とっさにからかわれているのだと思いました。

本当の体内年齢なんて……、別に私、年齢を詐称しているわけでもないし、などと考えを巡らせていて、ハタとひらめいたことがあります。
おそらく彼女は、AGEのことを言っているのだろうと――。

そこで今日はちょっと趣向を変えて、ご自身の健康や美容を考えるうえで、また食事指導の場面などで患者からの質問に戸惑わないためにも、健康を語るうえで欠かせなくなっているAGEと糖化度の話を書いてみたいと思います。

AGEの体内蓄積状態から
健康や老化の実態がわかる

AGE(エージーイー)とは、「Advanced Glycation Endprodacts」のことです。
アメリカの学者が名付け親で、「たんぱく質」を構成しているアミノ酸と「糖」が加熱されて結びついた物質のことです。日本語では「終末糖化物質」、あるいは「こげつき物質」とも「老化たんぱく」とも呼ばれています。

AGEは、体内で生成されることもありますが、多くは食品や飲み物に含まれているAGEが食事として体内に取り込まれます。

体内に入り込んだAGEは、血管や骨、筋肉、皮膚組織などに、まさに鍋の底に煮物がこげつくような状態でたまっていき、ために血管や骨、筋肉、皮膚組織をもろくして、機能不全状態をもたらすという、まさに病気や老化の元凶ともいうべき物質です。

■AGEセンサーが「糖化度」を割り出してくれる
病気や老化の元凶と聞けば、自分の体内にAGEがどの程度たまっているのか気になるところです。
AGEの体内蓄積レベルは血液検査で知る方法もありますが、測定器が開発されていて、簡単に自分のAGE値を知ることができるようになっています。

測定器にはいくつか種類があるようですが、光を当てると発光するというAGEの特性を活用して測定するメカニズムは、おおむねどの機種も同じようです。

たとえば指先を測定器に挿入すると、機器に搭載されている「AGEセンサー」が、皮膚に蓄積されたAGEが発する光の強弱を読み取り、解析します。
その結果から、AGEの体内蓄積レベル、つまり「糖化度」あるいは「こげつき度」を割り出し、スコアとして示してくれるという仕組みになっています。

■割り出された糖化度から「体内年齢」も
割り出された糖化度(こげつき度)のスコアから、自分の本当の体内年齢、「true age(ツル― エイジ)」を知ることができます。
体内年齢が実年齢よりマイナスと出るかプラスと出るか、大いに気になるところです。

採血による痛みを伴うこともなく、3分もあれば結果が得られます。
自分の体内年齢、つまり健康の度合いや老化の進行度を知ることができる指標として、近いうちに一度測定してみてはいかがでしょうか。

■糖化度の測定は街の薬局でも
では、糖化度はどこで測定できるのかという話になります。
冒頭の会話にもあるように、最近ではこのAGE測定器を店頭に置いている街の薬局(ドラッグストア)が徐々に目につくようになりました。

院外処方箋を取り扱っている調剤薬局、それも大手チェーン店が多いようです。
一度最寄りの薬局で尋ねてみてはいかがでしょう。
料金については、無料のところもあれば有料(1回税抜きで1,000円ほど)のところもあります。無論、健康保険は使えません。

■毎月10日を「糖化の日」として糖化度チェックを
また、「糖化度」という言葉から想像できるように、糖尿病の診療科がある病院やクリニックでも、AGE測定器を待合室などに置いて、訪れた患者が自由に測定できるようにしているところが多いようです。

それと、地域差はありますが、自治体レベルで開催するイベントなどで、保健師さん等が中心になり、毎月10日を「糖化の日」と定め、AGE値のチェックを無料、あるいは割安で実施しているところもあると聞きます。

その結果によっては、AGEを増やさない食生活の指導をしたり、必要に応じて医師の診察を受けるようにすすめる、といった保健指導も行われているようです。

AGEをため込まないためには
きつね色の料理を控える食事を

すでに体内に蓄積され、血管や骨などにこげついてしまっているAGEを完全かつ確実に取り除く方法については、まだ研究段階のようです。
しかし、個人レベルでは、この先さらにAGEをため込まないために、毎日の食事を中心に着実に実践できることがあります。

AGEは、たんぱく質と糖が「加熱されて」できる物質です。
生野菜や刺身、冷奴など、加熱調理をせずに生(なま)のまま食べることができる食品は、AGEの含有量が少ない食品です。

一方で、アミノ酸スコアの高い良質なたんぱく質を多く含む、たとえば肉類、魚類、卵類、乳製品は、毎日の食事に欠かせない食材ですが、調理段階で加熱すればするほど、食品中のAGEはどんどん増えていきます。

揚げ物を食べるときはAGEを減らす工夫を

具体的にAGEの含有量を調理別にみてみると、最も増えるのは揚げ物です。
AGEは揚げ物より焼き物、焼き物よりレンジ加熱、レンジ加熱より蒸し物か煮物で少なく、最も少ないのは野菜や果物、魚などの生鮮食品を生のまま、といったところです。

鶏のから揚げやフライドポテトなど、きつね色をした揚げ物料理やスナック類が大好きでやめられないという方は、抗糖化効果、つまり食品中のAGEを減らす効果が期待できるレモンや酢などのクエン酸を軽くかけて食べるようにするといいようです。

豚肉や牛肉はしゃぶしゃぶにする、あるいはAGEの排泄を促すという意味で、食物繊維の豊富なきのこ類や海藻類と一緒に摂るなど、AGEを体内にため込まない工夫はいろいろあります。

この点については、AGEの研究では世界的権威として注目されている山岸昌一医師(久留米大学糖尿病性血管合併症病態・治療学講座教授)が以下の本で、詳細かつ具体的に紹介されていますので、ぜひ参考にしてみてください!!